転校少女*ラストライブ全42曲に詰め込んだ7年間の軌跡、ファンへの感謝の思い

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転校少女*の解散ライブ「転校少女*『THE LAST LIVE ~With You~』」が1月16日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で開催された。

「転校少女*『THE LAST LIVE ~With You~』」の様子。

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転校少女*は2014年11月に転校少女歌撃団として結成され、2018年5月に現在のグループ名に。「エモーショナルかつ文系的要素にあふれた楽曲をパワフルなステージングで表現するグループ」として楽曲のリリースやライブ活動を精力的に行ってきたが、コロナ禍の影響で活動に変化が生まれる中、これからの転校少女*について話し合いを重ねた結果、メンバーがそれぞれステップアップを目指すために解散することを決断した。ラストライブでは4人が“転校バンド”による生演奏に合わせて持ち曲全42曲を披露。約7年以上におよんだ活動の集大成を、ファンに対する感謝の思いとともに約3時間半のステージに凝縮した。

「転校少女*『THE LAST LIVE ~With You~』」の様子。

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開演時刻になると、歴代の「Overture」をつなげたオープニングSEが流れ、会場の緊張感と高揚感が一気に上昇する。ステージに登場した転校少女*は記念すべき初のオリジナル曲として2015年にリリースした「猟奇的You&Me」でライブの火蓋を切り、勢いそのままに「ナチュラル☆ハイ」「私の絶対領域」など、転校少女歌撃団時代の疾走感あふれるナンバーを連発。鈴木栄奈(Key)、青山英樹(Dr)、宮本將行(B)、佐藤裕晃(G)からなる転校バンドが生み出すパワフルなサウンドや、ステージから噴出するスモークの演出を味方にライブ開始早々から熱気を帯びたパフォーマンスを届けていった。最初のMCで1人ずつ元気よく自己紹介し、「今日は皆さんの耳と心にしっかり刻まれるライブを必ずしますので、最後までよろしくお願いします!」と呼びかけたメンバーは、続いて代表曲の1つ「ときめけ☆アフタースクール!」やメジャー2ndシングルの表題曲「春めく坂道」を歌唱。会場のファンはステージ上の4人の姿を目に焼き付けつつ、ペンライトを振ったり、彼女たちの動きに合わせて踊ったりと、1曲1曲のパフォーマンスを思い切り堪能した。

「転校少女*『THE LAST LIVE ~With You~』」の様子。

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次のブロックではメドレーコーナーが展開され、転校少女*は松井さやかと佐々木美紅、塩川莉世と成島有咲という組み合わせのペアに分かれて計14曲をノンストップで披露。彼女たちは2曲ごとに出番を交代し、活動の歴史を振り返るように歴代の衣装に次々に着替えながら、タオルを振り回すサマーチューン「サマーサマー皆SUMMER」、2人でセリフをつなぐように歌う「さかさまの世界」、ジャジーなナンバー「Catch Me(If you can)」、ディスコチューン「Mad Good Love」など、新旧の楽曲を休みなく畳みかけていく。メドレーラストの「バ・ビ・ブブブー・ブートキャンプ~プラクティス1 夢見るアッパーカット~」ではメンバー全員でスクワットを繰り広げ、観客とひとつになって心地よい汗を流した。

「デモサヨナラ」を歌う転校少女*。

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解散前の思い出作りを名目にしたバラエティ企画「全員クリアするまで帰れま10」が上映され、会場が和やかな空気に包まれた後、転校少女*は白の衣装にチェンジしてステージへ。ライブで聴く機会が少なくなってしまったアイドルソングの名曲を歌い継ぐ企画「LOVE IDOL PROJECT」に昨年より挑戦してきた4人は、PASSPO☆「マテリアルGirl」、Cheeky Parade「無限大少女∀」 、ベイビーレイズJAPAN「シンデレラじゃいられない」、Dorothy Little Happy「デモサヨナラ」、℃-ute「Danceでバコーン!」といった鉄板のアンセムを立て続けにカバー。さらに転校少女歌撃団時代からレパートリーにしているGALETTe「じゃじゃ馬と呼ばないで」で観客を踊らせ、会場のボルテージをもう一段階引き上げた。

