“しんちゃん仲間”のアーティスト集結した「ドリフェス」2日目、トリのPerfumeも稲穂コール

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9月23、25、26日に千葉・幕張メッセ国際展示場1~3ホールにてテレビ朝日が主催するライブイベント「テレビ朝日ドリームフェスティバル2021」が行われた。

Perfume(撮影:岸田哲平)

Perfume(撮影:岸田哲平)

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今回で10度目の開催となった「テレビ朝日ドリームフェスティバル」。昨年の公演が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止となったため2年ぶりに行われたライブには、3日間ともに豪華で個性豊かなアーティストが集結し、観客を前に熱いパフォーマンスを繰り広げた。この記事では、PerfumeレキシMAN WITH A MISSIONあいみょんマカロニえんぴつ緑黄色社会が出演した25日の公演の模様をレポートする。

緑黄色社会(撮影:岸田哲平)

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2日目のトップバッターを担った緑黄色社会は、peppe(Key, Cho)の奏でる美しい旋律とともに「これからのこと、それからのこと」でライブの幕を開けた。突き抜けるようにパワフルな歌声で1曲目から聴衆を魅了する長屋晴子(Vo, G)は、アグレッシブなサウンドの「Alice」、シリアスなバラード「LITMUS」と、多彩な楽曲を豊かに歌いこなしていく。MCでは小林壱誓(G, Cho)が、緑黄色社会とマカロニえんぴつが2012年結成の“同期”であることに触れ「新宿Marbleで対バンしたのが2015年。それから6年経って、幕張で一緒にできるなんて」と感慨深げに語る場面も。バンドはその後も長屋と小林の力強いハーモニーが響く「アーユーレディー」など、彩り豊かで心踊るような演奏を届け、長屋は「100%が伝わらなくていい。お互いに歩み寄る気持ちがあれば。今日は心を通わせていけたら」と訴える。彼女の思いが届いたかのように、最後に披露された「Mela!」では盛り上がる観客が息の合ったハンドウェーブでリズムに乗る光景が広がり、長屋は「音楽って楽しいね!」と笑顔を弾けさせていた。

はっとり(マカロニえんぴつ / Vo, G)(撮影:岸田哲平)

はっとり(マカロニえんぴつ / Vo, G)(撮影:岸田哲平)[拡大]

イエローの光に包まれながら「レモンパイ」で軽快にライブをスタートさせたのはマカロニえんぴつ。私立恵比寿中学へ提供した「愛のレンタル」のセルフカバー、そして「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」の主題歌「はしりがき」を続けて確かな演奏力とパワーを示した彼らは「全年齢対象ポップスロックバンド、マカロニえんぴつです!」と自己紹介した。フロントマンのはっとり(Vo, G)は「そうそうたるアーティストの皆さんに混じってこんなに大きなステージで歌えること、夢の先にある素敵な経験だなと思います」と喜びを語り「届けられるものを置いていくので、何かしらを受け取ってくれたら」と呼びかける。優しく紡がれるギターの音色と哀愁のにじむボーカルが響き渡った「two much pain」、長谷川大喜(Key, Cho)の奏でる彩り豊かなサウンドとドラマティックな映像演出が楽曲の世界観をより際立たせた「ブルーベリー・ナイツ」を届けたバンドは、続く「恋人ごっこ」で客席にクラップの盛り上がりを巻き起こす。ラストの「ヤングアダルト」まで、実直なロックサウンドに乗せて力強くメッセージを伝え続けたはっとりは「マカロニえんぴつという音楽でした!」と最後にもう一度名乗りを上げて、さっそうとステージをあとにした。

あいみょん(撮影:岸田哲平)

