B'z、25年の時を経て実現した「FRIENDS」ライブに感激「夢みたいです」

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B'zが単独公演「B’z presents LIVE FRIENDS」を11月16、17日に東京・東京ガーデンシアターで開催。この記事では2日目公演の模様をレポートする。

B'z

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「FRIENDS」はフルアルバムではできない実験的なことを行うシリーズで、映画のサウンドトラックのように作品全体を通して1つのストーリー性を持たせた第1弾「FRIENDS」が1992年12月に、それまでのB'zとは異なるAOR色の強いオムニバス形式の第2弾「FRIENDS II」が1996年11月にリリースされている。先日25年ぶりの最新作「FRIENDS III」が12月8日に発売されることがアナウンスされると、SNSではファンの喜びの声があふれかえる事態に。その「FRIENDS III」の楽曲がいち早く聴けるとあり、開演前から場内は興奮に満ちた空気が広がっていた。

「B’z presents LIVE FRIENDS」東京・東京ガーデンシアター公演の様子。

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本公演にはB’zサポートメンバーとして小野塚晃(Key)、大賀好修(G)、Yukihide "YT" Takiyama(B)、河村"カースケ"智康(Dr)が名を連ね、FRIENDS Special Bandとして斉藤ノヴ(Per)、坪倉唯子(Cho)、小寺里枝(1st Violin)、寺島貴恵(1st Violin)、谷崎舞(1st Violin)、荒井桃子(1st Violin)、佐藤恵梨奈(2nd Violin)、天野恵(2nd Violin)、三谷陽子(Viola)、大辻ひろの(Viola)、越川和音(Cello)、三木千晴(Cello)、赤木りえ(Flute)、渡辺ファイアー(Sax)、上石統(Trumpet)、東條あづさ(Trombone)が参加。ストリングス、ホーンセクション、パーカッション、コーラスを交えた特別編成でのライブとなった。

稲葉浩志(Vo)

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ジャジーなBGMがフェードアウトし、紗幕の奥でサポートメンバーとFRIENDS Special Bandがオープニングナンバーを奏でてライブがスタートする。序盤に届けられたのは松本孝弘(G)のギターと小野塚のエレピの優しい音色が重なる「Love is...」、そしてそこからシームレスにつながる「恋じゃなくなる日」。松本と20名のバンドメンバーが織り成すサウンドの波の上を、フォーマルなジャケットのセットアップに身を包んだ稲葉浩志(Vo)の艶やかな歌声がなめらかに滑走し、集まった観客を一気に非日常の世界へと引き込んでいった。

松本孝弘(G)

松本孝弘(G)[拡大]

続いて松本のワウを効かせたギターサウンドが会場に鳴り響くと、ファンの間には待ってましたとばかりに笑顔の輪が広がる。これまで「LIVE-GYM」では一度も披露されたことのない「傷心」だ。原曲のレコーディングにも参加している小野塚、赤木、斉藤の演奏とともに松本のギターが躍動。「こんなに多くのお客さんを目の前にするのはひさしぶりでうれしいです」と直前のMCで語っていた稲葉は、同じく原曲に参加している坪倉と向かい合ってソウルフルなフェイクの応酬で感情を爆発させる。リズム隊が盤石のキメで演奏をフィニッシュすると、場内には一際大きな拍手がこだました。

坪倉唯子(Cho)とフェイクの掛け合いをする稲葉浩志(Vo)。

坪倉唯子(Cho)とフェイクの掛け合いをする稲葉浩志(Vo)。[拡大]

MCで稲葉は「ちょっと前までこんな光景を見られるなんて想像できなくて、皆さんがこうしてステージを観てくれているのが夢みたいです。とても美しい景色です」と語ったほか、「今日は『LIVE FRIENDS』ということで、今までやったことのない形のライブです。最初に『FRIENDS』を作ったのが1992年。『FRIENDS II』を1996年に作りまして、そこからぽっかり空いて皆さんの記憶からも遠のきかけ、25年が経ちました。これだけの時間が経って皆さんに聴いてもらえるなんて奇跡のようです」とファンとともに喜びを噛み締め、「発売前に『FRIENDS III』聴けるのは皆さんだけですから、心を真っ白にして胸に染み込ませてください」と呼びかけた。

その「FRIENDS III」からは「シーズンエンド」「ミダレチル」などがファンに初披露された。どちらも華やかなホーンやグルーヴィなコンガが印象的な楽曲で、「シーズンエンド」はそこに裏打ちのギターがアクセントとなり、季節の移ろいとともに終わった恋に軽やかに別れを告げる1曲。一方の「ミダレチル」はファンキーなギターサウンドと稲葉のハイトーンシャウトが加わり、よりアグレッシブに仕上がっている。「FRIENDS III」が「FRIENDS II」から地続きの作品であることを感じさせ、集まったファンも自然と体を揺らしていた。

「いつかのメリークリスマス」を披露するB'z。

「いつかのメリークリスマス」を披露するB'z。[拡大]

ライブ後半には、「FRIENDS」の代名詞ともいえる「いつかのメリークリスマス」が届けられる。切ないストリングスが冬の到来を感じさせ、ステージ上には星空を思わせる無数のライトが灯り、会場は一気にクリスマスムードに。松本が温かみのあるギターソロを優しく奏でて曲が終わると、この日一番の拍手が場内を包み込んだ。

なおこの日の公演は政府の「ワクチン・検査パッケージに関する技術実証」に選定されており、収容可能人数6700人に対してキャパ100%で実施された。9月にMr.Children、GLAYをそれぞれ招いたライブイベント「B'z presents UNITE #01」を大阪城ホールと横浜アリーナで開催したのも記憶に新しいB'zだが、この日もチャレンジングな姿勢を存分に発揮。アフターコロナを予感させる新たなコンサートを「FRIENDS」というテーマのもとで提示し、常に時代を切り拓いてきたロックバンドとしての矜恃を見せつける公演となった。このライブは12月24日(金)20:00~2022年1月3日(月)23:59に配信が行われる。チケットの販売は1月3日21:00まで。

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黒の契約者(黒さん) @sell_my_soul

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