アコースティックセットでパフォーマンスする転校少女*。

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「転校少女*『THE LAST LIVE ~With You~』」の様子。

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過去にチャレンジしてきたバラエティ企画を懐かしんだり、「誰か転校少女*の曲も『LOVE IDOL PROJECT』として歌い継いでくれないかな」としみじみ語ったりと、だんだんとライブが終盤に近づいていくのを名残惜しむ4人。会場のファンもその言葉に共感の表情を浮かべる中、彼女たちは自分たちの歌声をじっくり届けるべく、ここからアコースティックセットで楽曲を披露する。「ショコラの独白」「She's Rain」「Winter Wish」という切ない世界観の楽曲がしっとりと響き渡ると、観客は精一杯の感情が込められた伸びやかな歌声に聴き入った。その後は、世の中がコロナ禍になってから転校少女*に加入した佐々木と成島がファンのコールを聞いたことがないという話になり、松井が「コールできる世界になったら、また集まって(ライブを)やりたいね」と口にして拍手を浴びる場面も。いよいよライブが終盤に突入すると、昨年12月に行われた楽曲の人気投票企画「リクエストアワー」で上位にランクインした「プロムナードの足跡」「この世界にサヨナラして」と続き、転校少女*のコンセプトを体現したようなエモーショナルなステージが繰り広げられる。解散を決断するに至った思いが改めて語られたあとは、壮大なナンバー「銀河列車」や、“出会いと別れの先にある希望”を描いた「星の旅人」が情感たっぷりに歌い上げられた。

紙吹雪が舞う中、1人ずつお辞儀して退場する転校少女*。

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場内がセンチメンタルなムードで満たされるも、「WONDER WAVE!」の曲中に「地球上で 一番いま 熱いのはZepp Haneda!」と歌詞をアレンジして歌ったり、順番にソロを演奏する転校バンドの面々を紹介したりと、4人は再びさわやかな笑顔を浮かべる。続くMCでは塩川の提案により、客席に向かって「男の子!」「女の子!」「メガネの人!」などと叫んで拍手を巻き起こし、ファンとのコミュニケーションを楽しんだ。そしてライブ本編のラストには「With You」が披露され、アカペラで曲がスタートする演出に観客の視線が釘付けに。きらびやかな紙吹雪が降り注ぐ中、メンバーは1人ずつ深々とお辞儀をしてステージから退場した。

「転校少女*『THE LAST LIVE ~With You~』」の様子。

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アンコールを求める手拍子に応え、再び観客の前に姿を現した転校少女*は、夢に向かって突き進む前向きな気持ちを描いたロックチューン「NEVER ENDING STORY」で勢いよくライブを再開。曲が終わると、1人ひとり胸の内を語り始めた。佐々木は「転校少女*の佐々木美紅の歴史をもっと残したかったなという思いは正直あります」と話しつつも、「これから私たち4人は一緒に活動することはなくなるけど、それぞれの道に向かってまっすぐ歩いていきたいと思っているので、それぞれ4人の応援を絶対に、絶対に絶対に約束してください」と晴れやかに挨拶。成島は「私が入ったとき、『新メンバー、どうせすぐ辞めるでしょ』みたいな声があったんですけど、すごく悔しくて。私は転校少女*が大好きだから、しんどいことがあっても自分から辞めるという選択は絶対に取らないと決めてました」「私は歌もダンスも飛び抜けてうまいわけではないんですけど、みんなにどんなときでも元気を与えられるようなアイドルに誰よりもなりたいと思ってました。転校少女*の成島有咲は少しでもそういうアイドルになれてましたか?」と涙ながらにファンに問いかけた。

