「ACIDMAN ニューアルバム配信ライブ」と題されたこのライブは、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりレコーディングやツアーのスケジュール調整が難しい状況下で「いち早くファンに新曲を届けたい」というメンバーの思いのもと実現した企画。ACIDMANは今秋に発売を予定しているオリジナルアルバムの収録曲の一部を、東京・BLACKBOX3にて最先端の映像演出を交えながらお披露目した。
鼓動の音がリズムを刻むSEが流れる中、大型LEDパネルが設置されたステージに大木伸夫(Vo, G)、佐藤雅俊(B)、浦山一悟(Dr)が姿を現す。メンバーがドラム、ベース、ギターの順で音を重ねていき「Visitor」で勢いよくライブの幕を開けると、真っ白だった背景が青やピンクに彩られた。浦山のカウントで始まったのは「歪んだ光」。ヘヴィなバウンドサウンドや熱のこもったシャウトが、視聴者の心を揺さぶった。エネルギッシュなパフォーマンスを終えると、大木は呼吸を整えながら画面越しのファンに向けて挨拶。「本当だったら今頃アルバムを出して、ツアーを回っていた時期なんですね。だけどいろんなものがストップして。1日でも早く作ったものを聴いてもらいたいとずっと思ってまして、何が一番ベストなんだろうと思っていたところで配信(ライブ)をやろうと」と改めてライブ開催の経緯を説明し、「アルバムは絶賛制作中で、その8割をお届けします。これが僕らなりのサプライズです」とファンに伝えた。
大木のMCが終わり、メンバーはYouTubeのコメント動画で予告していた既発の2曲を披露。初のアニメタイアップとなった「あひるの空」のオープニングテーマ「Rebirth」ではミュージックビデオの映像をバックに開放感あふれるサウンドを放ち、昨年6月発売のシングル曲「灰色の街」では祈りを込めるようにエモーショナルなプレイを見せた。続くインストナンバー「Link」ではその場でギターの音色をサンプリングした大木がキーボードの前に着席。リズミカルに膝を叩いたあと、鍵盤をそっと弾き始め、佐藤、浦山と豊かなアンサンブルを紡いだ。再びマイクの前に戻った大木がギターを肩に掛けると、メンバーはシームレスに「ALE」の演奏へと移行。“人工流れ星”を開発するALEという企業へのエールを込めたこの曲を、無数の星がきらめく中でパフォーマンスした。
残すところ2曲となったところで、大木がアコースティックギターに持ち替える。そして佐藤、浦山に「(ライブは)どうですか?」と尋ねると、2人は笑顔を浮かべながら拍手を返した。その反応に満足げな表情を見せた大木は「あとちょっとですが楽しんでください」と視聴者に語りかけ、ノスタルジックなムードの「素晴らしき世界」を披露。佐藤と浦山のフィンガースナップと大木がかき鳴らすアコースティックギターの音色が楽曲の世界観を引き立てた。演奏が終わると大木は「次が最後の曲です。ごめんなさい」と謝罪し、人差し指を掲げながら「サプライズがあと1個だけ……1個だけあるんです!」と高らかに宣言。とある演出でニューアルバムのタイトルが「INNOCENCE」であることを発表した。そして名残惜しそうな表情のメンバーは「純真無垢でいたい」という思いを反映したアルバムの表題曲「innocence」で約1時間のライブを締めくくった。
※BLACKBOX3の「3」は3乗が正式表記。
「ACIDMAN ニューアルバム配信ライブ」2021年5月21日 セットリスト
01. Visitor
02. 歪んだ光
03. Rebirth
04. 灰色の街
05. Link
06. ALE
07. 素晴らしき世界
08. innocence
※5月31日(月)23:59までアーカイブ映像を公開中。Streaming+のみ5月27日(木)23:59まで。
リンク
えむやん天気予報 @MortalerYan
【ライブレポート】ACIDMANなりのサプライズ、配信ライブで制作途中のアルバム曲初パフォーマンス(写真10枚) https://t.co/jM47IxYCzI