未来へ進むため決断、THE PINBALLSが“最高のロックンロール”になった日

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THE PINBALLSのワンマンライブ「Go Back to Zero」が11月24日に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)にて開催された。

「THE PINBALLS 15th Anniversary Oneman "Go Back to Zero"」の様子。(撮影:白石達也)

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「THE PINBALLS 15th Anniversary Oneman "Go Back to Zero"」の様子。(撮影:白石達也)

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PINSは昨年セルフカバーアルバム「Dress up」とフルアルバム「millions of oblivion」、今年8月には過去の楽曲を再レコーディングしたメモリアルアルバム「ZERO TAKES」をリリースし、コロナ禍の影響を受けながらもコンスタントに作品をリリースしていたが、「Go Back to Zero」をもって活動を休止することを発表。彼らの活休前最後のライブは、結成15周年記念を兼ねたワンマンとなった。

「THE PINBALLS 15th Anniversary Oneman "Go Back to Zero"」の様子。(撮影:白石達也)

「THE PINBALLS 15th Anniversary Oneman "Go Back to Zero"」の様子。(撮影:白石達也)[拡大]

結成から現在までに行ってきたライブ日程が次々とスクロールしていくオープニングVTRの上映が終わると、スクリーンにはステージにスタンバイしたメンバーのシルエットが浮かび上がる。「片目のウィリー」の演奏開始とともにスクリーンが下ろされるとオーディエンスが総立ちとなり、フロアには一気に熱気が立ち込めた。PINSにとって今回の会場は史上最大規模となったが、これまでのライブと同じくストイックなスタイルでパフォーマンスを展開。MCを挟まず「ママに捧ぐ」「アダムの肋骨」とストレートなロックチューンを休みなく演奏した。

古川貴之(Vo, G)(撮影:白石達也)

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中屋智裕(G)(撮影:白石達也)

中屋智裕(G)(撮影:白石達也)[拡大]

「ICE AGE」のイントロでは、古川貴之(Vo, G)が「今まで覚悟なしでステージに上がったことはなかったです。今日も変わりません、最高のライブします!」と力強く宣言。その言葉を証明するように、「CRACK」の合間には森下拓貴(B)が叫ぶような声でコーラスを重ねていく。「SLOW TRAIN」では中屋智裕(G)がステージ中を思うままに歩き回り、ソロパートに入ると激しくギターを弾き倒すというステージングを繰り広げた。

石原天(Dr)(撮影:白石達也)

石原天(Dr)(撮影:白石達也)[拡大]

「SLOW TRAIN」演奏後、古川は「休止前最後のライブだから、『楽しい』と言い切れないのはすごく申し訳ないです」と自身の心境を明かしつつ、「たくさんの人が集まってくれて、とても温かいです。ここまで来れたのはメンバーのみんな、そして皆さんのおかげです」と感謝の思いを告げた。そんな彼の心持ちを表すように、このMCのあとには「DUSK」「sugar sweet」といったスローナンバーがセレクトされ、会場は古川の伸びやかな歌声で包み込まれた。その後、古川の「踊れますか?」という問いかけのあとには、「ダンスパーティーの夜」「まぬけなドンキー」とダンサブルな楽曲がメインに。森下の力強いピッキング、石原天(Dr)のフリーキーなドラミングが絡み合い、オーディエンスのテンションをさらに高めていった。

森下拓貴(B)(撮影:白石達也)

森下拓貴(B)(撮影:白石達也)[拡大]

穏やかなムードに満ちた「way of 春風」のあと、古川はバンドの活動休止について「決してあきらめたから休止するんじゃなくて……未来へ進むため、みんなと出した決断です」と涙で声をつまらせながら説明。「休止後も絶対にサボったりはしない、それだけはちゃんと伝えたいです」とこれからの活動に対する意気込みを話すと、フロアからは温かな拍手が飛び交った。“朝まで歌い続けたい”という古川の思いを表現した「蜂の巣のバラード」を挟み、「20世紀のメロディ」からは再びハードなナンバーを中心としたセットリストへと移行。「蝙蝠と聖レオンハルト」「毒蛇のロックンロール」「劇場支配人のテーマ」と彼らの代表作とも言える楽曲群で、ライブ後半を畳み掛けていった。そして古川が「『こいつはロックンロールだった』と思ってもらえるような歌を届けたいと思います」と語り、本編最後に選ばれたのは「ニューイングランドの王たち」。PINSは力を振り絞るような演奏で、活動15周年の貫禄を堂々と示した。

「THE PINBALLS 15th Anniversary Oneman "Go Back to Zero"」の様子。(撮影:白石達也)

「THE PINBALLS 15th Anniversary Oneman "Go Back to Zero"」の様子。(撮影:白石達也)[拡大]

鳴り止まない拍手に応えてアンコールに入ると、PINSは結成初期からのレパートリーである「アンテナ」「十匹の熊」を届けた。そして「皆さんがいい気持ちで帰れるような歌を歌います!」という古川の言葉通り、最後はさわやかな雰囲気あふれる「あなたが眠る惑星」、激しいギターサウンドが炸裂する「真夏のシューメイカー」とバンドの二面性を端的に表すラインナップでフィニッシュ。感傷的なムードを打ち消し、再会を誓うようなフィナーレで活休前最後のライブは終わりを迎えた。

現在PIA LIVE STREAMでは本公演のアーカイブ映像が公開中。チケット購入者は12月1日23:59まで視聴できる。また各配信サイトでは、ワンマンのセットリストをもとにしたプレイリストも公開されている。

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THE PINBALLS「THE PINBALLS 15th Anniversary Oneman "Go Back to Zero"」2021年11月24日 Zepp DiverCity(TOKYO) セットリスト

01. 片目のウィリー
02. ママに捧ぐ
03. ヤードセールの元老
04. アダムの肋骨
05. ICE AGE
06. ニードルノット
07. CRACK
08. マーダーピールズ
09. SLOW TRAIN
10. DUSK
11. sugar sweet
12. 沈んだ塔
13. ダンスパーティーの夜
14. まぬけなドンキー
15. way of 春風
16. 蜂の巣のバラード
17. 樫の木島の夜の唄
18. 20世紀のメロディ
19. 重さのない虹
20. 蝙蝠と聖レオンハルト
21. 七転八倒のブルース
22. ブロードウェイ
23. 毒蛇のロックンロール
24. carnival come
25. 劇場支配人のテーマ
26. ひとりぼっちのジョージ
27. ミリオンダラーベイビー
28. ニューイングランドの王たち
<アンコール>
29. ワンダーソング
30. アンテナ
31. 十匹の熊
<ダブルアンコール>
32. あなたが眠る惑星
33. 真夏のシューメイカー

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THE PINBALLS @PINS_official

15th Anniversary Oneman "Go Back to Zero"

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