SUPER BEAVERが横浜アリーナで無観客ライブ、最低な1年の中で見つけた“最高の瞬間”

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SUPER BEAVERが12月8、9日に神奈川・横浜アリーナで無観客配信ライブを開催した。このレポートでは2日目の模様をレポートする。

SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~ 全席空席、生配信渾身~」の様子。(撮影:青木カズロー)

SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~ 全席空席、生配信渾身~」の様子。(撮影:青木カズロー)

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1日目の公演は「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~特大のラクダ 、イッポーニーホーサンポー~」として、中止となった全国ツアー「続・都会のラクダ TOUR 2020~ラクダの前進、イッポーニーホー~」のチケット払い戻しを希望しなかった人を対象に行われた。2日目の公演「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~ 全席空席、生配信渾身~」はYouTubeでの無料配信ライブ。4人は横浜アリーナのど真ん中に作られたステージで向かい合うように立ち、全8曲をパフォーマンスした。

SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~ 全席空席、生配信渾身~」の様子。(撮影:青木カズロー)

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配信時間になると画面の向こうにはオレンジ色の幻想的なスモークが漂い、その中に4人の姿が浮かび上がる。渋谷龍太(Vo)が大きく息を吸って歌い始めたのはバラードナンバー「ひとりで生きていたならば」。サビになるとステージを囲むスポットライトが上に向かって光を放ち、メンバーは光の柱に囲まれるような形で温かなアンサンブルと歌声をじんわりと響かせた。渋谷が「あなたにお送りする1時間、横浜アリーナより生配信、しっかりと目に焼き付けて楽しんで帰ってください!」とカメラに向かって呼びかけると、メンバーは「突破口」の演奏を勢いよくスタート。眩い光が交錯する中、せきを切ったようにアグレッシブなプレイを繰り広げる4人の姿を、ステージやクレーンのカメラがさまざまな角度から目まぐるしく捉えていった。カメラに抜かれる1人ひとりの表情はとても晴れやか。渋谷は終始カメラから目線を外すことなく、その向こうにいる視聴者を真っすぐに見つめながら歌を届けた。

渋谷龍太(Vo)(撮影:青木カズロー)

渋谷龍太(Vo)(撮影:青木カズロー)[拡大]

SUPER BEAVERがライブを無料配信するのは今回が初めてのこと。渋谷は「本当のことを言いますと、無料というのはどうなんだと思ってるんですよ。自分たちはお金を取ってしかるべき活動をしていると思っているし、そういうスタンスでいつもあなたの前で立たせてもらっています。そうじゃないと失礼だなと思って」と無料配信に対する考えを話しつつ、「でも今年はいろんなことがありました。嫌なこととかのほうがもしかしたら多かったのかもしれないですね。だったら年末の最後にいいことくらいあってもいいんじゃないかなと、こういうふうに踏み切りました」と実施に至った思いを明かした。その後メンバーは赤と緑の光に覆われたステージで「正攻法」を演奏。ありったけの熱を込めるような4人のプレイと共にカメラの動きも激しくなり、臨場感あふれる映像が届けられる。その勢いをさらに加速させるようにバンドは「閃光」を投下。渋谷は3人が放つみずみずしいサウンドを体中に浴びながら、生き生きとスタンドマイクで熱唱した。

SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~ 全席空席、生配信渾身~」の様子。(撮影:青木カズロー)

SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~ 全席空席、生配信渾身~」の様子。(撮影:青木カズロー)[拡大]

今年で結成15周年を迎え、16年目に突入したSUPER BEAVER。アニバーサリーイヤーということで、本来であればアリーナツアーなどの大規模なライブも行われる予定だった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けてしまい、渋谷は「計画の9割9分9厘を頓挫しました。こんな予定じゃなかった。それはみんなもだよね」と困ったように笑いながら、「この1年は最低だった。でも、そんな1年の中でも最高の瞬間を作れたらいいなと思って、本日はあなたに向けての無料配信です」と明るく語った。大合唱で会場が1つとなる「予感」では、チャット欄に自然とシンガロングが沸き起こる。メンバーにその文字は見えていないはずだが、4人はまるでその声が聞こえているように顔をほころばせ、渋谷は「もっとでっかい声よろしくお願いします!」と視聴者を一層煽っていった。

渋谷龍太(Vo)(撮影:青木カズロー)

渋谷龍太(Vo)(撮影:青木カズロー)[拡大]

重く響くベースサウンドでスタートしたのは「東京流星群」。メロディアスなギターの音色が重なると、ステージの上ではミラーボールが眩い光を放ちながら回り、星空の下で4人が演奏しているような美しい光景が映し出された。その後バンドは今年リリースしたメジャー再契約シングル曲「ハイライト」を1音1音に心を込めるように真摯にプレイ。そのすさまじいエネルギーを受けて、チャット欄のコメントにも一層熱がこもっていった。メジャーもインディーズも経験して紆余曲折あったという15年間を渋谷は振り返り、「足りないこととか至らないことが自分たちには多いかもしれないけど、そのぶん、人に恵まれていることだけは自分たちの自慢です」と思いを噛み締める。そして「こうやって会えたのも何かの縁だと思います。自分たちが間口を開いたとて、あなたが手を差し伸べてくれないことには今日のこの時間、この瞬間は成立しなかったと思います」と視聴者に呼びかけ、「一度差し伸べてくれた手です。手をつかんだら離れないように、離さないように、離したいと思われないような、そういうスタンスのバンドでいたいなと思いますので、安心して付いてきてください」と確かな口調で語った。「次はライブハウスで会いましょう」と渋谷が笑顔で述べ、ラストナンバーとして歌い始めたのは「人として」。ステージ横にカメラが向けられると、そこにはストリングス隊の姿があった。美しいストリングスを交えながら、バンドは人としてどうありたいかを示すこの曲を力強く演奏。チャット欄に流れる感謝の言葉に見送られながら、4人はステージを去って行った。

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SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 15th Anniversary 都会のラクダSP~ 全席空席、生配信渾身~」2020年12月9日 横浜アリーナ セットリスト

01. ひとりで生きていたならば
02. 突破口
03. 正攻法
04. 閃光
05. 予感
06. 東京流星群
07. ハイライト
08. 人として

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たけまも。 @meguwps

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