ORANGE RANGE×氣志團、互いへのリスペクトと東北への思いを表した初対バン

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ORANGE RANGE氣志團によるツーマンライブ「ライブナタリー “ORANGE RANGE×氣志團”」が、3月11日に宮城・SENDAI GIGSにて開催された。

「ライブナタリー“ORANGE RANGE×氣志團”」アンコールの様子。(撮影:村長 @son_tkhs)

「ライブナタリー“ORANGE RANGE×氣志團”」アンコールの様子。(撮影:村長 @son_tkhs)

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フェスなどでは競演経験がある2組だが、直接のツーマンライブは今回が初。東日本大震災から11年を迎えたこの日、それぞれの思いを被災地である東北のファンに届けるパフォーマンスが繰り広げられた。

氣志團(撮影:村長 @son_tkhs)

氣志團(撮影:村長 @son_tkhs)[拡大]

最初に登場した氣志團は故郷への思いを表した「房総魂」を披露し、場内のテンションを急上昇させる。フラッグを掲げた微熱DANJIを従えて演奏されたのは高速チューン「NIGHT THE KNIGHTS」。硬派なパフォーマンスでフロアの熱気をさらに高めたあと、MCで綾小路翔(Vo)は「みんないっぱい悩んでここに集まってくれたと思う。来てくれてうれしいです」と会場に集まった観客に感謝を述べ、この日に東北でステージに立つ心境を「僕たち日本人にとって一生忘れちゃいけない日です。仙台でこの日を迎えるのは何か大きな意味があると思っています」と明かした。

「悲しいことはいっぱいあるけど、俺たちができることはみんなを元気にすること、みんなからいっぱい元気をもらうことです。最高の夜にしようぜ!」という言葉に続いては「男帝 -Dandy-」へ。チアガール姿の早乙女光(Dance & Scream)と微熱DANJIが華麗なダンスパフォーマンスを繰り広げた。その後は星グランマニエ(G)がボーカルを務める「330」を披露し、切なげなアンサンブルで場内の空気を変化させた。「スパトニック・シティ・ブビブビ」で綾小路と早乙女、微熱DANJIがアグレッシブなパフォーマンスを展開したあとは「One Night Carnival」を披露。いつもなら大サビでオーディエンスが大合唱する場面では口を開かずにハミングし、会場の一体感を高めた。

氣志團のステージにて、綾小路翔(右 / Vo)のリーゼントをお直しする早乙女光(左 / Dance & Scream)。(撮影:村長 @son_tkhs)

氣志團のステージにて、綾小路翔(右 / Vo)のリーゼントをお直しする早乙女光(左 / Dance & Scream)。(撮影:村長 @son_tkhs)[拡大]

キラーチューンで会場が盛り上がったかと思いきや、綾小路は若干不満げ。「俺が言うほど盛り上がってなかったって? この曲はもうオワコンだと?」とメンバーに絡み出し、早乙女にビンタを喰らわせる。ほかのメンバーが心配して早乙女に駆け寄ると、綾小路は「この曲がヒットしてみんなカラオケで歌ってくれて、その翌年何が起きた? 『上海ハニー』が出たんだよ!」「お前らと袂を分かってDJ OZMAとして活動したら、今度は『イケナイ太陽』が出た! 『Na-Na-NaNaNa』は一瞬で違う『Na, na, na』に置き換わった!」とORANGE RANGEへの嫉妬心を露わにし、フロアの笑いを誘った。

自虐を繰り返していた綾小路は我に返った様子で「……俺は言い訳ばっかりしてきた。目が覚めました、生まれ変わります。新曲やります!」と宣言した。「行こうぜ、ニライカナイの向こうへ!」という言葉のあとに演奏されたのは、「One Night Carnival」と「イケナイ太陽」をマッシュアップさせた「イケナイCarnival」。2曲が融合した見事なアレンジに、オーディエンスは笑顔で大きな拍手を送っていた。ラストナンバーは「スタンディング・ニッポン」。被災地復興を願って制作されたこの曲で、氣志團から東北への思いを直接届けるひとときとなった。

ORANGE RANGE(撮影:村長 @son_tkhs)

