hideとファンがオンラインでつながった「hide Birthday Party」豪華セッションで大団円

37

3764

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 470 1624
  • 1670 シェア

hideX JAPAN、hide with Spread Beaver)の誕生日にあたる本日12月13日に神奈川・CLUB CITTA'で無観客配信ライブ「hide Birthday Party 2020 Sing along live "Hi-Ho!"」が開催された。

hideとは?

神奈川県横須賀市出身。X JAPANのギタリスト、ソロアーティスト。1993年にシングル「EYES LOVE YOU」「50% & 50%」2枚同時発売でソロデビューを果たした。1994年2月に1stアルバム「HIDE YOUR FACE」を発表し、3~5月に初のソロツアー「hide FIRST SOLO TOUR '94 HIDE OUR PSYCHOMMUNITY ~hideの部屋へようこそ~」を実施した。1996年9月に2ndアルバム「PSYENCE」をリリース。同月に千葉・千葉マリンスタジアムで野外イベント「LEMONed presents hide Indian Summer Special」を開催。同時期に2ndソロツアー「hide solo tour 1996 -PSYENCE A GO GO-」で全国13カ所19公演を行った。12月にはマキシシングル「Hi-Ho / GOOD BYE」を発表し、カップリング「Beauty&Stupid TOKYO SKA VERSION」で東京スカパラダイスオーケストラとコラボ。1997年8月に東京・六本木エリアのクラブ5カ所でオールナイトクラブイベント「hide presents MIX LEMONed JELLY」を同時開催し、各地の様子をインターネットで中継した。同年12月の東京・東京ドーム公演をもってX JAPANが解散。1998年1月にhide with Spread Beaverを始動し、シングル「ROCKET DIVE」をリリースした。5月2日に永眠。予定されていたシングル「ピンク スパイダー」「ever free」は予定通り同月にリリースされた。7月にレイ・マグヴェイ(ex. Professionals)、ポール・レイヴン(ex. Killing Joke, ex. Prong)との多国籍バンドZilchのアルバム「3・2・1」を発表。10月にhide with Spread Beaverのツアー「appear!! "1998 TRIBAL Ja,Zoo"」が行われ、ツアーファイナルの翌日11月21日に3rdアルバム「Ja,Zoo」がリリースされた。2000年に地元横須賀にhide MUSEUMがオープンし、2005年の閉館までに43万人を動員。2018年に没後20周年プロジェクト「hide 20th Memorial Project」が発足し、映画「HURRY GO ROUND」が公開されたほか、東京・お台場ではメモリアルライブ「hide 20th memorial SUPER LIVE『SPIRITS』」が行われた。現在でも誕生日、命日に例年イベントが行われるなど、世代を超えて多くのファンを魅了している。

X JAPANとは?

1982年にYOSHIKI(Dr, Piano)とToshl(Vo)を中心に結成される。インディーズで絶大な人気を誇り、1989年にアルバム「BLUE BLOOD」でメジャーシーンに進出する。派手なメイクと衣装に代表される独特のスタイルが大きく注目される一方で、ハイクオリティなヘヴィメタルサウンドと確かな演奏力が高評価を獲得。攻撃的なメタルナンバーとドラマチックなバラードの双方に定評があり、ヴィジュアル系バンドの先駆者的存在としても認知されている。人気絶頂の1997年、ToshIの脱退宣言を機に解散。再結成が熱望されるも翌1998年にHIDEが急逝し復活は絶望視される。しかし2007年10月に突然活動再開を宣言し、復活第1弾となった新曲「I.V.」はハリウッド映画「SAW4」のメインテーマソングに採用された。2008年3月には復活の東京ドームライブを3日間にわたり開催。2009年5月にはSUGIZO(G)が新メンバーとして正式加入した。2010年8月には米の大型ロックフェス「ロラパルーザ」に出演し初の全米ツアーを行ったほか、日産スタジアムでの2DAYSライブも開催。2011年にはヨーロッパ、日本、南米、アジアを回るワールドツアーを、2014年10月にはアメリカ・ニューヨークのMadison Square Gardenでのワンマンライブを成功に収めた。2015年には宮城・石巻 BLUE RESISTANCEで東日本大震災の復興支援チャリティライブを行い、2800万円を超える寄付金を集めた。2017年3月にイギリス・The SSE Arena, Wembley公演を開催し、それと同時にドキュメンタリー映画「We Are X」を公開。5月にYOSHIKIが人工椎間板置換手術を受けたため、7月の日本国内ツアーを急遽アコースティック編成で行った。2018年9月に千葉・幕張メッセ国際展示場1~3ホールでワンマンライブ「X JAPAN Live 日本公演 2018~紅に染まった夜~ Makuhari Messe 3Days」を開催。3日目公演では台風の影響により“無観客ライブ”を敢行し、世界に向けてその模様を生中継した。