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3番手で登場したあいみょんが1曲目に披露したのは「裸の心」。スポットライトに照らされた彼女は、バックバンドが奏でるゆったりと温かな音に身を任せながら、思いを込めて曲を歌い上げた。2曲目に「マリーゴールド」を続けると、あいみょんはギターを爪弾きながら優しい表情で客席を見つめる。序盤の2曲から一転、ソウルフルなボーカルがオーディエンスの体を揺らした「愛を伝えたいだとか」、疾走感に満ちた演奏にパワフルかつキュートな歌声が乗る「貴方解剖純恋歌~死ね~」と曲ごとに表情を変えるパフォーマンスを披露したのち、MCパートでは「今日は『クレヨンしんちゃん』の曲を歌っているアーティストがレキシさん、マカえん、私と3組もいるのに、私その曲持ってくるの忘れてしまったんです。申し訳ない、しんちゃん……」とお茶目な一面で聴衆を和ませる場面も。続く「君はロックを聴かない」では「いつか大きい声でみんなと歌えたらと思いながら、大事に歌っている曲」と思い入れを語り、オーディエンスによる軽やかな手拍子が曲を盛り上げる中で伸びやかに歌声を響かせた。終始自然体かつ穏やかな振る舞いで観客を魅了した彼女が最後に届けたのは「青春と青春と青春」。ギターを背中に担いだあいみょんはステージの左右の端まで歩みを進め、客席の1人ひとりに感謝の思いを表しながら自身のパフォーマンスを締めくくった。

MAN WITH A MISSION(撮影:岸田哲平)

MAN WITH A MISSION(撮影:岸田哲平)[拡大]

MAN WITH A MISSION(撮影:岸田哲平)

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圧倒的な熱量を帯びた力強いライブパフォーマンスで会場を興奮の渦に巻き込んだのはMAN WITH A MISSION。「Raise your flag」でJean-Ken Johnny(G, Vo, Raps)は「心ノ声ヲ聴カセテ、一緒ニ歌ッテクダサイ皆様!」と呼びかけて手を挙げ、1曲目から力強くオーディエンスを鼓舞してみせる。ダンサブルなアッパーチューン「Get Off of My Way」で場内の熱を一層引き上げると、MCでJean-Ken Johnnyは「『ドリームフェスティバル』ニ出演スルノハ6年ブリ。我々モ楽シミニシテ参リマシタ!」と語った。言葉に滲んだ気合いを示すかのように、バンドはその後も「INTO THE DEEP」「Emotions」とキラーチューンを容赦なく連発。鮮やかに明滅するライティングやステージ後方のビジョンに投影されるVTR演出も聴衆の高揚感を高めてゆく。メロディアスで美しいサウンドが聴く者の心を揺さぶる「Remember Me」が届けられると、Jean-Ken Johnnyは「イロイロナ制約ガアッテモ、心ノリミッターヲ付ケル必要ハゴザイマセン」と訴え「3日間ノ音楽ノ祭典、心ユクマデ楽シンデ」と聴衆に呼びかけた。最新曲「Merry-Go-Round」ののち、最後にドロップされたのは彼らのライブアンセムである「FLY AGAIN -Hero's Anthem-」。Tokyo Tanaka(Vo)の渾身の咆哮、轟音のバンドアンサンブルに煽られた観客は両手を左右に振り上げるダンスで大きな一体感を作り上げ、バンドメンバーはこの光景に親指を立てて称賛を表していた。

レキシ(撮影:岸田哲平)

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イルカの吉尾くんとレキシ。(撮影:岸田哲平)

イルカの吉尾くんとレキシ。(撮影:岸田哲平)[拡大]

会場に響くほら貝の音がレキシの“出陣”を告げると、客席にはレキシのライブの“必須アイテム”「光る!INAHO」の光が一斉に灯った。レキシもこのINAHOを手にステージに姿を見せ「これが振りたくて来たんだろ? 曲違うけど、振っていこうー!」と叫んで「大奥~ラビリンス~」でライブをスタートさせる。洒脱なディスコサウンドと軽やかなファルセットボイスで冒頭からオーディエンスを踊らせ、一瞬にして自身の世界観へと聴衆を引き込んだレキシは、十二単を翻し歌声を響かせた「SHIKIBU」ののち「どうも、ケビン・コスナーです!」といつもの自己紹介。続いて披露されれたのは「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」の主題歌「ギガアイシテル」で、彼は「あいみょんの分まで歌います。しんちゃん、春日部、鳥獣戯画に思いを馳せていこうー!」と言って、楽曲の温かなメッセージを晴れやかなサウンドに乗せて歌い届けた。「何やかんや言うて、お客さんの前でやるのが一番楽しいですね」としみじみ語ったレキシは「これを目的に来たんでしょ?」と、ファンが待ち望んだ「狩りから稲作へ」ももちろん披露し、客席一面にINAHOが揺れる光景を作り上げる。最後にプレイされたロックナンバー「KMTR645」では、イルカの「吉尾くん」をステージに呼び込み、「キュッキュッキュッ!」と“Q”のポーズを決めながら右へ左へと大暴れ。40分間のめくるめく歴史スペクタクルで聴衆を大いに楽しませていた。

