2012年1月にくりかとまきによる“くりかまき“名義での活動がスタートし、2014年5月にあゆみの加入と同時に現在のグループ名に改名したあゆみくりかまき。昨年開催予定だった全国ワンマンツアーが中止となった頃からグループやメンバー個人の未来について話し合いを重ね、くりかまき時代から数えると約8年半、あゆくまになってからは7年という長い歴史の幕を閉じることを決めた。ラストライブのチケットはソールドアウトし、会場には大勢のまたぎ(あゆみくりかまきファンの呼称)が集結。その模様はCSテレ朝チャンネル1 / スカパー!オンデマンドを通じて生中継され、来場が叶わなかったまたぎにも届けられた。
開演直前のSEとしておなじみのTHE HIGH-LOWS「日曜日よりの使者」が流れると、またぎから手拍子が起こる。幕が左右に開き、ラストライブのために制作されたスペシャルなSEが流れると、大旗を背負ったくりかが現れ、リズムに合わせて拳を掲げる。またぎも拳を突き上げると、過去のライブで収録されたまたぎの「オイオイ!」という歓声が会場に流れ出した。くりかがDJブースにスタンバイし、まきとあゆみもステージに合流。「あゆくま、やったんでー!」とピースサインを掲げた3人はグループの活動テーマをタイトルに冠した楽曲「HAPPY ROCK」でライブをスタートさせた。
モンキーダンスで盛り上がる「ジェットクマスター」では「ありが父さーん!」という独特の感謝を伝えるフレーズを差し込んだまき。続く「HAVE A NICE DAY,世界」でも「7年間本当に楽しかった! 今日までありがとう! 忘れない!」とまたぎへの思いを口にした。ラストライブだという実感がないという3人はいつもと変わらないテンションでゆるいMCを繰り広げる。あゆみはフロアを見渡して「アンコールぐらいで実感が湧いてくる気がします。それまでは何も考えずに楽しみたいと思います」と話した。あゆくまはキュートな一面を見せる「ゴマスリッパー」や「蜜蜜蜜」といったポップチューンに続いて、三者三様の歌声でまたぎを魅了する「夢の続き」を披露。あゆみの少しハスキーな歌声、くりかのまっすぐに響く歌声、まきのパワフルなハイトーンボイスが会場を満たした。
くりかまき時代にあゆみを“ともだち”としてフィーチャリングに迎えてリリースした、あゆくまにとって始まりの歌である「春色ディスカバリー」をアイコンタクトを交わしながら届けたあと、あゆくまは「クマトナデシコ」を皮切りにアッパーチューンを詰め込んだメドレーをパフォーマンス。「恋のダイヤル6700」「心友フォーエヴァー」「森森森」「自分革命」と立て続けに披露されるライブアンセムにまたぎは拳を突き上げて応えた。あゆくまは、唐突に「刺激が欲しいなあ」と話し始めたくりかとまきに、あゆみが“刺激がもらえるペン”を差し出し、3人でさまざまな刺激を味わうという不思議な内容の寸劇で会場を笑わせ、“ビリビリする刺激”を食らったことをきっかけに「ビリーでGO!」を披露。メジャーデビュー曲「鮭鮭鮭」ではタオルを回してまたぎと一緒に盛り上がり、後半では鮭のぬいぐるみや「本場 新巻鮭」と書かれたのぼりを手に「今日こそは大漁じゃー!」と声を上げた。
その後、あゆくまは「WAR CRY」や「KILLLA TUNE」といったあゆくまらしいラウドチューンで会場中にヘドバンの渦を巻き起こす。なりふり構わず頭を振り、シャウトし続けていたあゆくまだったが、ライブ終盤に入る前にしんみりと3人それぞれが解散について触れた。あゆみは「最初はすごく無理して笑ったりとか、元気じゃないわけじゃないんですけど無理してやっていた感じがあったりして。でもそんなときに『そのまんまでいいよ』と言ってくれたのがまたぎやって。私は親にもこの活動を反対されていて、またぎとメンバーが自分の居場所を作ってくれたと思っています。何もない私をうたうたいにしてくれて本当にありがとうございました」と思いを述べる。くりかも泣きそうになるのをこらえながら「もちろんものすごく悔しかったこともあるし叶わなかった夢もあります。でも今こうやって前に進む決断ができたのはみんなに出会えたからです。今までのあゆくまに関わってくれたスタッフさん全員、ここにいるまたぎも生中継で観てくれるまたぎも……すごく大切な人に出会えました。それが一番の幸せです。笑えるのはみんながいてくれたからです。いつも笑顔をありがとうございました」とコメント。幼い頃から歌手になりたかったというまきは、イドエンターテインメントやソニー・ミュージックエンタテインメントスタッフへの感謝の言葉を口にしたあと、「何よりあゆとくうちゃんと出会ってなかったらこの場所に立っていないと思います。普段は恥ずかしくて言えないんですけど、この場を借りて言います。本当にありがとう。2人と出会えたことは私の幸せです。そしてあゆみくりかまきとしてがむしゃらに走ってこれたことが幸せだし、あゆみくりかまきは青春でした。私たちの夢の旅についてきてくださったまたぎの皆さんも本当にありがとうございます」とメンバーとまたぎにも感謝の思いを伝えた。
