PELICAN FANCLUBがワンマンでGraphersRockと作り上げた世界を再構築、新たなモードも提示

PELICAN FANCLUBが11月7日に東京・WWW Xでワンマンライブ「PELICAN FANCLUB DX ONEMAN LIVE "NEW TYPE"」を開催した。

「NEW TYPE」は、5月に東京・LIQUIDROOMで開催予定だった、PELICAN FANCLUBのアートワークを手がけるデザイナーGraphersRockと映像演出チーム・huezとのコラボ公演。その振替として行われた本イベントは新型コロナウイルス感染予防のため来場者数を制限し、ソーシャルディスタンスを保てるように配慮したうえで開催され、同時に有料配信も実施された。

各メンバーの名前をデザインしたシンボリックなロゴが背後のスクリーンに浮かび上がる中、ステージに登場した3人はGraphersRockと制作したミュージックビデオで話題となった「Amulet Song」でライブをスタート。観客は声を出せずとも手を掲げて彼らを歓迎し、MVの世界観とリンクした映像演出と爆音で鳴らされるPELICAN FANCLUBらしい清涼感と力強さを併せ持ったサウンドを全身で浴びた。

エンドウアンリ（Vo, G）は「僕らは君に歌います。だからこの場所では君が主人公だ。ようこそ！ NEW TYPEへ！」と高らかに叫び、3人は代表曲の「Dali」やこのライブのちょうど2年前、2018年11月7日にリリースしたメジャーデビュー作「Boys just want to be culture」の収録曲「Telepath Telepath」を立て続けに披露。10月3日に配信リリースし11月25日にCDとしても発売される、テレビアニメ「炎炎ノ消防隊 弐ノ章」エンディングテーマ「ディザイア」も、序盤から惜しむことなく演奏し、バンドの最新のモードを観客に印象づける。詰め込まれた歌詞とヘヴィなサウンドが印象的な「ハッキング・ハックイーン」では、歌詞がスクリーンに映し出され、サウンドだけではなく視覚的にも強烈なインパクトを残した。

カミヤマリョウタツ（B）が鳴らす剛健なベースラインとシミズヒロフミ（Dr）が刻む小気味よいビートがエンドウのビブラートの効いた歌声を後押しする「VVAVE」を経て披露された「7071」ではドライブ感のある楽曲に乗せてエンドウの渾身のシャウトが炸裂。続く「ハイネ」ではループ感のある楽曲と万華鏡を覗いたかのような映像でドープな世界へと観客を誘う。エフェクターやサンプラーを使用した大胆なアレンジが施された間奏パートもこのライブのハイライトの1つとなった。

中盤でPELICAN FANCLUBはプログレッシブな展開で魅せる新曲（タイトル未定）や最新シングル「ディザイア」のカップリング曲である「Day in Day out」「Gradually」といった新曲を立て続けに披露。ライブアンセム「Night Diver」で勢いづいた終盤では「ノン・メリー」や「三原色」といったパワフルなロックナンバーが続く。「Girlfriend In A Coma」では、PELICAN FANCLUBがこれまでGraphersRockと共に制作してきたアートワークがスクリーンに次々と映し出される演出が目を引いた。そして音楽で人と人とがつながることへの尊さを歌った新曲（タイトル未定）で締めくくり、3人はステージを下りた。

アンコールでPELICAN FANCLUBは「Dancing Queen」「ベートーヴェンのホワイトノイズ」「記憶について」の3曲を熱演し、12月17、18日に千葉・千葉LOOKでワンマンライブが決定したことを発表。公演は1日は有観客ライブ、2日目は無観客の配信ライブとして行われる。なお「PELICAN FANCLUB DX ONEMAN LIVE "NEW TYPE"」の模様は、11月15日（日）23:59までStagecrowdにて見逃し配信されている。