Perfume(撮影:岸田哲平)

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Perfume(撮影:岸田哲平)

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2日目公演のトリを務めたのはPerfume。あ~ちゃんはMCの中で、この日のヘッドライナーについてレキシやMAN WITH A MISSIONと“譲り合い”があったことを明かし「荷が重いわけよ!(笑)」と素直な気持ちを明かしていたが、そんな言葉とは相反するような圧倒的なパフォーマンスで約6時間にわたった全6組の熱演のリレーを締めくくった。3人が垣間見せる感情の機微に目を奪われる「再生」でライブがスタートすると、ステージから無数のレーザーが放たれて2曲目の「レーザービーム」へ。あ~ちゃんは曲中に「音出せるとこ、ほかにもあるよ!」と観客に呼びかけ、この声に反応した聴衆は大きなクラップ音を場内に響かせた。「せっかく来てくれた今日なので、今しかできないことをして、普段の苦労をちょっとでも忘れて楽しんでもらいたい」とこの日のライブにかける思いを語った彼女たちは、Perfumeのライブをより楽しむために考案された、ポーズを使ったコール&レスポンスを観客に伝授して客席との距離を縮めてゆく。サビで3人が描く美しい流線形のポーズが印象的な「ポリゴンウェイヴ」、スタンドマイクを置いての歌唱とレトロな映像演出で歌をじっくりと聴かせた「マカロニ」を経てコール&レスポンスのコーナーに突入すると、あ~ちゃんが「INAHOー!」とレキシのコールを踏襲する場面も。流れのままにBGMはレキシの「KMTR645」へと切り替わり、かしゆかものっちも“Q”ポーズのダンス、そして勢いのあるヘッドバンギングを披露して、笑顔を弾けさせていた。「FLASH」では3人が“形”を決めるたびステージにファイヤーボールが噴き上がり、場内の熱気も上昇。思い思いにリズムに乗り、熱い拍手を送るファンの思いを受け取ったあ~ちゃんは「たくさん踊ってくれてありがとうございます!」と語りかける。Perfumeが最後に届けたのは「MY COLOR」。一斉に手を挙げる振りで大きな一体感に包まれた客席を3人はうれしそうな表情で見つめ、何度も感謝を伝えていた。

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「テレビ朝日ドリームフェスティバル2021『関ジャムFES』」2021年9月25日 幕張メッセ国際展示場1~3ホール セットリスト

緑黄色社会

01. これからのこと、それからのこと
02. Alice
03. LITMUS
04. Shout Baby
05. アーユーレディー
06. sabotage
07. Mela!

マカロニえんぴつ

01. レモンパイ
02. 愛のレンタル
03. はしりがき
04. two much pain
05. ブルーベリー・ナイツ
06. 恋人ごっこ
07. ヤングアダルト

あいみょん

01. 裸の心
02. マリーゴールド
03. 愛を伝えたいだとか
04. 貴方解剖純恋歌~死ね~
05. 今夜このまま
06. 愛を知るまでは
07. 君はロックを聴かない
08. 青春と青春と青春

MAN WITH A MISSION

01. Raise your flag
02. Get Off of My Way
03. INTO THE DEEP
04. Emotions
05. Remember Me
06. Merry-Go-Round
07. FLY AGAIN -Hero's Anthem-

レキシ

01. 大奥~ラビリンス~
02. SHIKIBU
03. ギガアイシテル
04. 狩りから稲作へ
05. きらきら武士
06. KMTR645

Perfume

01. 再生
02. レーザービーム
03. ワンルーム・ディスコ
04. ポリゴンウェイヴ
05. マカロニ
06. Party Maker
07. FLASH
08. ポリリズム
09. MY COLOR

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(c)テレビ朝日ドリームフェスティバル2021

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貸本屋 @kashihonyasan

コレ観に行った時は幕張メッセでせっかくの歌唱が音割れしちゃってたのよね😅 https://t.co/kw4lN6VsCt

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