ライブは8月に配信リリースされた最新曲「Set you Free」でスタート。薄暗い会場内が、酩酊感のある透き通った電子音で満たされていった。この日の電気グルーヴはサポートメンバーの牛尾憲輔(
その後も彼らは「人間大統領」「Missing Beatz」と次々に楽曲を披露。石野卓球はひさびさのライブを楽しむように、伸び伸びとしたパフォーマンスを繰り広げた。一方、普段はオーディエンスの煽り役とも言える瀧は、その場から離れずにスタンドマイクを握って歌うことに没頭していた。「B.B.E.」では2人が声をそろえてラップしたのち、曲の終わりで卓球が「スペースインベーダーと」、瀧が「大魔神の」、そして2人そろって「ギャラクシーナイター!」とシャウト。2人の仲のよさに裏打ちされた、息の合ったコンビネーションを見せていた。Netflixアニメ「DEVILMAN crybaby」のテーマ曲「MAN HUMAN」の演奏中は、スクリーンに映るデビルマン風のシルエットや、Kraftwerkの「The Man Machine」を想起させるロシア構成主義風のデザインが視聴者を沸かせた。
ライブ終盤に彼らは、近年のライブであまりセットリストに入っていなかった「Nothing's Gonna Change」や、昨年リリースされた結成30周年記念アルバム「30」でリメイクされた「Flashback Disco(is Back!)」という、卓球と瀧の2人組になった1999年のシングル2曲を披露。「Nothing's Gonna Change」の曲名の通り、ライブ活動が停滞したこの時期を経ても電気グルーヴは“何も変わらない”ということを、ライブを観ているファンに改めて印象付けた。そして最後に演奏されたのは「TROPICAL LOVE」。卓球と牛尾が心地いい音色で視聴者をチルアウトさせ、それに寄り添うように吉田がアコースティックギターを爪弾き、瀧はウッドブロックを叩いた。そして曲が終わると同時に、余韻を残すことなく断ち切るようにライブ配信は終了。いつものようなMCなども一切なく、ノンストップで約70分にわたって繰り広げられたこの公演は、これまでの有観客のライブとはひと味違ったストイックさを感じさせる内容になった。
なお、このライブのアーカイブ映像は12月8日まで視聴することが可能。チケットはDENKI GROOVE CUSTOMER CLUB会員限定で12月8日18:00まで販売されている。
電気グルーヴ「FROM THE FLOOR ~前略、床の上より~」2020年12月5日 セットリスト
01. Set you Free
02. 人間大統領
03. Missing Beatz
04. モノノケダンス
05. SHAME
06. B.B.E.
07. SHAMEFUL
08. 顔変わっちゃってる。
09. Fallin' Down
10. Upside Down
11. MAN HUMAN
12. Baby's on Fire
13. Nothing's Gonna Change
14. Flashback Disco(is Back!)
15. TROPICAL LOVE
showgunn @showgunn
【ライブレポート】電気グルーヴが無観客でひさびさのライブ、床の上より70分間ノンストップで(写真23枚) https://t.co/3gob2XvFDu