新型コロナウイルスの感染拡大状況を受けて、2020年3月に開催予定だった2019年度卒業公演を延期し、無観客配信に切り替えて以降、有観客イベントを行ってこなかったさくら学院。フォトグラファーの神戸健太郎氏を講師に迎えて実施された「写真の授業」は、2020年2月に行われた東京・マイナビBLITZ赤坂公演「The Road to Graduation 2019 ~Happy Valentine~」以来1年4カ月ぶりの有観客公演となった。
1時限目には八木美樹、佐藤愛桜、野崎結愛の3名が出席。さくら学院担任の森ハヤシに招かれステージに現れた彼女たちはひさびさの父兄(さくら学院ファンの呼称)との対面に感極まった様子を見せた。神戸氏が合流したところで、この日の授業がスタート。神戸氏がラフに撮った物撮り写真について「どこがよくないと思う?」と聞かれた野崎はスマホの影が写り込んでいることを真っ先に指摘。神戸氏は野崎の鋭い審美眼に驚きながら、影が写らない位置まで引いて倍率ズームを使用して撮影し、トリミングするというテクニックを生徒たちに伝授した。その後生徒たちは実際にiPhoneを用いてそれぞれが持ってきたアイテムを撮影。佐藤がペットボトルで支えたポーチの前に野崎から拝借したハンドクリームを置いて撮影した写真を神戸に見せると「飲み込みが早い!」と神戸は驚いていた。
その後、3人は背景紙の前に立った人物の撮影に挑戦。アシスタントをモデルにラフに撮影した写真を神戸がメンバーに見せ、改善点を問うと八木は「眉毛がちょっと薄くなってる!」と謎の指摘で会場を笑わせた。続いて回答権が回ってきた佐藤は真面目に「先生の影が写り込んでいる」と答えるも、八木に続くボケを森から求められ「頭が光って白髪のように写っている」と回答。ひと笑い起こしたあと、改めて「先生の影が写っています」とコメントした。佐藤の指摘を受けて影が写り込まないように神戸氏がアシスタントを撮影すると、アシスタントはきれいな映りに思わずニッコリ。改善された写真を見た八木は「楽しそうになりました!」、佐藤は「髪の毛が黒くなりました!」とボケを重ね、野崎は「先生の影が映らなくなりました」と回答した。そんなやり取りを終えた3人は実際に生徒同士での撮影に挑戦。逆光での撮影やカラフルな照明の中での撮影を楽しく終え、最後に生徒たちは光源に近付くと影が出にくくなるという神戸氏からのアドバイスを受けて自撮りをした。この日の授業は1時限目と2時限目のMVPが3時限目の授業にも出席するため、最後に神戸氏は1時限目のMVPを選出。鋭い視点と巧みなスマホの操作テクニックを持つ野崎が今回のMVPに選ばれた。
2時限目に出席したのは野中ここな、田中美空、木村咲愛の3名。木村が冒頭で「無加工の自撮りが盛れない」という悩みを神戸氏に打ち明けると、2時限目のテーマが「無加工でもカッコよく撮る方法」に決定した。神戸氏は基本のiPhoneカメラテクニックに続いて、全身撮影をする際に無加工でもスタイルよく撮れる方法を3人に伝授。膝をついて下から煽って撮影するのに加え、倍率ズームを2xにして頭上のスペースを空けた構図で撮影し、上部をトリミングするとレンズの歪みを利用して自然にスタイルがよく見える写真が撮れることを生徒たちに教えた。実際に普通に撮ったバージョンとスタイルがよく見える撮り方でお互いを撮影した3人は驚きを隠せない様子だった。
続いて3人は手前に何か物を写り込ませてエフェクト効果が入ったような写真を撮影することに。ビニールやティッシュなどを写り込ませた写真に野中が「こういうフィルターありますよね」と話すと、神戸は「でも?」と木村に視線を送る。すると木村は「無加工ー!」とうれしそうにポーズを取った。木村はビニールを使ってメンバーを撮影し、田中はシルバーの筒状のコスメをレンズに付けて客席を撮影する中、野中はペットボトルを使った撮影に苦戦。最後は神戸氏が野中を撮るという謎展開もありつつ、2時限目は終了の時刻になり、「無加工ー!」というキラーワードを生み出し強烈なインパクトを残した木村がMVPに選ばれた。
3時限目には白鳥沙南、戸高美湖、1時限目MVPの野崎、2時限目MVPの木村が登場。前の授業と同じようにiPhoneカメラの基礎操作のレクチャーを受けたあと、4人は2人1組になって“青春っぽいエモい写真”を撮影することとなった。木村は、野崎が東京ドームでソロコンサートを開催するという設定で客席を向いた野崎の後ろ姿を撮影しながら、「いいよー、すーごいいいよー、かわいいよー」と掛け声を入れる。“ソロコンサート中”の野崎が今年度の新曲「The Days ~新たなる旅立ち~」を歌いながら踊るという父兄にはうれしいひと幕もあった。野崎は夕方の山のてっぺんで海の見える景色を眺めているという設定で木村を撮影。「やっほー!」と客席に向かって叫ぶ木村をさまざまな角度から切り取った。
白鳥はクラブに遊びに来たという設定で戸高をカラフルな照明の中で撮影。“クラブ”がどういう場所なのか理解しきっていない様子の戸高だったが、白鳥がシャッターを切りながら口ずさむむビートに乗ってオリジナルのダンスを披露した。スタイルがよく撮れるコツを木村に習った戸高はその方法で白鳥を撮影。続いては待ち合わせに友達が来ないというストーリーを話しながら、それを受けて表情がくるくると変わる白鳥をかわいらしく撮影した。最後に4人は白鳥がやってみたかったというスマホのバックライトを付けた観客たちをバックにした撮影に挑戦。神戸氏の合図で父兄はスマホを左右に振り、メンバーはしっかりとそこに留まることで無数の光跡が残った不思議な写真を撮ることができた。この写真はさくら学院の公式Twitterにて公開されている。神戸氏は3時限分の授業を終え、「教えると吸収が早い。こんなに素晴らしい生徒に教えたことがなかったので感激しています」と手応えを感じた様子だった。
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さくら学院が1年4カ月ぶりに父兄と対面、無加工ー!でも盛れる写真の撮り方習う https://t.co/DrnoUjAewu