2010年4月に学校生活と課外活動をテーマに開校(結成)され、今年の8月末でその歴史に幕を下ろす“成長期限定!!ユニット”さくら学院。彼女たちは2020年2月に行ったライブ「The Road to Graduation 2019 ~Happy Valentine~」以降、感染症対策のため無観客配信ライブを通じて父兄(さくら学院ファンの呼称)にパフォーマンスを届けてきた。今回のライブは約1年半ぶりに父兄と対面してライブを披露する機会とあって、8人の気合いは十分。佐藤愛桜と野崎結愛による影アナからもこの日のために蓄えたパワーが感じられた。
6月には公開授業「歌の考古学」がメンバー入れ替えの2部制で開催されたが、8人そろって父兄の前に立つのは1年半ぶり。1曲目にはライブ定番曲の「FLY AWAY」が選ばれた。続く「Fairy tale」では、レーザーの演出が会場を彩る中8人が軽快なバンドサウンドに乗って元気いっぱいにパフォーマンス。父兄は手拍子で彼女たちのステージを盛り上げた。卒業ソング「Capsule Scope」では前向きな別れを歌うと、ライブはトークパートへ。1年半ぶりのライブハウスでの父兄との再会に喜びを隠せない様子の戸高美湖は「今日は父兄さんと同じ空間でライブができて本当に本当にうれしいです!」と笑顔を見せ、白鳥沙南は「この状況に感動しています」と話したあとこまめな換気など感染対策を行いながらライブを行っていることをアピールした。
最初のMCパートでは「夏といえば?」をテーマにトークを展開。戸高は「夏休みの宿題を計画を立ててコツコツやろうとしても最後に溜めてしまう」という悩みを告白し、白鳥は最初にまとめて終わらせると話す。メンバーたちから尊敬の眼差しを向けられた白鳥だが、休み明けのテストで結果が出せないという失敗談を明かして「コツコツやることが大切ですね」と誰もが一度は経験した夏休みの宿題についての話題を締めくくった。夏休みはアイスのためにラジオ体操に通っているという佐藤はほかのメンバーにもラジオ体操実施の有無を問いかける。すると野中ここな、白鳥、田中美空の九州在住のメンバーのみが毎朝ラジオ体操に通った経験があることが判明し、白鳥は「え、ラジオ体操って九州だけってこと……?」と会場の笑いを誘った。さらに白鳥を除いた九州組は蚊に刺されやすいという共通点もあるようで、佐藤は一度に足を30カ所刺されることもあると発言し父兄を驚かせた。
夏休みトークを終えたさくら学院は「チャイム」でライブを再開。ロックな「オトメゴコロ。」、ペアになった振付がかわいらしい「FRIENDS」で会場を魅了した。白鳥、田中、木村咲愛による“チャレンジMC”のパートでは、今年チャレンジしたいことをそれぞれ発表。木村はアクション映画などでよく見るバク転、絶叫マシンもへっちゃらで怖いもの知らずの白鳥はバンジージャンプを挙げた。田中が「私は絶叫系、高いところ、虫、お化け屋敷、運動……全部苦手です!」と言い切ると、白鳥は「ねえ、咲愛! 美空を絶叫系に乗らせようね!」と木村を巻き込みながら、なぜか田中を絶叫系アトラクションに乗せようと意気込む。田中が「え、記憶なくなるよ!?」と目を丸くしていると、白鳥は「そしたら咲愛がおんぶするから」と乗車後のアフターケア付きであることを明かした。怖いものが苦手な田中は祖母の家の近くでできるという登山にチャレンジしたいと話す。そして「さくらのメンバーみんなで行こうよ!」と白鳥と木村に提案すると「思い出作りたいよね!」と2人もそれに賛同した。
続いて披露されたのは一夜限りのユニットステージ。美術部 Art Performance Unit trico dollsは、オリジナルメンバーの野崎、そして野中、佐藤の3名でフレンチポップナンバー「C'est la vie」をパフォーマンスした。新谷ゆづみが担当していたパートを野中が、森が担当していたパートを佐藤が引き継ぎ、かわいらしいダンスで会場を魅了したあとは、実況アナウンサー・清野茂樹による実況アナウンスが会場に流れる。赤と白のジャージに身を包んで現れたプロレス同好会のメンバーは中等部2年の八木美樹と戸高のコンビ。2人が「Spin in the Wind」でパワフルなパフォーマンスを見せていると、「おい、お前らリングに上がってるけどプロレス語れんのかよ?」