ヒグチアイとホリエアツシ、初競演で繰り広げた“混ざらない”ツーマンライブ

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ヒグチアイホリエアツシストレイテナー)によるツーマンライブ「ライブナタリー “ヒグチアイ × ホリエアツシ”」が2月23日に東京・草月ホールで開催された。

左からヒグチアイ、ホリエアツシ(Photo by Kana Tarumi)。

左からヒグチアイ、ホリエアツシ(Photo by Kana Tarumi)。

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ヒグチアイ(Photo by Kana Tarumi)

ヒグチアイ(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

2人は初競演となった本公演にて、それぞれ弾き語りでパフォーマンスを披露した。先攻を務めたのはヒグチ。彼女はピアノの前に腰掛けると軽く伸びをしてから「やめるなら今」「東京にて」をエモーショナルに届けた。

彼女はこの日のツーライブについて「最後にホリエさんと2人で何か一緒にやるのを期待している人には申し訳ないですけど、私は自分のライブが終わったら出てきません(笑)」と序盤から言い切る。「ホリエさんとは初対面でしたが、すごい柔らかい人で、ライブが楽しみです。こういう一緒にやらないっていう、混ざらない感じがとっても好き。今日はそんな混ざらないツーマンライブを観て、感じてもらえたらうれしいです」と観客に呼びかけた。

ヒグチアイ(Photo by Kana Tarumi)

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「新しい曲をやります。ファンの方には珍しいと思われるような、明るい曲です」という言葉ののち披露されたのは、3月2日発売のニューアルバムに収録される新曲「サボテン」。その後は一転して「悲しい歌がある理由」「悪魔の子」と哀愁漂う楽曲が続き、ホールはシリアスなムードに包まれた。

ヒグチアイ(Photo by Kana Tarumi)

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「悪魔の子」はテレビアニメ「『進撃の巨人』The Final Season Part 2」のエンディングテーマ。オンエア時、昔の知り合いなどさまざまな人から連絡が届いたというヒグチは、複雑な心境になったことを吐露する。「自分の嫌なところがいっぱい出てきたんです。でも、今ここにいる人は『絶対』。だって、いてくれてるんだもん。顔が見えなくても、CDを大切に聴いてくれている人も『絶対』。そんな存在にすごく救われているんですよ。私は13年くらい音楽をやってきて、出会ったすべての人を覚えてはいないけど、『安心させてくれてありがとう』と思っています」と自分を支えてくれるファンに感謝の言葉を伝えると、そのまま未発表曲「mmm」へ。世情を思わせる歌詞のこの曲をハミングを取り入れながら熱唱した。

歯切れのいい演奏で「前線」を聴かせたあと、ヒグチは「初めて草月ホールに来たけど、次の曲に合っていると思いました。みんなそれぞれの劇場があると思います。だけど私はヒグチアイという人生の劇場からは離れることがないんだなと」と語る。そして最後にニューアルバムより新曲「劇場」を情感たっぷりに届け、深くお辞儀をしてステージを去っていった。

ホリエアツシ(Photo by Kana Tarumi)

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後攻のホリエはアコースティックギターを抱えると調子を確かめるように鳴らし、「ストレイテナーからホリエアツシです。よろしくお願いします」と挨拶。まずは自身のルーツであるRadiohead「High and Dry」のカバーを披露した。「今日初めて僕を観る人もたくさんいると思うので、名前だけでも……2、3曲くらいは覚えてくれたら」と控えめに話した彼は、「SIX DAY WONDER」「倍音と体温」をしっとりと歌い上げた。

ホリエは本公演について「なぜこの2組なのか解明されてなくて。まあ、あえて聞いてないんですけど」と人選の理由を知らないことを明かす。「表記がカタカナ? イニシャルが一緒?」と自分なりの推測を述べたのち、「でもヒグチアイさんの曲をちょっとずつ聴いて、だんだん好きになって。今日リハーサルを観て、最高やないか!と。すでに食らってるんですけど、『今日は混ざらないツーマン』と言ってくれたので、自分のライブをやればいいんだなと落ち着けました」と語る。そして「あんなに早く『もう今日はステージに出ません』って言うのもどうなんだと思いましたが(笑)」とツッコみつつ、「言うなれば、僕がヒグチアイさんのファンになるだろうというツーマンだったんじゃないかと解釈しております」とヒグチを称えた。

ホリエアツシ(Photo by Kana Tarumi)

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ホリエのステージはリラックスした雰囲気で進行。中盤では彼が「小学生の頃、ジャニーズの男闘呼組をテレビで観て音楽をやりたいと思った」と、初めて公にするというエピソードを暴露するひと幕もあった。「男闘呼組はやりませんが、誰もが知ってる名曲をやります」という言葉に続いて始まったのは、秦基博「鱗(うろこ)」のカバー。ハイトーンで伸びやかな歌声が会場に響き渡った。

ホリエアツシ(Photo by Kana Tarumi)

ホリエアツシ(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

その後ホリエは本公演のために制作したという新曲「インビジブル」を披露。うっすらエフェクトのかかったギターの音色と、徐々に熱を帯びる切実な歌声に、観客はじっくりと聴き入る。さらに彼はギターを爪弾きながら、清涼感のあるメロディラインの「七夕の街」を気持ちよさそうに熱唱。「“本物”と相見える今日のような機会は、自分がどれだけやれるか奮い立たせられるので、ありがたいです。今日は本当にやってよかった」と晴れやかな表情で述べ、「No Cut」でライブを締めくくった。

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「ライブナタリー “ヒグチアイ × ホリエアツシ”」2022年2月23日 草月ホール セットリスト

ヒグチアイ

1. やめるなら今
2. 東京にて
3. サボテン(新曲)
4. 悲しい歌がある理由
5. 悪魔の子
6. mmm(未発表曲)
7. 前線
8. 劇場(新曲)

ホリエアツシ

1. High and Dry(Radiohead)
2. SIX DAY WONDER
3. 倍音と体温
4. Ark
5. 悲しみが生まれた場所(ent)
6. 鱗(うろこ)(秦基博)
7. インビジブル
8. 七夕の街
9. No Cut

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ヒグチアイ @HiguchiAi

ホリエアツシさんとのツーマン🐍ライブナタリーのレポート公開🙌ありがとうございました💐 https://t.co/NKS4xABH4w

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