茂木欣一“絶対的なフィッシュマンズ公認映画”完成に「胸のつかえが下りた感じ」初日挨拶にゲストも

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フィッシュマンズのドキュメンタリー映画「映画:フィッシュマンズ」の初日舞台挨拶が本日7月9日に東京・新宿バルト9で行われ、バンドのリーダー・茂木欣一(Dr)と監督の手嶋悠貴が登壇した。

左から手嶋悠貴監督、茂木欣一、小嶋謙介、HAKASE-SUN。

左から手嶋悠貴監督、茂木欣一、小嶋謙介、HAKASE-SUN。

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大きな拍手に迎えられた茂木欣一(中央)。

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「映画:フィッシュマンズ」は、4月にメジャーデビュー30周年を迎えたフィッシュマンズの軌跡を過去の貴重な映像、メンバーや関係者へのインタビューを通じて解き明かす作品。「Go Go Round This World!」をBGMに茂木と手嶋監督が登場すると、会場いっぱいの観客は拍手で2人を迎えた。うれしそうに客席を見上げた茂木は「感無量ですね」と漏らし「こんなにたくさんの方が初日に来てくれたこと、本当に感謝しています」と挨拶した。

茂木欣一

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司会者との質疑応答では、映画製作の企画が動き出した2018年夏からの道のりを語った茂木と手嶋監督。茂木は「ファンの方たちが観たい映画ってなんだろう?と考えて、バンドの歴史を徹底的に追うようなものがいいんじゃないか」と思い至ったといい「自分がメンバーとしてできることは、これまで関わってきたメンバー全員に『一度でいいからカメラの前で協力してくれないか』と。監督が質問をしやすいような環境を作れたらと思いました。絶対的なフィッシュマンズ公認の、オフィシャル映画になればいいという思いでしたね」と振り返った。その思いを受け取った手嶋監督は「インタビューに関しては、全部聞く。結成前から今に至るまで、しつこく聞いていく」というスタンスでメンバーや関係者と向き合ってきたという。この言葉に茂木は「すごかったですよ。監督のもとには何百時間というインタビューテープがあるんじゃないかな。徹底的にバンドのことを勉強してくれて、おそらく、今誰よりも僕らの歴史に詳しいと思う」と太鼓判を押した。

舞台挨拶の様子。

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なお、舞台挨拶にはスペシャルゲストとしてフィッシュマンズのオリジナルメンバーである小嶋謙介(G)と、1990年から1995年までバンドに在籍していたHAKASE-SUN(Key)が参加した。2人の登場に茂木は「こんな日が来るとは思いませんでした」と笑顔。映画公開について、小嶋は「こんなに売れてないバンドを映画にして大丈夫かな?というのが率直な感想でした。でもこうやって初日を迎えられたというのは感謝しかないですね」と語り、HAKASE-SUNも「(クラウドファンディングで)予想を上回るご協力をいただいたと聞いて、感謝しかありません」と、感謝と驚きの思いを伝えた。

茂木欣一

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完成した作品については小嶋が「観終わったあと、自分が年を取ったような感覚になるというか。活動年数は長くないけど、こんなにストーリーがあったのかとビックリしましたね」と語り、HAKASE-SUNは「我々のライブシーンやたくさんのインタビューで成り立っている作品なんですが、言葉のないシーンも挿入されるんです。そのシーンにこそ雄弁に物語るものがあるんじゃないかなと思いましたし、そこが手嶋くんの手腕なんじゃないかと感じています」と続く。また、茂木は「心の中にしまっていた感情はメンバーもスタッフもすごくあると思うけど、いざしゃべってみると、このタイミングでしか言えなかったようなことも話せて……胸のつかえが下りたような感じというかね。僕、完成まではメンバーが何を話したか知らなくて、完成したものを観たときに『こんなに語ってくれたんだ』と、驚いたと同時に感動したんです。映画のためにみんなが心をさらけ出してくれたというのは勇気の要ることだと思うし、この映画にとっての大事なポイントだと思います。だから今の自分の気持ちとしては、スッキリしてる」と率直な思いを明かしていた。

左から手嶋悠貴監督、茂木欣一、小嶋謙介、HAKASE-SUN。

左から手嶋悠貴監督、茂木欣一、小嶋謙介、HAKASE-SUN。[拡大]

登壇者には「皆さんにとって、フィッシュマンズとはどんなバンドですか?」という質問も。これに小嶋は「この映画を観終わったあとに『いいバンドだな』と思いました」と語り、HAKASE-SUNは「足を向けて寝られないというか。フィッシュマンズがなかったら今の僕はなかったと断言できるので、いつも感謝しています」と続く。手嶋監督は「まさかこの歳になって、こんなにたくさんのことを教えてもらえるとは、という感じです。音楽以外の部分にもプレゼントというか、影響を与えてもらえたなと思います」と答え、茂木は「今もフィッシュマンズの音楽を当たり前のように聴いて盛り上がるし、ライブに向かうときには感じたことのない緊張感と高揚感に包まれる。音楽の力というものを感じさせてくれるんですよね。その魔力に僕は今も揺さぶられ続けている。(フィッシュマンズは)僕をその気にさせるものです」と笑顔を見せた。

左から手嶋悠貴監督、茂木欣一、小嶋謙介、HAKASE-SUN。

左から手嶋悠貴監督、茂木欣一、小嶋謙介、HAKASE-SUN。[拡大]

最後に手嶋監督は「172分という時間の中で、皆さんの人生に何かを与えてくれる作品になっていると思います。新たなフィッシュマンズの音楽の鳴り方を体験できると思います」と観客に向けて語り、茂木は「僕は監督にめちゃくちゃ感謝。(製作は)とんでもない労力だったと思います。3時間あっという間に過ぎると思うけど、長いと思ったらトイレに行くのも全然大丈夫! リラックスして楽しんでください。ホントにたくさんの方が足を運んでくださったことがうれしくて、胸がいっぱいになっています。感謝の気持ちでいっぱいです」と挨拶して舞台挨拶を結んだ。

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(c)2021 THE FISHMANS MOVIE

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