「ウルトラソウル!」も黙ってジャンプ、B'zやDragon Ashらが熱演した「ドリフェス」初日レポ

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9月23、25、26日に千葉・幕張メッセ国際展示場1~3ホールにてテレビ朝日が主催するライブイベント「テレビ朝日ドリームフェスティバル2021」が行われた。

B’z (c)VERMILLION

B’z (c)VERMILLION

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昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったため、2年ぶりの開催となった「テレビ朝日ドリームフェスティバル」。今回は全席指定で行われ、歓声の禁止や、不織布マスク着用の徹底、ライブエリアへの飲食物の持ち込み禁止や黙食の徹底などさまざまな感染対策が講じられた。23日にはB'zDragon AshTHE ORAL CIGARETTESSHISHAMOBREAKERZDISH//、25日にはPerfume、レキシ、MAN WITH A MISSION、あいみょん、マカロニえんぴつ、緑黄色社会が出演。そして26日は「関ジャムFES」と銘打ち、関ジャニ∞、東京スカパラダイスオーケストラ、s**t kingz、石崎ひゅーい、関ジャムスペシャルバンド、打首獄門同好会がライブを繰り広げた。この記事では初日となった23日の模様をレポートする。

北村匠海(DISH//) (c)テレビ朝日ドリームフェスティバル2021(撮影:岸田哲平)

北村匠海(DISH//) (c)テレビ朝日ドリームフェスティバル2021(撮影:岸田哲平)[拡大]

一番手としてステージに登場したDISH//は「僕たちがやりました」「rock'n'roller」でライブを開始。荒々しくラウドなロックサウンドで、3日間のフェスの始まりを高らかに告げた。さらに「この曲が僕らをこのステージに連れてきてくれました」と曲紹介をして、夕焼けのようなオレンジの光に包まれながら「猫」をたっぷりと感情を込めて熱唱。観客の前でライブをしている状況について、北村匠海(Vo, G)は「日々作ってる曲が世に出て、聴いてもらえるだけでうれしいのに、こうやって同じ空気を吸って同じ時間を共有すると、生きてるって実感できます」と胸中を明かし、「音楽ってちっぽけなものかもしれないけど、今一番必要なものだと思います」と語った。橘柊生(DJ, Key)がタオルを振り回して会場を盛り上げた「東京VIBRATION」などを経て、彼らは最後に「No.1」を披露。みんながそれぞれ自分の人生がナンバーワンだと思えるようにと、熱い演奏で観客の背中を押した。

BREAKERZ (c)テレビ朝日ドリームフェスティバル2021(撮影:岸田哲平)

BREAKERZ (c)テレビ朝日ドリームフェスティバル2021(撮影:岸田哲平)[拡大]

BREAKERZの出番になると、スクリーンに「好きなアーティストは:B'z(SHINPEI)」「好きな酒のつまみは:ししゃも(AKIHIDE)」「好きな動物は:猫(DAIGO)」というアンケートが表示され、その共演者たちにちなんだ回答に客席はライブ開始前から大盛りあがり。「テレビ朝日ドリームフェスティバル」に彼らが出演するのは初ということで、DAIGO(Vo)は「これからバラエティのオファーがかぶったときはテレ朝を優先します」と主催のテレ朝に感謝し、「DFT!(ドリームフェスティバル楽しもうぜ)」と声を上げた。「BAMBINO ~バンビーノ~」では女性バックダンサーも登場し、DAIGOの振り付けを真似て観客も一斉にダンス。DAIGOが観客に「BREAKERZのライブを観るのが初めての人は?」と問いかけた際にほとんどの観客が挙手したという状況だったにも関わらず、ショーアップされた彼らのステージにオーディエンスはどんどん魅了されていった。なお、オープニングでスクリーンに表示されたアンケートが真実であると証明するため、SHINPEI(G)は23年前から入っているというB'zファンクラブの会員証を披露。この日にB'zと同じステージに立つ喜びを噛み締めていた。同じように、AKIHIDE(G)はステージドリンクの隣に焼きししゃもが置いてあるのを見せ、DAIGOは飼っている愛猫の写真を披露することに。しかし衣装の内ポケットからは猫ではなく、祖父である竹下登元内閣総理大臣、妻である北川景子、そして山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)の写真が間違えて出てきてしまう、というネタで、DAIGOは観客を笑顔にさせていた。