イドエンターテインメントの先輩であるファンキー加藤が作詞した「ぼくらのうた」の歌詞を1つひとつ噛み締めるように歌ったあゆくまは、解散を控えた今の心境にぴったりな「旅立ちの歌」も熱唱。そしてくりかまきのインディーズデビュー曲「アナログマガール」の2018年バージョン「アナログマガール'18」をかわいらしく歌ってみせた。ソカの軽快なビートが響く「Grateful」で感傷的な雰囲気を吹き飛ばし、あゆくまが笑顔でタオルを回しているとステージ袖にタオルを手にしたスタッフ陣も続々と集結。会場一体となって黄色いタオルをぐるぐると回して盛り上がった。まきが「最後はみんなの明るい未来を願ってこの曲を歌いたいと思います」と宣言し、3人は「未来トレイル」を披露。曲中でまきが「本当にありがとう! あなたと出会えて本当に楽しかった! ラストはみんなで騒げ!」と叫ぶと、またぎは躍動感のあるリズムに乗ってジャンプし、フロアを大きく揺らした。
鳴り止まない拍手に呼び戻されたあゆくまは、「素敵な世界」でアンコールをスタート。まきがあゆみに「どう? (解散する)実感、湧いてきた?」と聞くと、あゆみは「アンコールを迎えて、自分は話せないから歌で伝えようという思いが強くて、たぶん話せてたら歌おうとも思わなかったんじゃないかなって……」と声を詰まらせる。「歌で伝えきれない部分もあるんですけど、ステージに立って歌うこともまたぎのみんなもメンバーもスタッフさんも、本当に大好きでした」と言い切ると、涙をこぼした。くりかは「アイドルになってまたぎのみんなにすごく大切なことを教えてもらいました。それが笑顔は伝染していくんやなっていうこと。『くうちゃんの笑顔が支えになるんだよ』とか『くうちゃんが笑ってたら笑顔になるよ』って言ってもらえたからくりかも笑顔でいていいんやって思えて。そこからすごく肩の力が抜けて楽しむことが一番大事やなって気付かせてもらいました。これに気付けたのは人生の中で本当に大きなことやなと思っています。本当に大切なことに気付かせてくれてありがとうございました」とチャームポイントの八重歯を見せながら笑った。まきは2015年に交通事故に遭い念願だったイベントへの出演を辞退したことや2017年にポリープの手術を行ったことなど、決して順風満帆ではなかったあゆくまの活動を振り返る。「もうステージに立てないかもしれないと思うくらい追い込まれていたときもあったんですけど、そういう暗闇の中で見えたのはまたぎ、あなたの笑顔でした。だから私はステージに立ち続けることができたし、このステージでみんなに思いを届けることができました。あゆみくりかまきで7年、くりかまきの2年で9年間……あなたと出会えたことが私のすべてでした。こんなにたくさんのアーティストやアイドルがいる中で私たちあゆみくりかまきを見つけて好きになってくれてありがとうございました。私たちあゆみくりかまきとまたぎの絆は本当にすごいと思うの。活動は終わってしまうけれど、この絆は私たちの中では一生消えないし、またぎの中でも消えないでほしいと思います」と真摯に語り、「今日はいろんな思いがあるんですけど、あなたのことだけを思って歌わせてください」と前置きしてから「絆ミックス」を披露。「終わらないよ! あなたとの絆は!」とまきは叫び、3人は「終わらない絆のうた」と力強く歌った。