手紙を読み上げる塩川莉世。

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松井は自身と同じく結成時からのオリジナルメンバーである塩川に対して「莉世がいたからここまで来れました。いろんなことを乗り越えてきたけど、さやかが悩んでいるときや苦しいとき、いつも莉世は手を差し伸べてくれて。年の差なんて関係なく、いろんな面で支えてくれました。この先、莉世を超える相棒は絶対にいないです」と思いを伝えたほか、「自分のいない転校少女*を見たくないとずっと思ってここまでやってきました。だから、辞めたいと思ったことは今まで一度もないです。それくらいグループを愛しているし、転校少女*でいられて幸せだなと今日まで毎日思っていました」とグループへの愛を語る。この日のために手紙をしたためてきた塩川は、「今21歳になって、少し自信を持てるようになりました。それはここにいるみんなが元気が出る言葉をたくさんくれるからです。解散を発表してからみんなに言われた言葉があって。『莉世ちゃんがいたからつらいときもがんばれたよ』『莉世ちゃんが人生を変えてくれたんだよ』と言われました。みんな1人ひとりの人生に寄り添うことができて本当にうれしかったです」とあふれ出す感情を丁寧に紡いだ。

「転校少女*『THE LAST LIVE ~With You~』」の様子。

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ファンと記念撮影する転校少女*。

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しっかりと自身の思いを言葉にした4人は、「TRIGGER」の間奏でもファンに対する感謝の気持ちや愛を叫ぶ。最後は躍動感あふれるファンクナンバー「Girl*s Time」を転校少女*の歴史を締めくくる楽曲として披露し、一瞬一瞬を噛み締めながら澄み切った笑顔を弾けさせた。全42曲を歌い終えたメンバーは、スタッフからサプライズで花束を贈られて感激。これまでの軌跡を讃えると同時に、4人の背中を押す盛大な拍手に包まれながら、客席に向かって改めて頭を下げ、温かい空気の中で転校少女*の活動に終止符を打った。そして彼女たちが立ち去ったあと、ステージ上のスクリーンにはファンに向けた手書きのメッセージが映し出された。

なお、この公演の模様を生中継したCSテレ朝チャンネル1では、2月12日(土)11:00より舞台裏の密着映像、トークや対決企画満載のロケを加えたライブ映像の完全版がオンエアされる。

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転校少女*「転校少女*『THE LAST LIVE ~With You~』」2022年1月16日 Zepp Haneda(TOKYO) セットリスト

01. 猟奇的You&Me
02. ナチュラル☆ハイ
03. ロシアンルーレット
04. 私の絶対領域
05. 恋はカムフラージュ
06. Love Range!
07. ときめけ☆アフタースクール!
08. 春めく坂道
09. 100年キミだけ
10. Peace World
11. サマーサマー皆SUMMER
12. さかさまの世界
13. ときめけ☆サンデー!
14. Step By Step
15. PAINT GIRL
16. Catch Me(If you can)
17. 終わらない世界
18. 情熱リボルバー
19. Mad Good Love
20. WOW WOW TRAIN
21. リバース・エイジ
22. Mr. Dream
23. バ・ビ・ブブブー・ブートキャンプ~プラクティス1 夢見るアッパーカット~
24. マテリアルGirl
25. 無限大少女∀
26. シンデレラじゃいられない
27. デモサヨナラ
28. Danceでバコーン!
29. じゃじゃ馬と呼ばないで
30. ショコラの独白
31. She's Rain
32. Winter Wish
33. プロムナードの足跡
34. この世界にサヨナラして
35. 銀河列車
36. 星の旅人
37. 瞬け、プルート
38. WONDER WAVE!
39. With You
<アンコール>
40. NEVER ENDING STORY
41. TRIGGER
42. Girl*s Time

CSテレ朝チャンネル1「転校少女*『THE LAST LIVE ~With You~』完全版」

2022年2月12日(土)11:00~

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読者の反応

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そ る 🐯 @torakon01

∑(゚Д゚)
転校少女*知らん間に解散してた…配信ライブとか結構見てたんだよな。

#塩川莉世 ちゃんはソロ活動か。まぁビジュアルも生歌も抜群だから大丈夫でしょう。 https://t.co/GeNyFPEejj

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