SHISHAMO (c)テレビ朝日ドリームフェスティバル2021(撮影:岸田哲平)

SHISHAMO (c)テレビ朝日ドリームフェスティバル2021(撮影:岸田哲平)[拡大]

SHISHAMOはリラックスした雰囲気で1人ずつステージに上がるが、1曲目「明日はない」がスタートすると、3人ともスイッチが入ったように熱い演奏を展開。続けて「君と夏フェス」に突入し、パワフルなバンドサウンドを幕張メッセの広い空間に響かせた。3人での歌と演奏をしっかりと聴かせながらライブは進行し、後半にはアコースティックギターに持ち替えて「夏の恋人」も歌唱。宮崎朝子(G, Vo)はステージ上の熱気に思わず「暑い……」と声を漏らしつつ、楽しそうな表情を浮かべていた。最後に彼女たちは、観客の手拍子が沸き起こる中で「明日も」を披露。会場をポジティブな空気で満たしてライブを終えた。

THE ORAL CIGARETTES (c)テレビ朝日ドリームフェスティバル2021(撮影:岸田哲平)

THE ORAL CIGARETTES (c)テレビ朝日ドリームフェスティバル2021(撮影:岸田哲平)[拡大]

過去の「テレ朝ドリームフェスティバル」出演回数がPerfumeに次いで2番目に多いTHE ORAL CIGARETTESは、この日は「Dream In Drive」でライブを開始した。スケールの大きいアグレッシブなロックサウンドと、ド派手な照明や映像の演出で、彼らは広い会場を一気に掌握。山中拓也(Vo, G)は来場者たちを「音楽というものを生活必需品と捉えている同士」と呼び、客席に向けて「声出せなくてちょっとつらいな? 俺らより我慢してるのはみんなだと思う。だけど、体動かすことはできるやろ?」と促す。そしてその言葉に応えるように、続く「容姿端麗な嘘」「カンタンナコト」で観客は声を出さないまま思い思いの動きで音楽を楽しんだ。「LOVE」ではオーディエンスが一斉に手を叩く中で、山中は「今を生きていく」というポジティブなメッセージを歌に乗せて届けた。6月に配信リリースしたハードなナンバー「Red Criminal」を経て、最後の曲に選ばれたのは「狂乱 Hey Kids!!」。バンドはダンサブルなビートで観客を踊らせ、コロナ禍の特殊な状況ながらステージ上も客席もヒートアップさせることに成功した。

Kj(Dragon Ash)(c)テレビ朝日ドリームフェスティバル2021(撮影:岸田哲平)

Kj(Dragon Ash)(c)テレビ朝日ドリームフェスティバル2021(撮影:岸田哲平)[拡大]

Dragon Ashのメンバーがステージに姿を表すと、その自然な流れのまま彼らは「陽はまたのぼりくりかえす」の演奏を開始。コロナ禍で一変した音楽シーンを取り巻く状況についてKj(Vo, G)は「この事態が進展するまでロックバンドはライブハウスで待ってるから」「そもそもロックバンドなんて悪党みたいなやつしかいないんだけど、ライブハウスが悪者にされて人がいなくなっても、そこからまた始めたいと思う」「このライブを観てちょっとでもいいなと思ったら、ライブハウスに足を運んでください」と観客に呼びかけ、その真摯な言葉に盛大な拍手が湧いた。この日彼らは「New Era」「ダイアログ」といった最新シングルの曲から「静かな日々の階段を」「百合の咲く場所で」といった懐かしの曲までセットリストにチョイス。Kjが観客に対して「俺たちがどうとかじゃなく、音楽は必要だと思いますか?」と問いかけると、会場中で熱い拍手が沸き起こり、それを見た彼は「この拍手が見れて、それだけでここに来た甲斐があったよ」と感慨深そうにしていた。