という聞き覚えのある声が会場に響く。スモークの中から姿を現したのは2014年度卒業生の田口華と2015年度卒業生の磯野莉音というプロレス同好会のオリジナルメンバーだ。「誰かと思ったらあなたたちですか」と挑戦的な表情を見せる八木と戸高に田口は「一番すげえのはプロレスなんだよ! いいか? 今日はお前たちにプロレスの極意を叩き込んでやる!」と堂々と宣言し、磯野も「あなたたちのプロレス見せてもらいましょうか」と2人を挑発した。卒業生と在校生の共演に会場が沸く中で曲が終わると場内には清野の「勝利を手にしたのはやはり田口華、そして磯野莉音」というアナウンスが。八木の「スーパーレディの道。自分にとってこれ以上ない喜び。好きなことをやるっていうのは楽しいことばっかりじゃない」に、戸高が「うれしさ、悲しさ、悔しさ、もどかしさ……すべてを含めて俺はこのさくら学院で生きていると思う」と続け、2人は中邑真輔選手の名言をリスペクトを込めてオマージュしたセリフを言う。すると田口は「わかったようだな。迷わず行けよ、行けばわかるさ」とアントニオ猪木の名言を放ち、磯野は「がんばれよ」と後輩たちにエールを送った。そんなやり取りを経て田口から八木へと「SKGP」の文字がピンク色に輝くチャンピオンベルトが託されると、会場には盛大な拍手が巻き起こった。
プロレス同好会メンバー以外の6人がステージに登場すると、まず野中と佐藤がオリジナルメンバーの野崎にレクチャーを受けながら美術部のパフォーマンスに臨んだことを明かす。野崎は「卒業生に教えてもらったことを2人に教えられてよかった」と語り、野中は「伝統を受け継げた気がしてうれしかった」と初めて部活動ユニットに参加した思いを述べた。メンバー全員がステージにそろって始まった終盤戦は人気曲「マシュマロ色の君と」でスタート。例年卒業生が身を寄せ合いながら「君は 宝物だよ」と歌うラストシーンではメンバー全員がステージ前方に歩み出て父兄に手を振った。卒業生と在校生の絆を感じさせる「さよなら、涙。」を届けたあと、8人は今年度の新曲「The Days ~新たなる旅立ち~」を披露。エネルギッシュなパフォーマンスで本編を締めくくった。
アンコールではミラーボールの光が会場中を照らす中で「アイデンティティ」が届けられた。ラストは「See you...」で締めくくられ、さくら学院メンバーは万感の表情でステージを去った。なお例年、卒業公演の1つ前のライブでは卒業生たちの進路発表が行われるが、今回は8人の卒業後については明かされなかった。
さくら学院のラストライブ「さくら学院 The Final ~夢に向かって~」は8月29日に東京・中野サンプラザホールにて開催される。2010年から続いたさくら学院の歴史に幕を閉じるラストライブを父兄はお見逃しなく。
さくら学院「さくら学院 Summer LIVE 2020 ~放課後アンソロジー 君と見た夏色桜花~」2021年7月31日 KT Zepp Yokohama セットリスト
01. FLY AWAY
02. Fairy tale
03. Capsule Scope
04. チャイム
05. オトメゴコロ。
06. FRIENDS
07. C'est la vie / 一夜限りの美術部 Art Performance Unit trico dolls(野中ここな、佐藤愛桜、野崎結愛)
08. Spin in the Wind / プロレス同好会 ~ 一夜限りのSKGP復活戦 ~(八木美樹、戸高美湖、田口華、磯野莉音)
09. マシュマロ色の君と
10. さよなら、涙。
11. The Days ~新たなる旅立ち~
<アンコール>
12. アイデンティティ
13. See you...
さくら学院 The Final ~夢に向かって~
2021年8月29日(日)東京都 中野サンプラザホール
リンク
singspieler(ジング)(“フィフ”農民No.388) @singspieler1
3年前の今日の自分のツイート振り返り。3年前のオレ、むっちゃ盛り上がってんなぁ。音楽ナタリーさんのレポート記事リンク添えます。
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