大きな拍手に迎えられながら、まずは大澤実音穂(Dr)と山﨑康介(G, Syn)、そしてサポートメンバーの雲丹亀卓人(B)とちゃんMARI(Key /
雨のパレードは昨年3月にライブツアーでEX THEATER ROPPONGIのステージに立つ予定だったが、新型コロナウイルスの影響でライブは中止に。1年半越しの舞台で福永はEX THEATER ROPPONGIを“意味のある会場”と語り、「今日ここで僕らがツアーファイナルを迎えることはまた新たな一歩をここから踏み出すという意味で、すごく、すごく大事な日です」と思いを噛み締めた。その後も雨のパレードは新旧問わずさまざまな楽曲をパフォーマンス。「Shoes」では希望をはらんだ柔らかな歌声と澄みわたるようなシンセサイザーのサウンドが響きわたり、「1969」ではループする軽やかなギターフレーズが心地のいい空気を生み出した。
福永がアコースティックギターを手に取って演奏し始めたのは「Dear Friend」。福永が奏でるシンプルで温かな音色に始まり、サビでは壮大なバンドサウンドが広がっていく。ダンスミュージックの要素が強い「Ahead Ahead」ではオーディエンスが一斉にジャンプして会場が1つになった。さらにバンドはリラックスした空気感で8月に配信リリースしたサマーソング「Override」を披露。会場が盛り上がったところでエレクトロハウス調の「Count me out」を続けると、観客は両手を上げて音に身を任せるように体を揺らした。
福永は「コロナを経て、『ライブって行かなくても意外と生活できるじゃん』って思った人もいるかもしれない。でも、ここでしか鳴らない音があって、音源とは違う音を聴いて、俺はみんなが何かを持って帰れると思ってるんだ。何かが心に届いてほしい。そういう夜にしたいなと、昨日寝る前にずっと思ってました」と思いを伝え、「morning」を穏やかに歌う。そして福永は観客に優しく語りかけるように「Take my hand」を届けた。
ゴスペル調のナンバー「Hallelujah!!」を経て、「BORDERLESS」でライブは終盤へ。まるで歌うように高らかに響きわたる各楽器のサウンドにオーディエンスのハンドクラップが重なった。福永は「このツアーの1公演目から『生きてる!』という感覚が全身を駆け巡って、僕の全細胞が喜んでたんですよ。だからライブってバンドに欠かせないし、それこそが音楽だと思うんですよね」と興奮気味に話し、「今日僕らのライブを観て、バンドの真髄、音楽の本質を何か持ち帰ってくれたらうれしいです」という言葉とともに10月に配信リリースしたばかりの新曲「ESSENCE」をパフォーマンス。雨のパレードがバンドの本質を見つめ直して作ったというこの曲で、観客はステージから放たれるサウンドを全身で浴びながら彼らの音楽を楽しんだ。最後には福永が「俺たちの人生で、雨のパレードの人生で一番特別な曲をやって終わりにしたいと思います」と前置きし、みずみずしいギターサウンドで「Tokyo」の演奏がスタート。ファンからも愛されてきたこの曲を大切に演奏し、3人は温かな拍手に見送られながらステージを去っていった。
雨のパレード「ame_no_parade TOUR 2021 "ESSENCE”」2021年10月29日 EX THEATER ROPPONGI セットリスト
01. new place
02. Summer Time Magic
03. if
04. Shoes
05. 1969
06. Dear Friend
07. Ahead Ahead
08. Override
09. Count me out
10. epoch
11. scapegoat
12. morning
13. Take my hand
14. Hallelujah!!
15. BORDERLESS
16. ESSENCE
17. Tokyo
リンク
音楽ナタリー @natalie_mu
【ライブレポート】雨のパレードが見せたバンドの真髄と、“ここでしか鳴らせない”特別な音(写真7枚)
https://t.co/ifyHZTh9ji
#雨のパレード #ESSENCE https://t.co/P26ixH69Eb