みんないてくれてうれしかった挫・人間、クアトロではしゃぎ無言で退場

挫・人間のワンマンライブ「やるっきゃNIGHT～ママのお金で天城越え～」が昨日8月4日に東京・渋谷CLUB QUATTROで行われた。

ライブ当日にニューアルバム「散漫」をリリースしたものの、4月のスローセックス石島（Dr / ex. ベッド・イン with パートタイムラバーズ）脱退以降も正式なドラマーが決まっていない挫・人間。この日は過去にもサポートドラマーを務めていた菅大智（ゴールデンシルバーズ、電化アベジュリー）を迎えてパフォーマンスを繰り広げた。

「テクノ番長」のイントロを彷彿とさせるSEが流れ始めると、挫・人間の面々は颯爽とステージに登場。持ち場に付き準備を整えた矢先、SEのテンポがどんどんと落ちていきストップしてしまった。すると3人は「Are You Sports Man?」「Yes, I'm Sports Man!」と「I LOVE YOU」冒頭の掛け合いを行い、そのまま同楽曲の演奏へとなだれ込んだ。続いて「人間やめますか？」では下川リヲ（Vo, G）が用意をしていると、楽器のスタンバイを担当するローディが下川のギターを手にしてイントロ部分を弾き始める事態に。下川は「おい俺のギターーー!! なんでローディが弾くんだよ」と叫び、呆然と立ちすくんでいた。

「人間やめますか？」の演奏を終え、ハードなメタルチューン「人生地獄絵図」を挟んだあと、下川は「今日はでっかい音バンバン出す曲、いっぱい持ってきた！ 最後まで楽しんでやるぞ！」と宣言する。しかし次に選ばれた曲は、ノスタルジックなムードの「オタルの光」。挫・人間は先の見えない展開で、隅っコ（ファンの呼称）たちを翻弄した。

その後マジル声児（B, Cho / 中華一番、百獣）の激しいスラップが炸裂した「大人の事情」、夏目創太（G, Cho）が童貞とマッチングアプリについて朗々と歌う「童貞トキメキ☆パラダイス」など、彼らはジャンルレスなラインナップでライブを進行。一方「ピカデリーナ受精」の間奏では、下川が「あー！ 何もうまくいかない!!」「もう無理だ……音楽できない……」とその場でひざまついてしまった。すると彼の友人である梶原笙（So Sorry,Hobo）がステージに現れ、下川の肩にタオルをかけて介抱する。それを見た隅っコたちが温かく拍手し、下川はなんとかカムバックして演奏を続けることができた。

「☆君☆と☆メ☆タ☆モ☆る☆」演奏前には、恒例となったアイドル風のMCコーナーへと突入。声児はこのタイプのMCに参加するのは初めてだったが、トークイベント「挫・人間トーク」でも時おり口にする、ギャルのようなしゃべり方を駆使して場になじんでいた。さらに「☆君☆と☆メ☆タ☆モ☆る☆」のダンスもキレよく披露し、この楽曲を終えたあとには全員で「できたーーー!!」と絶叫。一緒に手をつなぎ、喜びを分かち合っていた。

そしてアンニュイな雰囲気の「マンガよみたい」、下川のアジテーションにより、その場で回転する人がフロアにあふれかえった「ダンス・スタンス・レボリューション」で本編は終了。アンコールの「デスサウナ」に入ると、挫・人間と隅っコたちはタオルを駆使したダンスを行い一体感を高めた。「アイオワの風」終盤、挫・人間はアカペラで「お盆正月大好き みんないてくれてうれしい」という歌詞を連呼し、ステージ中をハイテンションに徘徊。ところがステージ中央に全員が並んでアカペラを終えると、みるみる無表情になっていき、そのまま無言で舞台を去った。

現在Streaming+では「やるっきゃNIGHT～ママのお金で天城越え～」のアーカイブ映像を配信中。チケット購入者は8月11日23:59まで視聴できる。