「hide Birthday Party 2020 Sing along live "Hi-Ho!"」出演者集合写真(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])

「hide Birthday Party 2020 Sing along live "Hi-Ho!"」出演者集合写真(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])

大きなサイズで見る(全42件)

2020年はhideがこの世を去ってから22年、23回忌のメモリアルイヤー。新型コロナウイルス感染拡大の影響で命日の5月2日に予定されていたイベント「hide The 23rd Memorial~hide Memorial Day 2020~」は開催中止となった。このため命日に計画されていたhideのトリビュートライブ「hide Memorial Day 2020 Sing along live "Hi-Ho"」が、本日の公演で無観客の有料配信ライブとして行われることとなった。

今回のバースデーイベントでは、会場にいるアーティストと画面の向こうのオーディエンスが一緒に歌うシンガロングスタイルが提唱された。スペシャルゲストとしてMAGUMI(LA-PPISCH、MAGUMI AND THE BREATHLESS)、PATA(X JAPAN、Ra:IN)、TUSK(THE SLUT BANKS、ex. ZI:KILL)、山本恭司(BOWWOW、VOWWOW、WILD FLAG)が参加したほか、メインボーカルをhideイベントの常連である木村世治(ZEPPET STORE)、CUTT(SPEED OF LIGHTS、shame)、TAKA(defspiral)、バンド演奏をdefspiralメンバーが担当。ステージのいたるところにhideのぬいぐるみが配置されるなど、特別な演出のバースデーライブとなった。

CUTT(SPEED OF LIGHTS、shame)、MASATO(defspiral)。(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])

CUTT(SPEED OF LIGHTS、shame)、MASATO(defspiral)。(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])[拡大]

「hide Birthday Party 2020 Sing along live "Hi-Ho!"」の様子。(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])

「hide Birthday Party 2020 Sing along live "Hi-Ho!"」の様子。(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])[拡大]

開演と同時に出演者紹介のオープニング映像が流されたあと、ステージにギターを抱えたCUTTとdefspiralのMASATO(G)、RYO(B)、MASAKI(Dr)が登場。hideの1stソロアルバム「HIDE YOUR FACE」に収録されているインストナンバー「PSYCHOMMUNITY」を演奏し、花々しく配信ライブの幕を開けた。CUTT、木村、TAKAが並び「DICE」「Beauty & Stupid」を歌唱し、TAKAは「ようこそ! 皆さん騒いで歌って、最高のバースデーにしましょう!」とカメラに向かってアピール。演奏中には多数のレーザーが飛び交い、足元にスモークが焚かれるという派手な演出が用意され、ステージ後方のスクリーンにはhideのパフォーマンス映像が投影された。「50% & 50%」ではCUTTがメインボーカルを務めhideの特徴的な歌い方でhideへのリスペクトを惜しみなく表現した。続いてはTAKAが足を大きく開いてインダストリアルナンバー「DOUBT」を熱唱。hideがレイ・マクヴェイ、ポール・レイヴンと組んでいたバンドzilchの全編英語詞の楽曲「SPACE MONKEY PUNKS FROM JAPAN」では木村がマイクを握り、ハイテンションに歌い踊った。

