音楽事務所MAVERICK DC GROUPに所属するアーティストが集結する、年末恒例の忘年会イベント「
開場中にはオープニングアクトとして新人のAdministratorが登場。メンバー4人は勢い良くステージに現れると、アグレッシブなパフォーマンスでオーディエンスをぐいぐい惹きつけていく。芥(Vo)は花道を駆けまわり「もっと来いよ!」と煽り、他のメンバーもお祭りの幕開けにふさわしいエネルギッシュなプレイを繰り広げる。最後に芥は「俺達がAdministratorだ!」と絶叫し、鮮烈なインパクトを残してステージを去った。
そしてトップバッターとしてステージに登場したのはPAUL(Vo/
2曲目に入る前にSakuraが「1人プラスしますわ」と言うと、ステージには左迅(Vo/ギルガメッシュ)が登場。PAULとのツインボーカルで、先日発売されたばかりのPAULのソロアルバム「HOW ABOUT DA?!」から「We R Rock'n'Roll Stars」、そして44MAGNUMの「In the End」を立て続けに披露した。2人の熱いシャウトの応酬に、観客は早くも大興奮。PAULの「ショーはまだ始まったばかり。みんな楽しんでいこうぜ!」という挨拶とともに、この日最初のセッションは終了した。
続くSESSION Bに登場したのはЯyo(Dr/ギルガメッシュ)、YUKKE(B/ムック)、Shinji(G/
次にセッション3組目として裕哉(Dr/ゾロ)、愁、JUN(G/spiv states)、杉本善徳(G)、逹瑯(Vo/ムック)が登場。逹瑯の「遊ぼうかー!」という言葉から始まった演奏はTOKIOの「LOVE YOU ONLY」。この5人ならではの迫力あるグルーヴで武道館を沸かせ、客席からは息もぴったりな「ONLY YOU!」の掛け声が飛んだ。「あと1曲で終わるけど持ち時間は20分あるから」と逹瑯は余裕のMCを続けるが、杉本から「残り3分だって、それで曲もやるんだよ!?」と突っ込まれて大あわて。2曲目は再びラルクの楽曲「I Wish」。「本当は(クリスマスの)一昨日に聴かせたかったんだけどね」という言葉とともに、2日遅れのクリスマスプレゼントを観客に届けた。
セッションコーナーはさらに続き、ミヤ(G/ムック)、ken、明希(B/シド)、三浦智也(Dr/PULLING TEETH)、秦野猛行(Key)という5人編成によるSESSION Dのステージがスタート。SESSION Bに続きボーカルを担当するkenは、屈強なバンドサウンドをバックに拡声器を使いながらLADY GAGAの「Bad Romance」を熱唱。先程の宴会モードから一転し、シリアスな歌声を響かせる。2曲目はミヤの奏でる不気味なイントロから再びLADY GAGAの楽曲「Telephone - DJs From Mars Metallica Remix 1」へ。ハードロック調のゴリゴリのアレンジは、この編成にぴったり。ミヤと明希は舞うように楽器を奏で、kenはなまめかしい仕草と声でオーディエンスを釘付けにしていた。
中盤戦の幕開けを飾ったゾロは、いつになく攻撃モード全開。龍寺(Vo)は「今日はぶっ飛ばしていこうぜ!」と宣言すると、ハイトーンボイスとシャウトを使い分けながら「猿愛」を絶唱。たつひ(B)とタイゾ(G)はそれぞれ花道へと駆け出し、ファンとコミュニケーションをとりながらプレイを繰り広げる。さらに裕哉(Dr)の力強い4つ打ちドラムが印象的な「DYNAMITE FLAVOR」、強烈なビートが光るアッパーチューン「KITSUNE」を熱演し会場の熱気を上昇させた。
ゾロのフレッシュなパフォーマンスに続いては、DEAD ENDのMorrie(Vo)率いるバンドCreature Creatureの登場。「Dream Caller」からライブはスタートしたが、Hiro(G)のギターの音が出ない機材トラブルに見舞われた。不完全な状態のまま1曲目を終えると、Morrieは「ライブにトラブルは付きものなんですけど、今日はこんな感じです」と発言。機材の調整でライブが中断されることとなった。数分後にHiroのギターが復活すると、Morrieは「ごめんなさい、リハーサル終わりましたので」と冗談ぽくコメント。そして、アグレッシブな「Red」で全力のパフォーマンスを披露し、それまでの空気を一変させた。しかし、Creature Creatureは2曲終えたところでライブを終了。客席からの「えーっ!?」という声を背に、メンバーはステージを降りた。
バンドアクト3組目はギルガメッシュ。彼らのステージは2011年1月リリースのアルバム「GO」に収録される「destiny」から始まり、ヘビーなリズムを武道館中に響かせる。「Break Down」では左迅と弐(G)が絶妙なコーラスワークを聴かせ、楽曲の世界観を盛り上げた。途中のMCで左迅は「今日は何組もセッションがあって、うちのメンバーも出てましたけど……SATOちさんがカッコよすぎて(笑)。あれズルくねー?」と感想を述べる。後半では愁のスラップベースが響き渡る「driving time」、Яyoの煽りと振り付けに合わせて全員が踊りまくる「evolution」を披露。会場を熱狂の渦に巻き込んだ。
続くSESSION Eで、スクリーンに映し出されたのは「VOCAL マオ(シド)」の文字。歓声が起こる中、続けて「一人」という文字が重なると場内が大きくどよめく。そして「歌謡界の王道、ここに極まれり」「若き歌人、マオが魂こもる熱唱でお送りします」という演歌調の曲紹介が流れ、上手花道にせり上がりでマオが登場。着流し姿の彼がしっとりと歌い始めたのは坂本冬美「また君に恋してる」。床一面にスモークが炊かれたステージで演歌歌手さながらの見事なこぶしを披露し、会場を沸かせた。
