ライブのオープニングムービーが上映されたあと、映像が切り替わるとステージ上には
オーディエンスのいない無観客の会場を見渡したそらるは少し緊張気味。彼は「いつものライブではみんなの笑顔に支えられていた」と話し、「みんなの力は偉大だったんだなあと思います」と自身の胸中を口にした。まふまふがアコースティックギターを手にすると2人は息を合わせて「待ちぼうけの彼方」の演奏をスタートさせる。まふまふの流麗なストロークを伴奏にそらるは伸びやかな高音ボーカルを響かせた。ステージ上がスモークに包まれるとAtRのダークなクリスマスソング「ブラッククリスマス」が流れ始める。ダークな曲調に合わせ2人は畳みかけるように流暢なラップを披露。さらに囁くようなボーカルが繰り出されると、チャット欄はファンの喜びの声であふれた。
2人が背中合わせの状態で声を合わせた「夕刻、夢ト見紛ウ」を経て、ライブは終盤へ。そらるは「みんなのいない会場で歌うのは気持ちよさはあるけど、物足りなさを同時に感じます。みんなの前で歌える日が来ることを祈っています」と話した。まふまふは「会場に居合わせているわけじゃないけど、みんなで音楽を楽しみたい」と口にし、「彗星列車のベルが鳴る」の演奏へとつなぐ。会場にいくつも設置されたミラーボールが照明を乱反射し、会場内はまるで星空のような幻想的な光景が広がった。最後に披露されたのは、AtRのライブで必ず披露されている代表曲「桜花ニ月夜ト袖シグレ」。普段のライブでは桜を彷彿とさせるピンク色に輝くペンライトで客席が埋め尽くされるこの曲が始まると、視聴者たちはペンライトを灯す代わりに桜の花のスタンプをチャットに投稿。チャット欄がピンク一色に染まる中、そらるとまふまふは心地よいハーモニーを響かせてファンを魅了した。
ライブ終了後には2人のアフタートークが届けられることになっており、段取りを任されたまふまふはそらるを連れて会場の外へ。会場出口にはなぜかレッドカーペットが敷かれており、その先には豪華なリムジンと、11月3日に誕生日を迎えたばかりのそらるへのバースデーケーキとプレゼントが用意されていた。これらはまふまふがサプライズで用意したもので、彼は視聴者たちと一緒にそらるを祝福した。その後2人はリムジンの車内に乗り込み、アフタートークを継続。演奏中に視聴者の反応を見ることができなかった2人はタブレットを手に、ファンから寄せられたコメント1つひとつに目を通していく。配信ライブは日本のみならず海外にも配信されており、中国語のコメントや英語のコメントなども丁寧に拾い、世界各国のファンに向けてもメッセージを送った。2020年に海外ツアーを開催する予定だったと話す2人は「僕らのライブを観るのが初めての人も多いと思った」とこの日のライブが全世界向けであることを強調し、セットリストは代表曲を詰め込んだ“欲張りセットリスト”になったと話した。
来年の抱負を問われたそらるは「状況によるけど、やっぱりみんなの前でライブがしたい」と返答。ライブの興奮が冷めやらないまふまふは「もう1曲作りたい」と口にし、そらるに「どんな曲がいいですか?」とリクエストを求める。視聴者やそらるのリクエストを受けたまふまふは「今日帰ったら書きます」と気合十分。最後にまふまふは「足踏みをする時間じゃないけど、前に足を進めるんじゃなくて、1回自分たちのことを見直してやれることをやって、やれるタイミングが来たときにまた1歩前に進みたい」と語り、アフタートークを終了させた。
After the Rain「After the Rain ONLINE LIVE 2020」2020年11月7日 セットリスト
01. 1・2・3
02. 喰病しのイデア
03. 解読不能
04. アンチクロックワイズ
05. セカイシックに少年少女
06. 待ちぼうけの彼方
07. ブラッククリスマス
08. 四季折々に揺蕩いて
09. 夕刻、夢ト見紛ウ
10. 彗星列車のベルが鳴る
11. 桜花ニ月夜ト袖シグレ
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After the Rain、初の配信ライブで離れていても桜を咲かす https://t.co/QvKjtu8JDC