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氣志團からのバトンを受け取ったORANGE RANGEは「ラビリンス」のサイケデリックなサウンドでライブの幕開けを飾る。HIROKI(Vo)は「氣志團のライブすごかったですね、あれは反則ですよね(笑)。余力残ってますか?」と仙台のファンに呼びかけ、大きな拍手を浴びた。その後は「以心電信」さらに「ロコローション」とキラーチューンを連投。会場の一体感を急上昇させた。「3月ですけど、汗かいちゃいます?」というHIROKIの言葉に続いては「Enjoy!」を疾走感たっぷりに披露。メンバーたちの煽りに合わせてオーディエンスは笑顔で腕を振り回した。

氣志團のリハーサルの様子を見学していたというHIROKIが「ほとんど演奏の練習はしてなかった(笑)」と明かすと、RYOは「あの、寸劇的な……」と思わずこぼし、HIROKIから「寸劇って言うな! あれは衝動的に起こっていることなんだ!(笑)」とツッコまれる。和やかなやり取りに続き、HIROKIは仙台でのライブへの思いを「震災以降、3月は毎年東北に来ていたんですがここ2年ぐらい行けていなくて。沖縄から常に東北のことを考えていました」と語った。そしてサイクリングイベント「ツール・ド・東北」のテーマソングとして2020年に書き下ろした「Imagine」を万感の思いとともに披露。軽快なリズムに乗せ、前向きなメッセージを東北のファンに向けて届けた。

ORANGE RANGE(撮影:村長 @son_tkhs)

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その後はNHK沖縄放送局「本土復帰50年」のテーマソングとして書き下ろされた新曲「Melody」へ。メンバーの故郷に対する思いが、YAMATOが奏でる三線の音色やゆったりとしたバンドサウンドとともに歌われた。RYOはひさびさに東北を訪れた心境を「ずっと東北に来られなかったからもどかしくて。今回、来ることができた時点でテンションが高かったし、皆さんの顔を見るとさらにうれしい」と語る。一方、YAMATOは「我々はずっと沖縄に住んでますから東北に来るときは防寒の準備をしっかりするんですけど、来てみるとやっぱり寒い!(笑)この感覚を思い出しました」と苦笑いしつつ「でもお客さんはあったかいから」とフォロー。RYOから「MCうまくなったねえ」と褒められていた。

NAOTO(G)とYOH(B)が刻むビートに乗せてフロアが一斉に揺れた「祭男爵」に続き、HIROKIは「氣志團先輩はORANGE RANGEがうらやましいと言ってましたが、それはないものねだりです! 僕たちもおしゃべりがうまくなりたいし、ビンタできるメンバーが欲しい!」と叫び、「One Night Carnival」のイントロから「イケナイ太陽」へとつなげる。最後は「キリキリマイ」の攻撃的なサウンドが届けられた。

アンコールでXジャンプするORANGE RANGEと氣志團。(撮影:村長 @son_tkhs)

アンコールでXジャンプするORANGE RANGEと氣志團。(撮影:村長 @son_tkhs)[拡大]

アンコールでHIROKIは「両バンドを純粋に楽しんでもらえてるんじゃないかというノリでした」と会場に集まったオーディエンスに改めて感謝を述べ、「ここを沖縄に変えてしまってよろしいですか? 沖縄を経由して上海に行っちゃいましょう!」と曲紹介してから「上海ハニー」へ。曲の途中にはHIROKIの呼び込みで氣志團のメンバーも登場し、出演者とオーディエンスが一体となっての大盛り上がりが繰り広げられた。ラストは綾小路が「千葉県の先輩のジャンプで行くぞ!」と叫び、全員でXジャンプを飛んで締めくくられた。

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「ライブナタリー“ORANGE RANGE×氣志團”」2022年3月11日 SENDAI GIGS セットリスト

氣志團

01. 房総魂
02. NIGHT THE KNIGHTS
03. 男帝 -Dandy-
04. 330
05. スパトニック・シティ・ブビブビ
06. One Night Carnival
07. イケナイCarnival
08. スタンディング・ニッポン

ORANGE RANGE

01. ラビリンス
02. 以心電信
03. ロコローション
04. Enjoy!
05. Imagine
06. Melody
07. 祭男爵
08. イケナイ太陽
09. キリキリマイ
<アンコール>
10. 上海ハニー

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