アンコールの最後はラストシングル「サチアレ!!!」。黄色いペンライトの光が会場中に広がる中で、あゆくまはまたぎにこれまでの感謝の気持ちを込めて歌でエールを送り、「7年間ホンマにありがとー!」とオフマイクで叫んだ。この曲でライブは終わる予定だったが、ダブルアンコールを受けてあゆくまは三度ステージへ。あゆみは「私はあゆくまを人生経験の1つだと考えてないです。私の人生が今日で終わるぐらいの感覚でいて、でもやっぱり明日はやってきて、1回死んでまた生き返ります。だから私はきっと強い人間になれると思います。みんながいてくれたから、あゆくまになれたから、私は強くなれたと思います」、くりかは「これからのことはまったく考えられていません。でもまたぎから教えてもらった“とにかく楽しむ”をモットーにこれからも自分らしくいっぱい笑っていたいと思います。だから大好きなまたぎも全員これからもいっぱい笑って、めちゃくちゃ楽しい人生を過ごしてください」と思いを語る。
最後にマイクを取ったまきは「大好きなあゆみくりかまきを終わらせるという決断を自分でしたんですけど、この先のことを考えられずに不安でいっぱいでした。でも今日このステージに立って自分の中で少し答えが出たと思います。この道とは違うけど周りにいる人を笑顔にさせられるようなそんな存在になりたいです。みんなに育ててもらった盛り上げ役やから、どこにいっても“ありが父さん”ってみんなを笑顔にしていきたい。今日は家族や何より愛してるまたぎがいる前で新しい未来へと動き始める日。これから先あゆみくりかまきの音楽を聴いてまた思い出してくれたらすごくうれしいです。私たちもあゆくまの音楽を聴くとあなたのことをすぐに思い出します。私たちとまたぎであゆみくりかまきです。何もないあゆみくりかまきでしたが、一緒に夢を追い続けてくれて本当に幸せでした」と思いを述べ、ラストソング「ナキムシヒーロー」へとつなぐ。感謝の思いを口にしながら「ナキムシヒーロー」を歌い終えたまきは「武道館という夢は叶えられなかったけどこんなにも素敵な仲間に出会えたことがあゆみくりかまきの幸せでした。私たちは一生あなたたちのことを忘れないし、みんなからもらったたくさんの愛でそれぞれの人生を歩んでいきたいと思います。本当にあゆみくりかまきの7年間、そしてくりかまきの2年間、応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました」と改めてコメント。あゆみの「最後は1つになりたいです。3、2、1、あゆくまー!」という号令でまたぎたちは両手を掲げ、3人は万感の表情を見せる。3人が手をつないでおじぎをし、顔を上げると、客席にはサプライズで色とりどりの造花と「シアワセだったよありがとう!!!」というメッセージが掲げられていた。3人は客席の景色を目に焼き付けるように見つめながら1人ずつ捌けていく。まきはステージ袖で転んで尻餅をつき、「最後の最後で……」と笑いながら退場するという、なんともあゆくまらしい最後となった。
この日のライブの模様にラストライブ当日の舞台裏やメンバーインタビューを加えた特別番組「<愛蔵版>ボクらの熊魂THE LAST LIVE ~これが あゆみくりかまき だ~」が、7月31日(土)15:00~18:00にCSテレ朝チャンネルで放送されることが決定した。
あゆみくりかまき「ボクらの熊魂 THE LAST LIVE ~これが あゆみくりかまき だ~」2021年6月19日 EX THEATER ROPPONGIセットリスト
01. HAPPY ROCK
02. ジェットクマスター
03. HAVE A NICE DAY,世界
04. Amagami Days
05. ゴマスリッパー
06. 蜜蜜蜜
07. 夢の続き
08. 春色ディスカバリー
09. クマトナデシコ~恋のダイヤル6700~心友フォーエヴァー~森森森~自分革命
10. ビリーでGO!
11. 鮭鮭鮭
12. 反抗声明
13. WAR CRY
14. KILLLA TUNE
15. ぼくらのうた
16. 旅立ちの唄
17. アナログマガール'18
18. Grateful
19. 未来トレイル
<アンコール>
20. 素敵な世界
21. 絆ミックス
22. MILLION
23. サチアレ!!!
<ダブルアンコール>
24. ナキムシヒーロー
CSテレ朝チャンネル「<愛蔵版>ボクらの熊魂THE LAST LIVE ~これが あゆみくりかまき だ~」
2021年7月31日(土)15:00~18:00
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「あゆみくりかまきは青春でした」“あなた”への感謝の思いと笑顔にあふれたライブで7年の活動に幕 https://t.co/X2GtWy4OL1