今年10月でメジャーデビュー5周年を迎えたiri。「iri 5th Anniversary Live "2016-2021"」は彼女が10月27日に発表した初のベストアルバム「2016-2020」を引っさげて開催されたアニバーサリーツアーで、10月7日の愛知・DIAMOND HALLを皮切りに、9日に大阪・大阪城音楽堂、17日に福岡・DRUM LOGOS、28日と29日に東京・USEN STUDIO COASTという4カ所5公演が行われた。この記事では29日のファイナル公演の模様をレポートする。
定刻を少し過ぎ、iriはバンドメンバーの村岡夏彦(Key)、堀正輝(Dr)、村田シゲ(B)、ジョージ(Manipulator)、Shin Sakiura(G)とともにステージに登場。おもむろにアコースティックギターを手にすると、ベストアルバムの1曲目にも収録された「ナイトグルーヴ」を歌唱してオーディエンスを歓迎した。2曲目「半疑じゃない」ではピンク色のレーザー光線が会場を照らし、ステージを闊歩するiriがファンとアイコンタクトを取りながらハンドマイクでパフォーマンス。続く「Watashi」ではフロアライクなサウンドに乗せて力強いラップ、「Corner」ではiriの歌声とバンドメンバーとの一体感が存分に感じられる熱いセッションが届けられた。
デビュー5周年を祝した拍手に包まれると、iriは「生き残ったよー!」と目の前の観客に笑顔を見せる。歌手を目指し始めた頃を振り返りながら、この5年という月日は短くも濃厚な時間だったことを明かした。デビュー以降たくさんの人たちに自分の音楽を知ってもらえたことの喜び、そしてここまで付いてきてくれたファンへの感謝を述べた彼女は「一時期はステージに立つことが死ぬほど怖かったけれど、iriの歌声を愛してくれる人の存在があって救われた。ありがとう」と語り、自身がさまざまな葛藤の中で作った曲として「Shade」を歌唱。繊細で叙情的なバンドサウンドに乗せて、iriは誰かの心の叫びを代弁するかのようにエモーショナルな歌声を響かせた。
ライブ中盤、iriはベスト盤に初収録されたセルフカバー曲「make me bright」や、「SUMMER END」「Wonderland」「Sparkle」といった人気曲を次々とパフォーマンス。熱気を帯びるフロアを前に再びギターを手にした彼女は、アルペジオの優しい音色とともにコロナ禍の中で制作した「はじまりの日」を歌い始める。iriの歌声とバンドメンバーの柔らかなアンサンブルが混ざり合い大きな感動がその場を包む中、続いて披露されたのは初期曲かつ彼女の代表曲である「会いたいわ」。感極まって声を震わせながらも同曲をまっすぐ届けようとする彼女に、観客からは長く温かい、大きな拍手が贈られた。
涙を拭い、「会いたいわ」の演奏中にいろいろな人のことを思い浮かべたと明かすiri。ファンへの強い思いを語ったのち、照れ隠しにおどけてみせる一幕も見られた。その後ライブが後半戦に差しかかると、井上陽水「東へ西へ」のカバーや「渦」「Only One」といったパワフルなナンバーを経て、バンドメンバーが退場。ステージ上の椅子に1人腰掛け、ギターを手にスポットライトを浴びるiriは、デビュー前に書いた最初期曲「無理相反」、幼い頃に亡くした実兄のことを歌った「brother」を、自らの原点を示すように力強く歌い上げた。そしてアンコールでバンドメンバーと再び合流した彼女は、ラストナンバー「rhythm」を勢いよく歌唱。心地よいサウンドに体を揺らしながら、これまでに何度も自身が励まされてきたという歌詞「私は私のrhythmで」を大事そうに繰り返し、大盛況の中ツアーファイナルの幕を降ろした。
なおiriは、11月7日19:00からYouTubeで配信されるプログラム「iri Talk & Acoustic Live on YouTube」に出演。自身初の生配信YouTube番組となるこの企画では、iriが全国ツアーを終えた感想やベストアルバムについて語るほか、ファンからの質問に答えたり、弾き語りによるミニライブを披露したりする。現在iriスタッフのTwitter公式アカウント(@iri_staff)ではiriへの質問を募集中。
※動画は現在非公開です。
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「iri 5th Anniversary Live "2016-2021"」2021年10月29日 USEN STUDIO COAST セットリスト
01. ナイトグルーヴ
02. 半疑じゃない
03. Watashi
04. Corner
05. Shade
06. make me bright
07. SUMMER END
08. Wonderland
09. 24-25
10. Sparkle
11. 言えない
12. はじまりの日
13. 会いたいわ
14. 東へ西へ
15. 渦
16. Only One
17. 無理相反
18. brother
<アンコール>
19. rhythm
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「私は私のrhythmで」iriが自身の原点と現在地示したアニバーサリーツアー、今週末にミニライブ生配信 https://t.co/vPA8457Bsc