MAGUMI(LA-PPISCH、MAGUMI AND THE BREATHLESS)(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])

MAGUMI(LA-PPISCH、MAGUMI AND THE BREATHLESS)(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])[拡大]

TUSK(THE SLUT BANKS、ex. ZI:KILL)(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])

TUSK(THE SLUT BANKS、ex. ZI:KILL)(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])[拡大]

ライブ中盤、スペシャルゲストとしてMAGUMIがステージに上がり、大ヒット曲「ピンク スパイダー」を歌唱。defspiralの演奏に乗せて、リズミカルにステップを踏みながら、シャウトから伸びやかな歌声まで多彩な歌声を響かせた。次にアコースティックギターを抱えたTUSKが、黄色いTシャツに迷彩パンツという“hideスタイル”で登場。「俺、hideさん家の近くに住んでいたことがあったんです。近所に引っ越したときにhideさんに電話したら、『これから糸電話で大丈夫だね』って言われたんですよね。俺も『糸電話でいけますかね?』って言ったら、『例え話だよ! 例え話』なんて言ってたんですよ」と思い出話をしてから、「今日はhideさんの歌を歌いに来ました。hideさん! 最近はどこで飲んでますかー!」と叫び、「GOOD BYE」をオリジナルバージョンよりテンポを上げたアレンジで弾き語った。

山本恭司(BOWWOW、VOWWOW、WILFLAG)(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])

山本恭司(BOWWOW、VOWWOW、WILFLAG)(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])[拡大]

続いては生配信での出演がスケジュールの都合で叶わなかった、山本恭司がVTRで出演。山本はhideとの出会いについて語り、1976年にBOWWOWとしてデビューした頃、当時中学生だったhideが横須賀公演の際に楽屋に押しかけてきたというエピソードを回想し、「ロック好きっぽいかわいい男の子が楽屋まで来て、最初は楽しそうにしてたけど、ハードロックなお兄さんたちに囲まれたからか、だんだんシャイになっちゃって。僕がしゃべると、『うんうん、はいはい』ってうなずいていたね。中学生でロックバンドの楽屋に押しかけるなんて普通の行動力じゃできないこと。そのシャイさと行動力はのちのhideにつながっているような気がします」とhideの人物像に触れた。さらに「X JAPANのメンバーになり、大スターになってからもBOWWOWやWILD FLAGのライブを2階の端で観ててくれて。でも楽屋で僕が話しかけるとhideは中学時代に戻っちゃうみたいでシャイになっちゃって」「hideの作品、音楽、言動、ファッションを含めたビジュアル、それらすべてにhideのミュージシャンとしてじゃなくて、自分そのもの、人間自体を大きなポップアートとして表現しているような、そんなイメージで僕はhideを観ていました。本当に絶好調で最高だってときにああいうことになってしまって僕もすごく寂しかったです。日本のロック界にとっても大きな損失だった。でも、僕が知ってるhideはね、本気で自分の命を絶とうとする男では絶対にないです。hideはこの世からいなくなってしまいましたけど、作品はずーっとこれからも残り続けるし、僕や皆さんの心の中でずっと生き続けているからね」とhideへの思いを静かに語った。そして「じゃあ今日は僕からのプレゼントをね、聴いてください」と言い、山本は「FLAME」をBOWWOWの楽曲「Ave Maria」と織り交ぜたアレンジでプレイ。アーミングやピッキングハーモニクス、バイオリン奏法などを駆使し、山本恭司節が凝縮された演奏をhideとhideファンに捧げた。

PATA(X JAPAN、Ra:IN)(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])

PATA(X JAPAN、Ra:IN)(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])[拡大]

「hide Birthday Party 2020 Sing along live "Hi-Ho!"」の様子。(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])

