TK from 凛として時雨が10周年ツアー完遂、時雨の全国ツアーも決定

TK from 凛として時雨の東名阪ツアー「egomaniac feedback tour 2021」の最終公演が、昨日10月23日に東京・東京国際フォーラム ホールAで開催された。

今年4月でソロデビュー10周年を迎えたTKは、10月13日に初のベストアルバム「egomaniac feedback」をリリースし、本作のタイトルを冠したツアー「egomaniac feedback tour 2021」を東名阪3カ所で開催。吉田一郎不可触世界（B）、BOBO（Dr）、ちゃんMARI（Key / ゲスの極み乙女。、ichikoro）、須原杏（Violin, Syn）、内田麒麟（Cello）とともにパフォーマンスを届けた。

開演時刻を迎えると、ライブは「katharsis」で幕開け。場内の静寂を切り裂くようにTKのハイトーンボイスが響き渡り、バスドラの重い音や緊迫感のあるストリングスの音色が追随する。後半になるにつれてそのパフォーマンスは熱を帯び、TKは続けざまに「Abnormal trick」「flower」をプレイし観客を釘付けにする。その後彼は「いつの間にか10年が経ちました。今日はよろしくお願いします」と言葉少なに挨拶した。続く「haze」でTKは、自身が爪弾くアコギの音色に、繊細なウィスパーボイスを乗せ、儚い世界観に観客を誘う。ゆったりとした曲入りから徐々に壮大なアンサンブルが奏でられる「memento」では、TKの激しいギターソロが炸裂した。

ライブの中盤でTKは、「罪の宝石」をストリングスと鍵盤のサウンドに乗せて歌唱。椅子に腰かけ、ハンドマイク1本でゆったり聴かせ、観客はその歌声に酔いしれるように聴き入った。しっとりしたパフォーマンスで会場が穏やかな空気に包まれたのも束の間、「unravel」「Fantastic Magic」とハイテンポな2曲が畳みかけられると、ライブは終盤に向けてヒートアップ。けたたましい轟音が渦を巻く「Shandy」を経て、TKは本編ラストに最新曲「will-ill」をプレイ。目まぐるしく展開する曲に乗せて歌声を響かせ、ステージをあとにした。

しばし続くアンコールの拍手を受けて、TKとバンドメンバーが再び舞台に登場。「最終日なので、新曲をもう一度やります。ギターの音が鳴りやまない病気になってしまったので、次はバシッと止めます。よろしくお願いします」という言葉に続けて、先ほど演奏された「will-ill」が再度演奏される。「Super bloom」ではミラーボールが無数の光を乱反射させ、息を飲むような美しい光景に会場中が魅了された。「P.S. RED I」の演奏後、ダブルアンコールでTKは「10年間ずっとこんな感じですが、来年は時雨が結成から20年です。10年前に突然ソロプロジェクトが始まることになりましたが、こんな景色が見れるなんて思ってなかったです。僕は先が見えないものには飛び込まないタイプなんですけど、飛び込まないと見えないものもあるんだなと。そして、こうやって皆さんが来てくれていることがとてもうれしいです。ありがとうございます」と感謝の気持ちを述べる。そしてラストに、ソロ初作品のタイトルにも冠された楽曲「film A moment」を演奏。全身全霊のハイトーンボイスとシャウトを会場に響き渡らせたTKは、持っていたギターをステージの床に置き、おもむろに舞台を去って行った。

なおライブの終演後には、凛として時雨の全国ツアー「DEAD IS ALIVE TOUR 2022」が2022年5月から6月にかけて開催されることが発表された。ツアーは宮城・チームスマイル・仙台PIT公演を皮切りに、全国7カ所で行われる。