2018年の「HALLOWEEN PARTY 2018」以来3年ぶりの開催となったハロウィン公演。コロナ禍ということを受けて、着席指定、歓声などの声出しは禁止という制約はあったが、集まったオーディエンスはドレスコードである仮装もしくはスマートカジュアルの装いで、HYDEがオーケストラや仲間たちと織り成すステージを堪能した。この記事ではハロウィン当日に行われた2日目の公演の模様をレポートする。
HYDEがマイキーこと佐野万次郎に、ゲストの
爆発音と雷鳴が激しく響き、それを合図にコンサートの幕が上がる。するとステージの上手側からゲストである
「みんなとても美しくドレスアップされて、素晴らしい眺めだ」と満足げに場内を見渡したHYDEは集まったファンを気遣うも次の瞬間には、「もともと人間は2種類しかいない。奪う者と奪われる者。そして今日、お前たちは、僕に未来を奪われる」と冷たく言い放つ。「さて、どうして僕が悪魔と契約したかって? それはこの待ちに待ったハロウィンの夜に、罪深いお前たち全員始末するため。全員死刑!」と宣告し、オーケストラによって迫力を増した「AFTER LIGHT」を鬼気迫るような表情で絶唱。一転してビッグバンド風のアプローチを施した「DEFEAT」ではハンドマイクでステージを動き回り、軽やかな空気を作り出す。さらに未発表曲の新曲「THE ABYSS」では悲哀をにじませた繊細な歌声で会場を包み込むなど、楽曲ごとに異なる世界をその歌声で描き出してオーディエンスを楽しませた。中でも演出も含めて会場を陶酔させたのは、美しくも切ない永遠の愛を歌った「VAMPIRE'S LOVE」。ピアノソロが始まり、ステージ後方に置かれていた棺桶がゆっくりと前進し正面を向くと、そこには敷き詰められたバラを背に目を閉じるドレス姿の手越が。HYDEは手越にゆっくりと近付くと、その唇にそっと自分の唇を寄せる。まるで映画のようにロマンチックなワンシーンを、観客は黄色い歓声の代わりに拍手や持ち込んだ鳴り物で盛り上げていた。
スリリングなアレンジが光った「WHO'S GONNA SAVE US」を歌い終えたあと、HYDEは「今日は
曲の爽快な余韻が残る中、ステージに現れたのは「黒執事」のキャラクターであるセバスチャン・ミカエリスに扮したDAIGO。彼は玉座を降りるHYDEの手を取りエスコートをしたのち、HYDEの「せっかく来ていただいたので1曲ご一緒していただけますか」という誘いに「イエス・マイ・ロード」と返し、L'Arc-en-Cielの「flower」を歌うことに。スローテンポにアレンジされたこの曲を、HYDEとDAIGOはときに熱く視線を交わしながら、ときに優しく声を重ねながらパフォーマンス。曲終わりでHYDEはDAIGOを抱き寄せ、ハグをしてそのパフォーマンスを称えた。当のDAIGOは執事姿のおかげで初日より曲の世界に入り込んで歌えたと素直な感想を漏らしつつ、HYDEをエスコートする自分の姿を写真に収めたいとおねだり。HYDEの足元に跪き、その手を取り恭しく口づけをするも、HYDEから「長い!」とツッコミを入れられてしまう。その言葉を受けてDAIGOは「このまま時が止まればいいと思ってました。本当に美しくて」と本音をこぼすと、それに賛同するように観客の拍手や鳴り物の音が響いた。HYDEの「LSH(Let's sing “HONEY”)」のひと言で、今度はスパニッシュギターをフィーチャーしたL'Arc-en-Ciel「HONEY」を歌い始めた2人。曲のクライマックスに差しかかった瞬間、パンキッシュなバンパイアに仮装した手越が颯爽と現れ、HYDEとDAIGOと伸びやかで美しいハーモニーを紡いだ。
旧知の3人がそろったところで「VAMPIRE'S LOVE」の演出時の話になり、手越は「昨日は(口先が)ちょんくらいだったのに、今日は普通のチューでした。最高です」と微笑む。HYDEが「(手越の唇は)柔らかかったよ。しかも温かかった」とその感触を告白しファンを興奮させると、手越は念願だったHYDEのハロウィンコンサート出演にうれしさを隠せない様子で「ずっと憧れでした! 夢は思ってると叶うんだなって」と熱弁した。ここでペレ草田とゲストの
続いてスクリーンに「映画 えんとつ町のプペル」の映像が流れ、物語に登場する船がステージに運び込まれる。そこに登場キャラクターのルビッチに扮したロザリーナとプペルの仮装をしたHYDEが乗り込み、映画のエンディング主題歌である「えんとつ町のプペル」をデュエットする。2人を乗せた船は、観客がスマホのライトを照らす中で浮上していき、ゆっくりサブステージに着陸。HYDEはプペルになりきりながら、ロザリーナとの会話を楽しみ、「とっても素敵な眺めでしたね」「これは素敵なハロウィンになりましたね」と充実感をにじませる。さらにDAIGOと手越が合流したタイミングで彼は「これがないとやめられない!」と叫び「HALLOWEEN PARTY」をタイトルコール。フルオーケストラによるダイナミックな「HALLOWEEN PARTY」をゲストたちと高らかに歌い上げ、「Happy HALLOWEEN! またお会いしましょう」という言葉とともに「HYDE 黑ミサ 2021 Halloween」に幕を下ろした。
なおHYDEはオーケストラコンサートの集大成となる「20th Orchestra Concert HYDE 黑ミサ 2021 Wakayama」を、地元和歌山の和歌山ビッグホエールにて11月23日と24日に開催する。両日の公演はハロウィンコンサートとは異なる内容になるのでファンはお楽しみに。
HYDE「20th Orchestra Concert HYDE 黑ミサ 2021 Halloween」2021年10月31日 幕張メッセ国際展示場9~11ホール セットリスト
ペレ草田(オープニングアクト)
ASH DA HERO(オープニングアクト)
01. Rockstar
02. THIS IS LOVE
03. HELLO NO FUTURE
04. Everything
HYDE
01. HALLOWEEN PARTY-サーカスVer.-(
02. Hide & Seek
03. AFTER LIGHT
04. DEFEAT
05. THE ABYSS
06. VAMPIRE'S LOVE
07. WHO'S GONNA SAVE US
08. DEVIL SIDE
09. BELIEVING IN MYSELF
10. MAD QUALIA
11. Red Swan
12. flower(with
13. HONEY(with DAIGO&手越祐也)
14. GLAMOROUS SKY(with DAIGO&手越祐也)
手越祐也
15. ウインク
16. DoLLs
17. LUV ME, LUV ME
18. えんとつ町のプペル(ロザリーナwith
19. HALLOWEEN PARTY-プペルVer.-(with DAIGO&手越祐也&
20th Orchestra Concert HYDE 黑ミサ 2021 Wakayama
2021年11月23日(火・祝) 和歌山県 和歌山ビッグホエール
2021年11月24日(水) 和歌山県 和歌山ビッグホエール
リンク
L'ArcInfo(unofficial) @LArc_Info
「黒執事」シエルHYDE再び!DAIGOや手越祐也ら豪華ゲストとの共演で沸かせたハロウィンの夜 - 音楽ナタリー - 最新ニュース https://t.co/45ciJbIylh