「hide Birthday Party 2020 Sing along live "Hi-Ho!"」の様子。(撮影:上野宏幸[nonfixcreative])[拡大]

生配信中のCLUB CITTA'に映像が切り替わり、CUTT、木村、TAKAの3人が「LEMONed I Scream」「ever free」でアコースティックセッションを展開。途中からdefspiralのMASATO、RYO、MASAKIが合流した。続いてスペシャルゲストとしてPATAが登場し、奏でたのは「CELEBRATION」のブルージーなリフ。PATAは誰よりも爆音のギターサウンドを轟かせ、存在感を放った。ライブ終盤にはPATAを含む布陣で「ROCKET DIVE」「TELL ME」「MISERY」と人気曲が立て続けに届けられた。PATAは途中のMCで「ここにマイクがある、なんかしゃべれってか! お茶の間の皆さん、こんばんは」とだけ語った。ライブのラストを飾った楽曲はイベントタイトルになっている「Hi-Ho」。MAGUMIとTUSKが巨大なhideのぬいぐるみを持って登場し、出演者そろっての豪華セッションがにぎやかに繰り広げられ、配信ライブ形式では初めてとなるhideの生誕イベントは大団円を迎えた。

なお公演終了後、hideの23回忌メモリアルイヤープロジェクト「hide The 23rd Memorial」にまつわる発表があった。新作映画が2021年に公開されること、さらにhideの故郷である神奈川県横須賀市に存在したミュージアム「hide MUSEUM」の特別展示版「PSYCHOVISION -hide MUSEUM Since 2000-」が開催されることがアナウンスされた。どちらも詳細は追って発表となる。また今月にはhideオリジナルのワイヤレスイヤフォン「hide TRUE WIRELESS STEREO EARPHONES」の“rocket dive Type”が発売されたほか、12月25日には音楽雑誌「FOOL’S MATE」のhide関連の主要記事を網羅したアーカイブブック「FOOL’S MATE ARCHIVES hide × HIDE」の予約販売がスタート。この書籍にはhideとTUSKが出演する93年発表の映像作品「Seth et Holth」(セスエホルス)のデジタルリマスター版DVDが付属する。

この記事の画像(全42件)

「hide Birthday Party 2020 Sing along live "Hi-Ho!"」2020年12月13日 神奈川・CLUB CITTA' セットリスト(メイン出演者)

オープニングSE. PSYCHOMMUNITY
01. DICE(木村世治 / CUTT / TAKA)
02. Beauty & Stupid(木村世治 / CUTT / TAKA)
03. 50% & 50%(CUTT)
04. DOUBT(TAKA)
05. SPACE MONKEY PUNKS FROM JAPAN(木村世治)
06. ピンク スパイダー(MAGUMI
07. GOOD BYE(TUSK)
08. FLAME(山本恭司)
09. LEMONed I Scream(木村世治 / CUTT / TAKA)
10. ever free(木村世治 / CUTT / TAKA)
11. CELEBRATION(木村世治 / CUTT / TAKA / PATA)
12. ROCKET DIVE(木村世治 / CUTT / TAKA / PATA)
13. TELL ME(木村世治 / CUTT / TAKA / PATA)
14. MISERY(木村世治 / CUTT / TAKA / PATA)
15. Hi-Ho(木村世治 / CUTT / TAKA / PATA)
16. HURRY GO ROUND(hide vocal Take2)

全文を表示

読者の反応

J_ROCKNews @J_ROCKNews

hideとファンがオンラインでつながった「hide Birthday Party」豪華セッションで大団円 https://t.co/SABRECQ5K3

コメントを読む(37件)

リンク

関連商品

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 hide / X JAPAN / ZEPPET STORE / defspiral / SPEED OF LIGHTS / Shame / MAGUMI / LÄ-PPISCH / MAGUMI AND THE BREATHLESS / THE SLUT BANKS の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。