森井勇佑の監督デビュー作となる映画「こちらあみ子」は、第161回芥川賞受賞作「むらさきのスカートの女」や大森立嗣監督で映画化された「星の子」で知られる今村夏子が2010年に発表し、太宰治賞と三島由紀夫賞を受賞したデビュー作を実写化した作品。広島に暮らす小学5年生・あみ子の少し風変わりだが純粋な行動が、家族や同級生など周囲の人々を否応なく変えていく過程を、無垢な少女の視線で鮮やかに描き出す。
本作の音楽を担当する青葉は「どんなときも、どんなことでも。そっと見守って、そっと聞かせて。あみ子さんのまっすぐな心に寄り添えたらと、音を選びました」とコメント。YouTubeでは映画の特報映像「あみ子、川であそぶ。」「あみ子、だんご虫をさわる。」「あみ子、お兄ちゃんとセッション。」も公開された。
青葉市子 コメント
どんなときも、どんなことでも。
そっと見守って、そっと聞かせて。
あみ子さんのまっすぐな心に寄り添えたらと、音を選びました。
劇場で公開されるのを楽しみに待っています。
森井勇佑 コメント
今村夏子さんの原作小説をはじめて読んだときから、あみ子という存在が、僕の中に住み着いて離れなくなりました。それはたぶんあみ子に、僕の根っこの部分が共鳴したからなのだと思います。世界の輪郭はもっと、ぐにゃっとしていて、きらきらしていて、不気味で、粒だって生きいきしているのだということ。社会とは別に、そんな世界のありようがあるのだということ。この感覚を映画にしたいと思いました。
オーディション会場の待合室で、大沢一菜が椅子にただ座っている姿を見たとき、この子があみ子だとすぐに思いました。一菜の目はどこか遠くを見ていて、まるで僕には見えていないなにかを見ているかのようでした。
一菜はとても自由で、なににも縛られない、台風のような子です。彼女が撮影現場に現れると、ものすごい勢いで現場が沸き立ち動き出すのでした。僕たちは必死にそれを撮影しました。一菜やみんなと過ごした時間は、僕にとってかけがえのないものです。
あみ子はいまなにを思っていて、どんな景色が見えていて、どんな音が聞こえているのか。あみ子を取り巻く世界はどんなものなのか。みんなで目一杯想像しながら、たくさん遊んで作った宝物のような映画です。そんな時間も、公開とともにもうすぐ終わっていってしまうのかなと思うと、とても寂しいものがあります。でもそれと同時に、これからこの映画を観てくれる人たちとあみ子が、いったいどんな新しい出会いをするのか、とても楽しみでもあります。どうか良い出会いとなりますように。
音楽ナタリー @natalie_mu
今村夏子原作の映画「こちらあみ子」音楽は青葉市子(コメントあり / 動画あり)
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