「ひなくり2020」は、2018年の「ひらがなくりすます2018」、2019年の「ひなくり2019」に続く、グループにとって3度目のクリスマスライブ。当初は12月6日と7日に東京・東京ドームで実施される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑みて公演は延期に。代わりに無観客生配信ライブとして開催された今回は、9月から療養のため活動を休止していた松田好花が公演中にサプライズで復帰を果たしたほか、11月から活動休止中の宮田愛萌が開演前の影ナレを担当。メンバー扮する“空のサンタたち”が、自分たちの世界に生じた異変の原因を突き止めるため旅に出るというストーリーのもと、楽曲のパフォーマンスと寸劇を織り交ぜたステージが約2時間半にわたって展開された。
オープニング映像と「OVERTURE」が流れたあと、佐々木美玲の「『ひなくり』、行くぞー!」という掛け声で1曲目「NO WAR in the future 2020」がスタート。サンタ風のキュートな衣装に身を包んだ日向坂46は、冒頭でいきなりライブの定番曲を繰り出して画面の向こうのファンを驚かせた。続いて彼女たちは、寸劇パートで不思議な出来事に頭を悩ませるサンタを演じ「ドレミソラシド」を軽快にパフォーマンス。そして目の前に突然現れた、
旅の途中、サンタたちの前に緑色のローブを着た富田鈴花が登場。富田は一行に目的地までの道案内をしようとするが、「1人ではうまくできないかも」「今旅に出ているあの子さえ帰ってきてくれたら……」と不安そうにつぶやく。するとそこに「ただいま」という声が響いて松田が合流。ギターを手にした富田と松田は、自分たちのユニット・花ちゃんズの「まさか、偶然…」をメンバーに見守られながら大切に歌い上げた。その後松田と別れたサンタたちは、道中で“ワニの船長”や“うそつきなオオカミ”といった行く手を阻むキャラクターと対峙。火山地帯を舞台にした寸劇を経て披露された、加藤史帆、佐々木美玲、齊藤京子による「どうして雨だと言ったんだろう?」では、激しい雨粒のARがステージに投影されるという配信ライブならではの特効も見られた。
おばけホテルに到着したサンタたちは、ガイコツのコンシェルジュとダンスを繰り広げ、「ソンナコトナイヨ」をダイナミックにパフォーマンス。続いて「こんな整列を誰がさせるのか?」では1期生がシリアスな表情を見せ、「Dash&Rush」では2期生と3期生が迷路風のセットを駆け巡り、「この夏をジャムにしよう」では3期生がフレッシュな歌声を会場いっぱいに響かせた。また
終盤でついにホテル王のもとにたどり着いたサンタたちは、彼の弱点がかわいいものであることを突き止める。そこで加藤、佐々木美玲、齊藤の3人が「あたちが耳かきしてあげる!」「こっち来て、スリスリして?」「クリスマスイブ、幸せな夜を過ごそうね」と過剰に“ぶりっ子”なセリフを吐いてホテル王に猛攻撃。とどめに全員で「アザトカワイイ」を繰り出し、王との戦いに勝利した。その後、世界は無事元通りに。メンバーが笑顔で「JOYFUL LOVE」を歌い始めると、客席に設置されたサイリウムが7色に点灯。そして「またみんなのにじがみれますように」という日向坂46がおひさま(日向坂46ファンの呼称)との再会を誓うメッセージが画面に映し出された。
アンコールでTシャツに着替えた彼女たちは、さわやかな表情で「青春の馬」を披露。公演について齊藤は、「ペンライトが客席で光っているのを見て、懐かしい光景にジーンとしてます」、金村は「今回のライブのセットがすごく大好き。このテーマ、ホントに神だなって!」と感激した様子でコメントした。続いて松田が再びメンバーと合流し、自身の体調が少しずつ回復してきていることを報告。涙で声を詰まらせながらも、「今ここに立っていることが本当に幸せです」「病気だってわかったときは頭が真っ白になってどうしたらいいかわからなかったけど、メンバーやおひさまの皆さん、たくさんの方が支えてくれたおかげで前向きになれました。まだ万全な状態ではないですが、様子を見ながら大好きな日向坂46の活動を再開していけたらと思います」と自身の思いをしっかりと語った。「おかえり、この」「みんな待ってたよ」とメンバーが松田に声をかける中、富田は「好花がこうやって帰ってきてくれてすごくうれしいし、これからみんなで支えていくから。自分のペースで少しずつがんばっていってほしいなと思います」と目を潤ませてほほえんだ。その間涙を流し続け、メンバーに「泣き方が高校球児!」といじられたのは渡邉美穂。「全員そろってステージに立てるって当たり前じゃないんだなって。今日の影ナレも愛萌がやってくれて……離れてるけど22人全員そろってるなって感じて、本当にうれしい」と泣きじゃくった。
改めて佐々木久美が、「今年は思うように活動ができなかったりメンバーの休養があったり、私たちにとってたくさんの障害があった1年でしたが、クリスマスイブにこういう素敵な場所を用意していただけたのは、応援してくださったおひさまである皆さんのおかげです。2021年はどういう状況になるかわからないですけど、おひさまに会える1年になったらいいなと思います。休養中の愛萌も帰ってきて、みんなで元気に『ひなくり2021』を迎えたいです!」とコメント。そして日向坂46はラストナンバーとして「約束の卵」をまっすぐに届け、満点の笑顔とともにステージをあとにした。
現在日向坂46の公式Twitterアカウントでは、公演を終えた松田からのコメント動画が公開されている。
日向坂46「ひなくり2020~おばけホテルと22人のサンタクロース」2020年12月24日 セットリスト
00. OVERTURE
01. NO WAR in the future 2020
02. ドレミソラシド
03. ただがむしゃらに
04. まさか 偶然…
05. 川は流れる
06. どうして雨だと言ったんだろう?
07. ソンナコトナイヨ
08. こんな整列を誰がさせるのか
09. Dash&Rush
10. この夏をジャムにしよう
11. 窓を開けなくても
12. See Through
13. キツネ
14. 一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない
15. キュン
16. My fans
17. 誰よりも高く跳べ! 2020
18. アザトカワイイ
19. JOYFUL LOVE
20. 日向坂
<アンコール>
21. 青春の馬
22. 約束の卵 2020
リンク
ugの人 @hiramee
おかえり、みんな待ってたよ!日向坂46松田好花がサプライズ復帰した涙のクリスマスイブ - 音楽ナタリー
#マイナタリー
https://t.co/K3t442Ok4C