adieu(
2019年9月に音楽活動を本格的にスタートさせることを発表したadieu。彼女がライブを開催するのは、2019年12月にデビューミニアルバム「adieu 1」のリリースを記念して行われた100名限定の完全招待制ショーケースイベント「adieu secret show case [unveiling]」以来で、チケット制の単独公演は今回が初となる。このライブでは「adieu 1」や6月に発表された2ndミニアルバム「adieu 2」の収録曲が、全曲のプロデュースを手がけるYaffleらバンドメンバーの演奏とともに届けられた。
開演時刻になると、オープニング映像に合わせて「私から世界へ」という言葉で始まるポエムが流れ始め、観客が一気にadieuの世界観へと引き込まれる。そして拍手に包まれながら1人でステージに登場したadieuは、君島大空が作詞作曲した「春の羅針」を歌唱し、澄み切った柔らかい歌声でライブの幕を開けた。続く「花は揺れる」からはバンドメンバーもステージに合流し、小袋成彬の提供曲である「天気」では幻想的な音像で場内が満たされる。序盤の3曲を披露し終えると、adieuは「今大変な毎日が続いて、ここに足を運ぶのもいろんなためらいがあったり、不安があったりした方も多いと思うし、皆さんがそれぞれの気持ちを抱えてここに来てくださったことを本当にうれしく思っております。私はその気持ちにしっかり歌で応えて、ここにいるみんなと心をつなげていけたらと思います」と挨拶。「日々のいろんなことを忘れて心をほどいて、いい時間にしていきましょう。きっといい夜になるだろうなと確信しています」と観客に呼びかけた。
続いてadieuは大ファンであるカネコアヤノにラブコールを送ったことで楽曲提供が実現した「天使」、いしわたり淳治とともに自身も作詞に参加した「蒼」をさわやかなに歌唱。また大人の恋愛を歌った「強がり」の曲中には歌詞の主人公の感情に呼応するように情熱的なギターの音色が響きわたり、純粋な気持ちを描いたラブソング「愛って」ではadieuの優しい歌が聴く者の心にゆっくりと沁み込んでいく。「ライブで一番やるのが楽しみだった曲です。リハーサルのときから血がたぎるような楽しさがありました」という曲振りのあとに披露された「シンクロナイズ」では、その歌声がバンドの生み出す力強いサウンドに溶け込んだ。
ライブが終盤に差しかかるとadieu は、音楽活動を本格的に始める前の2017年に17歳という年齢以外のプロフィールを伏せて発表した楽曲「ナラタージュ」を披露する。この曲は野田洋次郎(RADWIMPS)が作詞作曲を手がけ、映画「ナラタージュ」の主題歌として使用されたナンバー。adieuは「この曲を初めて聴いたときは本当に心が震えて、気付いたらほっぺたがびしょびしょになっていました。それくらい衝撃を受けた曲です」と当時のことを振り返りつつ、自身の原点である楽曲を丁寧に歌い上げた。さらにアコースティックギターの繊細な音色に合わせて「ダリア」を歌唱した彼女は、「adieuはフランス語で『またね』という意味です。皆さん、またすぐ会いましょう」と観客に語りかけ、笑顔でステージをあとにした。
アンコールではadieuがオフィシャルグッズの「愛の花ダリアTee」を着て再登場し、2017年に「キリン 午後の紅茶」のCMでも歌唱したスピッツ「楓」のカバーで観客を魅了する。そして「今日ここに立って、皆さんに歌を届けられる幸せを噛み締めていました。私はもともと音楽が本当に大好きで、へこんだ心に空気を入れてくれる存在が音楽でした。adieuの曲を聴いてくださっている方に同じように音楽という空気を届けられたらいいなと思いますし、これからも届けていけたらと思っております」と言葉を紡いだadieuは、「最後の曲はadieuの中でとても大切な曲で、生きていると思うようにいかないこともたくさんあると思うんですけど、そういうじりじりとした残り火のような気持ちを歌った曲です」とラストの曲を紹介。塩入冬湖(FINLANDS)の提供曲「よるのあと」を情緒たっぷりに響かせ、初のワンマンライブの幕を閉じた。
adieu「adieu First Live 2021 -à plus-」2021年8月25日 Zepp DiverCity(TOKYO) セットリスト
01. 春の羅針
02. 花は揺れる
03. 天気
04. 天使
05. 蒼
06. 強がり
07. 愛って
08. シンクロナイズ
09. ナラタージュ
10. ダリア
<アンコール>
11. 楓
12. よるのあと
NOB_Satonaka @LUCHObyNOSA
大勢の前で歌ってるのにね。 https://t.co/Cco00E114F #ちむどんどん #上白石萌歌