松本孝弘(B’z) (c)VERMILLION

松本孝弘(B’z) (c)VERMILLION[拡大]

そしていよいよ初日のヘッドライナーであるB'zのライブがスタートし、1曲目「愛のバクダン」から客席の盛り上がりは最高潮に。折しもライブ当日に57歳の誕生日を迎えた稲葉浩志(Vo)だが、その年齢を感じさせない若々しくエネルギッシュなシャウトを会場に響かせていた。その後「juice」「IT'S SHOW TIME!!」とヒットソングを畳みかけたのち、稲葉は会場を見渡して思わず「すごい光景ですね……」とつぶやき、「音楽を皆さんの前で演奏できる喜びをひしひしと噛み締めながら、最後まで歌いたいと思います」と言って「今夜月の見える丘に」を熱唱。「孤独のRunaway」「ZERO」といった曲が次々に繰り出され、観客が声を出せないにもかかわらず会場はどんどん興奮で満たされていった。

稲葉浩志(B’z) (c)VERMILLION

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稲葉は観客に向けて「ひさしぶりにこういう光景を見て感動しております。ルールを守って楽しんでいる皆さん、カッコいいです」「当たり前だと思っていたことが、こんなにありがたいことだと改めてわかりました。皆さんのおかげです」と感謝。ラストナンバー「裸足の女神」のシンガロングパートでは、観客は無言のまま精一杯に腕を振り、会場全体に不思議な一体感が生まれていた。ライブ本編はここで終わったが、アンコールを求める拍手は鳴り止まず、メンバーは再びステージに登場。「こんなに突き刺さる拍手はなかった」と喜びつつ、稲葉はこの日のライブを「今までにない音楽の楽しみ方でしたけど、これはこれでアリだと思います。今日できる最高の形だったのでは」と振り返った。そして彼らはアンコールとして「ultra soul」を披露。普段であればサビ終わりの部分で「ハイ!」と一斉に叫び声を上げるのがお約束になっているこの曲だが、この日は代わりに全員無言のままジャンプ。曲が終わると稲葉は客席を見つめて「今日はまっすぐ帰って! 寄り道しないで! そして『ドリームフェスティバル』の余韻を味わってください! 僕らもそうします!」と感染対策の徹底を呼びかけた。

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「テレビ朝日ドリームフェスティバル2021」1日目 2021年9月23日 幕張メッセ国際展示場1~3ホール

DISH//

01. 僕たちがやりました
02. rock'n'roller
03. 猫
04. SAUNA SONG
05. 東京VIBRATION
06. Seagull
07. No.1

BREAKERZ

01. Miss Mystery
02. NO SEX NO LIFE
03. Ever lasting Luv
04. BAMBINO~バンビーノ~
05. SUMMER PARTY
06. 光

SHISHAMO

01. 明日はない
02. 君と夏フェス
03. かわいい
04. 中毒
05. 夏の恋人
06. ねぇ、
07. 明日も

THE ORAL CIGARETTES

01. Dream In Drive
02. BLACK MEMORY
03. 容姿端麗な嘘
04. カンタンナコト
05. 不透明な雪化粧
06. LOVE
07. Red Criminal
08. 狂乱 Hey Kids!!

Dragon Ash

01. 陽はまたのぼりくりかえす
02. New Era
03. Mix it Up
04. ダイアログ
05. 静かな日々の階段を
06. 百合の咲く場所で
07. A Hundred Emotions

B'z

01. 愛のバクダン
02. juice
03. IT'S SHOWTIME!!
04. 今夜月の見える丘に
05. 孤独のRunaway
06. Still Alive
07. ZERO
08. ギリギリchop
09. 裸足の女神
<アンコール>
10. ultra soul

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