結成25周年のアジカン、まっさらな4人でライブハウスに鳴らした音

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ASIAN KUNG-FU GENERATIONが11月25日に神奈川・KT Zepp Yokohamaで結成25周年記念ツアー「25th Anniversary Tour 2021 "Quarter-Century”」のファイナル公演を開催した。

ASIAN KUNG-FU GENERATION「25th Anniversary Tour 2021 "Quarter-Century”」神奈川・KT Zepp Yokohama公演の様子。(撮影:山川哲矢)

ASIAN KUNG-FU GENERATION「25th Anniversary Tour 2021 "Quarter-Century”」神奈川・KT Zepp Yokohama公演の様子。(撮影:山川哲矢)

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バンドの25年間の歴史の中で生まれた、さまざまな楽曲が披露されたこのアニバーサリーツアー。11月22日に行われたセミファイナルの東京・Zepp Tokyo公演の模様は生配信され、アニバーサリーツアーならではのスペシャルな内容にSNSでは“神セトリ”という興奮の声が飛び交っていた。北海道、愛知、大阪、福岡、東京での公演を経て、アジカンは結成の地である横浜の地へ。サポートメンバーを入れずに4人のみでライブハウスに立ち、全24曲を披露した。

後藤正文(Vo, G)(撮影:山川哲矢)

後藤正文(Vo, G)(撮影:山川哲矢)[拡大]

ステージに登場するなり、アジカンはバンド初期に生まれた楽曲を連投。ライブ序盤から勢いをつけるように、1stアルバムのオープニングナンバーと2曲目である「フラッシュバック」「未来の破片」を前のめりでプレイした。アジカンのライブのセットリストでは鉄板だったこの2曲の流れと、熱のこもった演奏につられるようにオーディエンスの興奮も一気に高まっていく。その後もアジカンは「無限グライダー」「ノーネーム」といった懐かしいナンバーで剥き出しのバンドサウンドを思いきりよく鳴らした。

喜多建介(G)(撮影:山川哲矢)

喜多建介(G)(撮影:山川哲矢)[拡大]

ファンにとって聴き馴染みの深いノスタルジックなギターリフでスタートしたのは「ブラックアウト」。どれだけ時が経っても色あせることのない、感傷的なメロディが場内に切なく鳴り響く。さらにそのまま「ブルートレイン」につながると、緻密なドラムサウンドを軸としたアンサンブルとオーディエンスのハンドクラップが重なり合った。後藤正文(Vo, G)が「25周年のツアーに参加してくれてありがとうございます」と挨拶すると、オーディエンスは祝福の思いを込めて彼らに大きな拍手を贈る。そして後藤は「25年前に横浜で喜多くんと2人で始まったバンドなんですけど、またこうして横浜に戻ってこれてとってもうれしいです」と穏やかに話し、オレンジのライトに染まった美しいステージで「十二進法の夕景」を演奏した。

山田貴洋(B)(撮影:山川哲矢)

山田貴洋(B)(撮影:山川哲矢)[拡大]

その後も「センスレス」や「君という花」といったアジカンの歴史には欠かせない、ライブで深く愛されてきたナンバーが続く。喜多建介(G)がアジカンで初めて作曲してメインボーカルを務めた「嘘とワンダーランド」、後藤のラップのような歌唱で始まる「新世紀のラブソング」、畳野彩加(Homecomings)をボーカルに招いて作られた「UCLA」といったナンバーは、柔軟な姿勢で音楽作りに取り組んできたバンドのこれまでを思い起こさせた。「或る街の群青」では胸をくすぐるようなメロディが場内に広がり、「踵で愛を打ち鳴らせ」や「ソラニン」ではストレートなバンドサウンドが心地のいい空気を生み出す。オーディエンスはそれぞれの心にあるアジカンの楽曲との思い出に浸るように、1曲1曲じっくりと楽しんでいた。

伊地知潔(Dr)(撮影:山川哲矢)

伊地知潔(Dr)(撮影:山川哲矢)[拡大]

ライブ後半に「Standard / スタンダード」「Easter / 復活祭」をダイナミックに演奏したアジカン。後藤は2022年3月12日と13日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで行われる追加公演に触れ、「4人だけでやるライブと、俺たちと一緒に音楽を作ってきてくれた人たちと一緒にやるライブ、両方できたらいいよねという話をして」と次はまた違った形でのライブになる予定であることを明かす。ライブハウスを回った今回のツアーを経て、後藤は「無骨な4人だけでのステージをやって、『これだったよね』みたいな。丸裸の4人になって全国に回って、いろいろ思い出すなと思って。そういや俺たち、間違いだらけのまま始めたんだよな。でもそれがよかったんだな、って。若いってことは間違えることができるっていうことだなって」とかつての自分たちに思いを馳せ、「もうちょっと間違えなきゃダメだよな。誰もやったことのないことを、もしかしたら間違いかもしれないけどやってみる気持ちってすごく大切」としみじみと語った。そんなMCを経て、彼らは温かな空気の中で「迷子犬と雨のビート」を軽快にプレイ。「今を生きて」ではステージ上に置かれた数々のパネルにこれまでの作品のジャケットが輝き、バンドの濃厚な歴史を示す。ラストナンバー「遥か彼方」では盤石でありながらもフレッシュさのあるバンドサウンドが場内いっぱいに響きわたった。

ASIAN KUNG-FU GENERATION「25th Anniversary Tour 2021 "Quarter-Century”」神奈川・KT Zepp Yokohama公演の様子。(撮影:山川哲矢)

ASIAN KUNG-FU GENERATION「25th Anniversary Tour 2021 "Quarter-Century”」神奈川・KT Zepp Yokohama公演の様子。(撮影:山川哲矢)[拡大]

アンコールで再びステージに現れたアジカンは、8月にリリースしたシングル曲「エンパシー」を披露。バンドの最新の音楽でみずみずしいロックサウンドをまっすぐにオーディエンスに届けた。最後に披露されたのは「ボーイズ&ガールズ」。「まだ はじまったばかり」と繰り返し歌うこの曲を奏でて、4人は肩を組んでツアーファイナルを終えた。

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ASIAN KUNG-FU GENERATION「25th Anniversary Tour 2021 "Quarter-Century”」2021年11月25日 KT Zepp Yokohama

01. フラッシュバック
02. 未来の破片
03. サイレン
04. 無限グライダー
05. ノーネーム
06. ブラックアウト
07. ブルートレイン
08. 十二進法の夕景
09. センスレス
10. 君という花
11. 嘘とワンダーランド
12. 新世紀のラブソング
13. UCLA
14. 或る街の群青
15. 踵で愛を打ち鳴らせ
16. ソラニン
17. 荒野を歩け
18. Standard / スタンダード
19. Easter / 復活祭
20. 迷子犬と雨のビート
21. 今を生きて
22. 遥か彼方
<アンコール>
23. エンパシー
24. ボーイズ&ガールズ

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