場内が暗転しスクリーンにムックのロゴが投影されると、オーディエンスは悲鳴のような歓声を上げる。「Chemical Parade」をバックに登場した4人は、手を大きく振り観客に挨拶。そして逹瑯(Vo)の「踊る?」という言葉から「フォーリングダウン」へと流れ、ダンサブルなサウンドで会場を揺らした。ライブの定番曲とも言える「ファズ」に続いては、観客を巻き込んでのジャンプが見物の「蘭鋳」。オーディエンスのヘッドバンキングやジャンプによって一体感が生み出され、狂騒に拍車がかかる。ラストの「アイアムコンピュータ」では、無数のレーザーが飛び交う中で熱いプレイを展開。スケール感たっぷりのナンバーを堂々とプレイする4人の姿には、貫禄すら漂っていた。
この日最後のセッションとなったSESSION Fには、JIMMY(G/44MAGNUM)、TAKASHI(B/BUG)、ゆうや(Dr/シド)、hyde(Vo/L'Arc-en-Ciel)という豪華な面々が参加。レザーファッションに身を包んだhydeがステージに現れると、会場の温度は一気に沸点へと達した。そして彼らは、JUDAS PRIESTの「Electric Eye」をカバー。安定感ある鋼鉄サウンドをバックに、hydeはいつも以上にヒステリックに、かつメタリックにこの名曲を歌い上げた。続いて歌われた「Freewheel Burning」では、原曲を歌うロブ・ハルフォードにも匹敵するハイトーンボーカルで観客を圧倒。この豪華なセッションに、客席からは大きな拍手と歓声が送られた。
SESSION Fに続いて、44MAGNUMのステージがスタート。「Take Me To Your Heart」「I'M LONELY MAN」とドライブ感あふれるハードロックチューンを連発し、若いロックファンもを魅了していった。MCではPaulが「みんな楽しんでる? 夏JACKとは違った冬JACKの楽しさを十分噛みしめてると思いますが、この後にまだスーパーセッションがありますよ」と、この後にもお楽しみが控えていることを観客にアピール。客席から大歓声が沸き上がったところで、「SURRENDER」「I JUST CAN'T TAKE ANYMORE」で観客をノックアウト。貫禄とフレッシュさが同居した唯一無二のパフォーマンスで、武道館に集まった観客を熱くさせた。
いよいよ「JACK IN THE BOX 2010」もクライマックスに突入し、恒例のMAVERICK DC SUPER ALL STARSによるセッションへ。例年は44MAGNUMのナンバーを全員で歌うのが恒例だったが、今年はついにテーマソング「永遠の街-THE "NOISE" CITY-」が誕生。ボーカルを務めるのは、PAUL、kyo(BUG、
Paulは歌い出す前にボーカリストたちに「歌ってどうだった?」と質問。マオは「最高の歌です」、左迅は「ロックンロールです!」と絶賛。hydeは「こんな曲ができて本当にうれしい! ありがとうございます」と語った。そして始まった「永遠の街-THE "NOISE" CITY-」は、音楽への思いと力強いメッセージが込められたミディアムナンバー。出演者たちはマイクリレーをしながら、ファンとのコミュニケーションに興じる。こうしていつになくあたたかな空気が会場を包む中で、「JACK IN THE BOX 2010」は大団円を迎えた。
(撮影:今元秀明 / 石井亜季)
「JACK IN THE BOX 2010」セットリスト
Administrator
01. Promise
02. 手招く太陽
SESSION A
01. Shout At The Devil '97
02. We R Rock'n'Roll Stars
03. In the End
SESSION B
01. Lies and Truth
02. winter fall
SESSION C
1. LOVE YOU ONLY
2. I Wish
SESSION D
01. Bad Romance
02. Telephone - DJs From Mars Metallica Remix 1
ゾロ
01. 猿愛
02. DYNAMITE FLAVOR
03. KITSUNE
Creature Creature
01. Dream Caller
02. Red
ギルガメッシュ
01. destiny
02. Break Down
03. CRAZY-FLAG
04. driving time
05. evolution
SESSION E
01. また君に恋してる
ムック
01. フォーリングダウン
02. ファズ
03. 蘭鋳
04. アイアムコンピュータ
SESSION F
01. Electric Eye
02. Freewheel Burning
44MAGNUM
01. Take Me To Your Heart
02. I'M LONELY MAN
03. SURRENDER
04. I JUST CAN'T TAKE ANYMORE
MAVERICK DC SUPER ALL STARS
01. 永遠の街-THE "NOISE" CITY-
タグ
リンク
- MAVERICK DC GROUP PRESENTS JACK IN THE BOX 2010
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
音楽ナタリー @natalie_mu
「JACK IN THE BOX」で観客驚喜の異色セッション続々 http://natalie.mu/music/news/42869