このライブは、当初は対バンライブ3公演からなる「ライブナタリー202005」の一環として、昨年5月に開催が予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により会場および日程を変更して行われた。
公演はカネコのパートからスタート。アコースティックギター1本での弾き語りスタイルとなる今回、彼女は定番曲「アーケード」でライブの口火を切る。彼女は裸足で脚を組みながら、激しいギターストロークとともに力強い歌声を響かせた。カネコはシームレスに「カウボーイ」につなげたあと、はにかみながら「星占いと朝」を歌唱。さらに「週明け」「朝になって夢からさめて」としっとりした曲を連続して聴かせる。アコギ1本というシンプルな編成がカネコの情感に満ちた歌声を際立たせ、観客は彼女の繊細な息づかいに聴き入った。
その後カネコは、4月14日に発売されるアルバム「よすが」の収録曲「閃きは彼方」「抱擁」を立て続けに披露。体を大きく傾けながら演奏を始めた「燦々」では、1番のサビ終わりでファルセットを切なく響かせ、ラストには伸びやかな歌声をホール一杯にこだまさせた。「人がいるとうれしい」と、この日初めて歌唱以外の声を発したカネコは最後に「光の方へ」をパフォーマンス。ときにストロークが乱れながらも、彼女はありったけの感情を歌声に変えていく。歌唱後カネコは、「聴いてくれてありがとう」と手を合わせながら舞台をあとにした。
続くハンバートのパートは「いつもライブで使ってるこのテーブルとまったく同じものを、さっきカネコアヤノちゃんが使ってた」「衣装のスカートのサイズが小さくて苦しい」という2人ならではのたわいもない会話で始まる。2人が「チキ・チキ・バン・バン」を軽快に披露すると、息の合ったコーラスワークに会場は途端にハンバートの空気に包まれる。カントリー調の「長いこと待っていたんだ」や佐藤良成(Vo, G, Pf)のピアノに乗せて歌われた「試作品第12号」などを経て、2人はカネコの「アーケード」をカバー。アグレッシブな勢いを持つこの曲が、2人のハーモニーによって温かみのある感触に生まれ変わった。
ライブの後半で披露された「虎」では、佐藤の柔らかくも芯の通ったボーカルに佐野遊穂(Vo, Harmonica)のコーラスが優しく寄り添う。本編ラストの「メッセージ」では2人の軽やかな歌声に観客が手拍子で応え、会場全体がほがらかな空気に包まれた。アンコールでは、佐野の「カネコちゃんのテーブル持ってきてもらおうよ」という提案を受けて、ライブでカネコが使用していたテーブルが舞台に運ばれる。2つのそっくりなテーブルを間に挟みながら、ハンバートは「たぶんカネコちゃんが好きな曲だと思うんだよね」という言葉に続けて
「ライブナタリー “カネコアヤノ×ハンバート ハンバート”」2021年4月8日 めぐろパーシモンホール 大ホール セットリスト
カネコアヤノ
01. アーケード
02. カウボーイ
03. 星占いと朝
04. 週明け
05. 朝になって夢からさめて
06. 閃きは彼方
07. 抱擁
08. 爛漫
09. セゾン
10. 燦々
11. 光の方へ
ハンバート ハンバート
01. チキ・チキ・バン・バン
02. 長いこと待っていたんだ
03. 試作品第12号
04. ぼくも空へ
05. おなじ話
06. アーケード(原曲:
07. ぼくのお日さま
08. 虎
09. ぼくらの魔法
10. メッセージ
<アンコール>
11. それでもともに歩いていく
12. 生活の柄(原曲:
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カネコアヤノ×ハンバートのツーマンが1年越しで実現、「アーケード」のカバー披露も https://t.co/Lj3mKe5heB