ぜんぶ君のせいだ。盤石のセトリで7人の真骨頂を見せつける「みんなのことを置いて行ったりはしない」

ぜんぶ君のせいだ。が11月2日に東京・TSUTAYA O-EASTにて47都道府県ツアー「Sicutie & Stupid Tour 2021」の最終公演を開催した。

昨年11月から今年4月にかけて1度目の47都道府県ツアー「re:voke tour for 47」を、今年の5月から2度目の47都道府県ツアー「Sicutie & Stupid Tour 2021」を開催してきたぜん君。。彼女たちにとってこの1年の集大成となる最終公演の最初に披露されたのは、前回のツアーファイナルで本編のラストに披露された「唯君論.」。如月愛海、雫ふふ、个喆、もとちか襲、甘福氐喑、メイユイメイ、征之丞十五時が順番に自己紹介し、最後に“8人目”として患い（ぜんぶ君のせいだ。ファンの呼称）のことを高らかに歌うと、フロアの興奮は序盤から最高潮に。毎週末のようにライブを繰り返しているからか、最新シングル「Heavenlyheaven」の表題曲もすでに患いたちに定着しており、フロアのオーディエンスはメンバーの振りをなぞるように手を動かしてライブを楽しんでいた。「Cult Scream」では如月がポエトリーリーディングのパートをアドリブで変え、患いたちに檄を飛ばすようなパフォーマンスでフロアを焚き付けた。

ライブの定番曲に交じって突如として披露されたのが、この日初めて歌われた新曲「SCAR SIGN」。楽曲提供者であるa crowd of rebellion・丸山漠の名前がスクリーンに映し出されると多数の拳が上がり、演奏中はブロック分けされたフロアの中で体を動かすことをためらいながらも激しく頭を振る患いの姿もあった。新曲を披露し終えてもメンバーは休むことなく次の曲へ。メイユイメイを筆頭にメンバーのスクリームで楽曲を力強く彩った「WORLD END CRISIS」、ミラーボールが回る中で7人全員が声を合わせて心地よい歌声を会場に響かせた「ぜんぶ僕のせいだ。」といったグループの代表曲を中心にしたセットリストで、彼女たちは現体制での集大成を見せつけていく。

すでにツアーで披露されていた新曲「ものの恋あはれ」ではメンバー同士で2人組を作ってペアダンスを踊る仲睦まじいパフォーマンスでオーディエンスを和ませた。さらに「僕喰賜君ノ全ヲ」で7人が約束を結ぶように小指を掲げると、フロアの患いたちはステージに向けて小指を伸ばし、会場内は温かい一体感に包まれていく。如月が「O-EAST、来てくれてありがとう」と感謝の言葉を述べると「キミ君シンドロームX」の演奏がスタート。声を出すことができないオーディエンスは手を叩いて彼女たちのパフォーマンスを盛り上げ、計18曲が披露されたところでライブ本編が終了した。ステージ上を駆け回りながらMCなしで駆け抜けるようにライブを繰り広げてきたぜん君。の7人は、マイクを通さず肉声で「ありがとうございました」という感謝を伝えてステージをあとにした。

アンコールに応えて再度ステージに登場したメンバーは、11月24日に6thアルバム「FlashBack NightMare」をリリースすることを発表。さらにアルバム発売後の2022年1月から2月にかけて新たなツアー「seventh sense tour」を、同年4月にはグループ史上最大規模の会場となる東京・TOKYO DOME CITY HALLにてワンマンライブ「絵空事現」を開催することを患いたちに直接伝えた。会場内が盛大な拍手に包まれる中、ぜん君。は新作アルバムにも収録されていない未発表曲「浪漫事変」をパフォーマンス。スクリーンではこの曲の制作者がTom-H@ck（MYTH & ROID、OxT）と杉下トキヤであることが発表されており、これまでのぜん君。の楽曲にはないアニソンを彷彿とさせるようなポップな曲調でオーディエンスの度肝を抜いた。「When you 2 WANT」「無題合唱」とグループ初期から歌い継がれている2曲でツアーファイナルを締めた7人は、再び患いたちに「ありがとうございました」と感謝の言葉を伝える。最後の挨拶で感極まる如月にそっと寄り添った十五時が彼女に声をかけ、メンバー同士で支え合う様子を見せた。如月はファンに向けて「みんなのことを置いて行ったりはしない」と宣言し、「ぜん君。はこれからも走り続けるけど、みんなも一緒に進んでいきましょう」と患いたちと約束を交わした。