客電が落ちると、つれづれの4人は“辞世の句”を詠みながらステージに登場。辞世の句の最後の言葉として「逝ってきます」とつぶやき“遺書”を投げ捨てた彼女たちは「九落叫」でライブの口火を切る。「九落叫」はこれまでグループを脱退した5人のメンバーの名前がつづられた楽曲であり、4人はタイトルの通り“9人分”の叫びを体現するかのようなフルスロットルのパフォーマンスで観るものを惹きつけていった。解散ライブであっても彼女たちは普段のスタイルを崩さず、自己紹介以外のMCは一切なくライブを進行させていく。メイユイメイは群青(ゆくえしれずつれづれファンの総称)を率いるように何度もスクリームを繰り返し、グループのオリジナルメンバーであるまれ・A・小町は凛とした表情を崩さず、丁寧に5年分の楽曲を歌い上げていった。約2年前にグループに加入したたかりたからは強い眼差しで群青たちを見据えながら力強い歌声を響かせ、个喆はメンバー同士で目を合わせると優しい笑顔を浮かべ、同じステージに立つ仲間を鼓舞した。
これまでのライブで幾度となく披露されてきた初期の楽曲「新宿シネマコネクション」、メンバーの変遷と共に楽曲も変化を遂げてきた「つれづれ賛歌」など、4人は5年の歳月を振り返るかのように持ち曲を次々と歌唱。ライブの後半には現体制になってから作られた「Wish/」「howling hollow」といった楽曲が立て続けに披露された。「Grotesque promise and I really hate me」ではステージ中央で4人が肩を寄せ合い、しっかりと視線を交わしながら声を合わせる。メイは「最後だぞ、このままでいいのか!」と群青にも檄を飛ばし、フロアを巻き込みながらつれづれのコンセプトである「げきじょう」を表現していった。「Doppelganger」の演奏が始まると4人は円陣を組んで気合を入れ直し、休みなく20曲が届けられたところでライブ本編の幕が閉じられた。
アンコールの代わりに手拍子が響き渡り、それに招かれるように4人は再びステージに登場。つれづれはこの日のライブのために制作された新曲「Requiem」を鬼気迫るスクリームで歌い上げてみせる。さらに4人は自身のファンを表す言葉をタイトルに冠した「群青」を届け、アンコールの最後には感謝と別れの言葉を繰り返す「鏡想唱弍鳴り」をパフォーマンス。ファンとの別れを惜しむように優しく最後の一節が歌われると、オーディエンスは拍手も忘れて彼女たちの歌の余韻に浸っていた。しばらく静寂が続いたあと、再び手拍子が鳴り始めるとライブはダブルアンコールに突入。最後に彼女たちは、グループのデビュー曲である「凶葬詩壱鳴り」を歌い始める。4人は最後の力を振り絞るように渾身のスクリームを響かせ合い、群青たちを圧倒。最後に4人は声を合わせて「ありがとうございました」と挨拶し、5年間のゆくえしれずつれづれの活動に終止符を打った。
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ゆくえしれずつれづれ「ゆくえしれずつれづれワンマンLIVE~The Scream~」2021年1月2日 渋谷CLUB QUATTRO
01. 九落叫
02. MISS SINS
03. 白と黒と嘘
04. Ideology
05. 行方不知ズ徒然
06. ニーチェとの戯曲
07. 我我
08. 新宿シネマコネクション
09. REDERA
10. the End of…
11. Ways to Die
12. つれづれ賛歌
13. Phantom Kiss
14. Paradise Lost
15. Wish/
16. howling hollow
17. Grotesque promise and I really hate me
18. Loud Asymmrtry
19. ポストカタストロフ
20. Doppelganger
<アンコール>
21. Requiem
22. 群青
23. 逝キ死ニ概論
24. 春夏秋闘
25. 鏡想唱弍鳴り
<ダブルアンコール>
26. 凶葬詩壱鳴り
※「Doppelganger」の「a」はウムラウト付きが正式表記。
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