ザ・コインロッカーズ3年間の物語に幕、それぞれのステージへ羽ばたく

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ザ・コインロッカーズのラストライブ「3周年!夢は弾いてかなえる!」が、12月22日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で開催された。

ザ・コインロッカーズ(撮影:鈴木恵)

ザ・コインロッカーズ(撮影:鈴木恵)

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「夢は弾いてかなえろ!」をキーワードに、秋元康とワーナーミュージック・ジャパンがタッグを組んだバンドプロジェクトによって2018年12月23日に結成されたザ・コインロッカーズ。先月、メンバーの将来やこの先のグループの未来などを総合的に判断した結果、今年の結成記念日をもって解散が決定したとスタッフより発表された。彼女たちはラストライブである本公演を完遂し、昨日12月23日をもって解散した。

このバンドは当初、楽曲によるメンバー選抜システムを採用し、ギター、ベース、ドラム、ボーカル、キーボードといった各パートに多数のメンバーが在籍。2018年に実施されたオーディションでは約1万人の応募者から38人が選出された。その後メンバー編成のリニューアルを経て、6月に開催されたアルバム記念ライブから最終的な10人体制に。有働優菜(Key)、Emily(G, Vo)、絹本夏海(Vo, G)、後藤理花(Key)、下島輝星(G)、田村愛美鈴(Key)、HANNA(G)、船井美玖(Vo)、松本璃奈(Dr, Vo, B)、森ふた葉(Dr)は、3年間活動し続けてきた誇りを胸に最後の舞台に立った。

下島輝星(G)(撮影:鈴木恵)

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ライブは「ねぇねぇねぇ」とファンにアピールする「君推し!」で幕開け。10人は輝く姿をファンのまぶたへ焼きつけるように、前のめりなパフォーマンスを繰り広げる。続いて「アイスちょうだい」「マジでピンと」「コインロッカーの中身」といったナンバーを、最後という悲しさを忘れさせるかのように、強気な姿勢で演奏した。

「3周年!夢は弾いてかなえる!」の様子。(撮影:鈴木恵)

「3周年!夢は弾いてかなえる!」の様子。(撮影:鈴木恵)[拡大]

船井がプロデュースした衣装に着替えたメンバーは、ミッドメロウな「月はどこに行った?」をプレイ。ミラーボールが放つ青い光とともに、淡い歌声がフロアに降り注いだ。切ない胸の内を歌う「桜なんか嫌いだ」では、桜色のペンライトの光が会場のあちこちで揺れる。さらにザ・コインロッカーズはリズム隊のセッションを合図に、デビュー曲「憂鬱な空が好きなんだ」を披露し、無邪気なパフォーマンスで観客をヒートアップさせた。

「3周年!夢は弾いてかなえる!」の様子。(撮影:鈴木恵)

「3周年!夢は弾いてかなえる!」の様子。(撮影:鈴木恵)[拡大]

3年間の歩みを振り返る映像上映ののち、ライブは「仮病」で再開。熱いムードそのままに、「泣かせてくれないか」が“涙なんか吹き飛ばしてしまえ”と言わんばかりの勢いで演奏される。ライブの最後を飾ったのは「歌いたくて歌いたくて 大声を出したくなる この胸に溜まっている言葉を吐き出そう」と、10人が一斉に歌う「歌いたくて歌いたくて」。彼女たちはあふれそうな涙さえ力に変えながら最後の1音まで丁寧に届け、ファンは拳を突き上げてその思いを受け止めた。

絹本夏海(Vo, G)(撮影:鈴木恵)

絹本夏海(Vo, G)(撮影:鈴木恵)[拡大]

有働優菜(Key)(撮影:鈴木恵)

有働優菜(Key)(撮影:鈴木恵)[拡大]

アンコールでザ・コインロッカーズは「僕はしあわせなのか?」を披露。その答えを示すように10人は晴れやかな表情を見せ、ファンと出会えた喜びを分かち合った。その後、メンバーは1人ひとり挨拶。絹本は「わたしはオーディションのときに『人生を変えたいです』と言ったんですけど、あれは心の底からの本心です。本当にこの3年間で人生を変えることができました。皆さんの顔は絶対に忘れないです。応援してくれたことはすごくうれしかったです。この3年間はわたしの宝物です」と活動期間への思いを語り、有働は「3年間、どの場面を切り取ってもファンの皆さんに支えられてきたなとすごく思いました。ザ・コインロッカーズは解散してしまうんですけど、私たちが今まで作ってきた作品はこれからも残り続けるので、これからもザ・コインロッカーズが皆さんの側に寄り添い続けてくれたらなと思います。皆さんと出会えて幸せでした」と前向きな言葉を送った。

船井美玖(Vo)(撮影:鈴木恵)

船井美玖(Vo)(撮影:鈴木恵)[拡大]

ザ・コインロッカーズ(撮影:鈴木恵)

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一方、船井は「わたしは本当に全部悔しいなと思いながらやってきた3年間だったなと思います」とストレートな気持ちを吐露。「もし、39人や13人でライブをしていたらどんな形だったのかなと思います。わたしはみんながいなくなるたびにしんどくて。13人になってからも10人になってからも、すごくプレッシャーがあったんですけど、支えてくださったのはファンの皆さんでした。本当に感謝しています。もう少し続けようと思ったのは、皆さんがいたからです。ザ・コインロッカーズはすごく不安定で、応援してて満たされてるのかなって不安になっていたんですけど。皆さんの顔を見たら、やってきて良かったなってすごく思いました。本当に3年間応援してくださってありがとうございました」と正直な心境を交えつつ、ファンへ感謝の気持ちを伝えた。そしてザ・コインロッカーズは新しいステージへ羽ばたく約束を交わすように、バンドの光と影がつづられた「ステージ」を最後に届け、3年間の物語にピリオドを打った。

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ザ・コインロッカーズ「3周年!夢は弾いてかなえる!」2021年12月22日 Zepp Haneda(TOKYO)セットリスト

01. 君推し!
02. アイスちょうだい
03. マジでピンと
04. 夢がない僕が夢をみたんだ
05. コインロッカーの中身
06. 月はどこに行った?
07. 桜なんか嫌いだ
08. 最後の蝉
09. 孤独でいることに慣れてしまった
10. 小田急線
11. その日
12. 永遠の記憶
13. 憂鬱な空が好きなんだ
14. 仮病
15. 泣かせてくれないか?
16. 歌いたくて歌いたくて
<アンコール>
17. 僕はしあわせなのか?
18. ステージ

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読者の反応

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裏本田・柴志朗(鈴木達也) @ssurahonda

「もし、39人や13人でライブをしていたらどんな形だったのかなと思います。わたしはみんながいなくなるたびにしんどくて。」
【ライブレポート】ザ・コインロッカーズ3年間の物語に幕、それぞれのステージへ羽ばたく(写真17枚) https://t.co/WJsGveHLCd

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