ムーンライダーズは2011年に無期限活動休止を発表。以降、何度かの活動休止の休止(=活動再開)を経て、デビュー45周年を迎えた昨年末のライブにて“生涯現役”を宣言した。デビュー46年目にあたる今年の活動のキックオフ会場に選ばれたのは、日比谷野外音楽堂。1996年の20周年、2006年の30周年という節目にもライブが開催された、メンバー・ファンともに思い入れのある、言わば聖地のような場所だ。
定刻になるとムーンライダーズメンバーが、前を歩くメンバーの肩に手を掛けて1列に並び、ステージに登場した。おぼつかない足取りだった彼らは、ポジションに着くとムードが一転。1978年リリースの「いとこ同士」をアグレッシブに演奏し、ライブの幕を開けた。続いて
ムーンライダーズは4月20日に約11年ぶりのアルバム「it's the moooonriders」をリリースする。ライブ中盤ではニューアルバムより「S.A.D」「smile」が披露された。「S.A.D」は作詞を鈴木慶一、メロディを
この日のセットリストには最近のライブであまり演奏されていなかった「モダーン・ラヴァーズ」「BLDG(ジャックはビルを見つめて)」「檸檬の季節」「イスタンブール・マンボ」といった1970~80年代の楽曲が並んでいた。「
続いて「今日は月が出てるのでしょうか?」という言葉ののち、バイオリンの音色で始まったのは「月夜のドライヴ」。この曲はムーンライダーズの前身バンド・はちみつぱいが1973年に発表した1stアルバム「センチメンタル通り」の収録曲で、この日演奏された中では最古のナンバーであった。
「イスタンブール・マンボ」からは、楽曲の前に老練なメンバーと若手のサポートメンバーが探りを入れながらジャムセッションを繰り広げ、シームレスに楽曲につなげるという、心地よい流れが作り上げられた。ムーンライダーズの代表曲の1つ「スカーレットの誓い」がスローなセッションで始まり、ブラス隊のファンファーレが場内に鳴り響くと、観客は総立ちに。「薔薇がなくちゃ生きていけない」というサビではステージが真っ赤な照明に照らされ、客席はこの日最高の盛り上がりを見せた。そしてバンドは終盤にアップチューンを連投。「ヤッホーヤッホーナンマイダ」では「プーチンは嫌いか?」「戦争やめろ!」と反戦メッセージが強調されるひと幕もあった。最後に彼らはアイリッシュ風の壮大なナンバー「黒いシェパード」を披露し、ステージをあとにした。
アンコールでプレイされたのは懐かしのナンバー「ジャブ・アップ・ファミリー」と、バンドの代表曲であるバラード「くれない埠頭」。鈴木慶一は「また近々お会いしましょう!」と告げ、約2時間20分におよんだムーンライダーズ約16年ぶりの日比谷野音公演の幕を閉じた。
「moonriders LIVE 2022」2022年3月13日 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)セットリスト
01. いとこ同士
02. We are Funkees
03. モダーン・ラヴァーズ
04. I hate you and I love you
05. ゆうがたフレンド(公園にて)
06. BLDG(ジャックはビルを見つめて)
07. 檸檬の季節
08. S.A.D
09. smile
10. イスタンブール・マンボ
11. ディスコ・ボーイ
12. 駄々こね桜、覚醒
13. 月夜のドライヴ
14. G.o.a.P.
15. Flags
16. スカーレットの誓い
17. シリコン・ボーイ
18. ヤッホーヤッホーナンマイダ
19. 黒いシェパード
<アンコール>
20. ジャブ・アップ・ファミリー
21. くれない埠頭
関連商品
リンスキー師範 @rinski_shihan
【ライブレポート】ムーンライダーズが聖地・日比谷野音で16年ぶりライブ、はちみつぱいやニューアルバムの楽曲も披露(写真13枚) https://t.co/4o4LUPJzbc