このツアーは、ホムカミが5月にメジャーデビューアルバム「Moving Days」をリリースしたことを記念して企画されたもの。チケットがソールドアウトとなった最終公演は、収容人数の調整など感染症対策を講じたうえで行われた。大勢の観客が見守る中ステージに現れたホムカミの4人は、1曲目に映画「愛がなんだ」の主題歌「Cakes」をセレクトして静かにライブの幕を開けた。畳野彩加(Vo, G)は「Homecomingsです。よろしくお願いします!」と勢いよく挨拶すると、エバーグリーンなポップチューン「Songbirds」を歌唱。彼女の澄んだボーカルと、福田穂那美(B)、石田成美(Dr)の美しいコーラスが重なって場内はさわやかな空気に包まれた。
福富優樹(G)は会場に集まったファンに感謝の気持ちを伝えたのち、“引っ越し”がテーマのアルバム「Moving Days」について「生活の何かが新しく始まるときのBGMになればいいなと思うし、自分の中で変化するってことをちゃんと肯定してあげたいと思って作ったアルバムなんです」と説明。「そのアルバムの中で一番“変化”について歌っている曲を演奏したいと思います」と続けて、ソウルの要素などバンドの新機軸を感じさせるナンバー「Herge」を届けた。ライブ中盤にはキーボードの前に立った畳野が暖色のスポットライトに照らされながら「Tiny Kitchen」の演奏をスタート。打ち込みを軸にしたミニマムなサウンドに、情感たっぷりのボーカルを乗せて観客を魅了した。
ライブが終盤に差しかかると、福富が「次に演奏するのは2018年の秋に作った曲です。その年の夏にすごく好きなマンガ家さんが亡くなったのがきっかけで……」と訥々と語り始める。「その人の新作はもう見れないけど、これまでの作品はいまだにいろんな場所で目にする。その人はいなくなっちゃったけど、作品自体はずっと残っていくのって素敵なことやなあと。自分たちの音楽もそんなふうにずっと続いていったらいいなと思います」「もう1つ、隣の人に優しくできたらいいなという思いもあって。『Moving Days』にもその気持ちを込めていて、ムカつくことに対して“優しさ”ってものをめちゃくちゃ大事にしてみるのが1つの対抗手段なのかなと思うんですよ。それで1mmでもいいから社会がよくなってほしいし、差別とかそういうものに関心を持つきっかけになればと思います」と観客に呼びかけ、スローナンバー「Continue」を大切に奏でた。ホムカミはその後、2016年発表の2ndアルバム「SALE OF BROKEN DREAMS」から「MORE SONGS OF PAIN」「PERFECT SOUNDS FOREVER」といった人気ナンバーを次々に披露。最後は「Here」をさわやかにプレイして4人はステージをあとにした。
アンコールを受けて再び登場したホムカミは、まず福富を中心にゆるいトークを展開。2013年に東京で初めてライブをした際のエピソードをコミカルに披露して会場の笑いを誘った。アンコールではホムカミが敬愛するサイトウ“JxJx”ジュン(
Homecomings「Tour Moving Days」2021年7月23日 東京都 渋谷CLUB QUATTRO セットリスト
01. Cakes
02. Songbirds
03. Pedal
04. Herge
05. Good Word For The Weekend
06. Summer Reading
07. Tiny Kitchen
08. Smoke
09. Blanket Town Blues
10. Continue
11. MORE SONGS OF PAIN
12. Blue Hour
13. PERFECT SOUNDS FOREVER
14. Here
<アンコール>
15. Moving Day Pt. 2
16. I Want You Back
<ダブルアンコール>
17. HURTS
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音楽ナタリー @natalie_mu
【ライブレポート】Homecomingsが“優しさ”について歌ったツアー最終公演、敬愛するサイトウ“JxJx”ジュンとのコラボも(写真27枚)
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