我儘ラキア、トラブル乗り越え観客と共にくだらない日々を捨て去ったツアー最終日

我儘ラキアのツアー「Killboredom TOUR 2020 supported by MAWA LOOP TOKYO EXTRA 2020」の最終公演が11月8日に東京・TSUTAYA O-EASTにて開催された。

「Killboredom TOUR 2020」は、我儘ラキアにとって初のバンドセットツアー。当初は6月から開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により延期となっていた。彼女たちは9月より振替公演を行い、最終公演となるこのライブで約90分にわたり激しいパフォーマンスをオーディエンスに届けた。

開演時刻を迎えると、照明の光がうっすらと差したステージに星熊南巫、海羽凜、川崎怜奈、MIRIの4人が登場。轟音と共に「My life is only once」でライブはスタートし、4人は色鮮やかなレーザーを浴びながら熱のこもった歌声を響かせる。MIRIのラップに続けて「Why?」に突入すると、ステージは突如吹き出したスモークに包まれる。真っ白なスモークとまたたく照明に包まれながら、彼女たちは力強く声を合わせた。星熊の「一緒にジャンプする準備はできてますか」という煽りと共に披露された「Reboot with...『 』」では、サビで観客がメンバーの動きに合わせてこぶしを突き上げ、ステージとフロアが1つになった。

MCではMIRIがコロナ禍で思うように活動できなくなったことへの悔しさを切々と言葉にしながら、「音楽は本当に必要だよってことをこのツアーで証明できたらと思います」と宣言。MIRIが「みんなも一緒に我儘ラキアの一員としてこのライブ最高にしてくれますか!? くだらない日々なんて全部捨てちまおうぜ！」と高らかに叫ぶと、4人は勢いそのままに「ゼッタイカクメイ」をパフォーマンスする。観客はMIRIの言葉に応えるように、手拍子やジャンプといった思い思いの形でメンバーと一緒にライブを盛り上げた。

その後、しっとりとしたギターのリフに乗せて紡がれた、海羽の「このコロナの期間、自分を見失いそうになったときもありましたが、みんなと会えると信じて過ごしてきました。だからこうして過ごしてきた日々は間違いではなかったと思います。一緒に心の中で歌ってください」という言葉に続けて「Days」がプレイされる。彼女たちは「僕らが 過ごしてきた日々は 間違いじゃなかった」という歌詞を力強く歌い上げた。続けて披露された「The Reason」では四つ打ちのリズムに乗せて観客が手を鳴らし、その音を浴びながら星熊が「今日は来てくれて本当にありがとう！」と感謝の思いを声高らかに表現した。

後半戦に突入すると、彼女たちは川崎の妖艶なダンスで始る「rain」、MIRIのラップパートが光る「reflection」、12月発売のアルバム「WAGAMAMARAKIA」に収録される新曲「SURVIVE」を畳みかける。さらに「Leaving」ではミラーボールの光がフロアを照らし出し、会場は熱狂の渦に包まれた。その後星熊から、ステージを後にしたMIRIにトラブルがあったと明かされる。肩関節を脱臼し緊急搬送されていたことが終演後にアナウンスされたが、ここでは詳細には触れず、ライブを続行。星熊が「このまま3人で最後までやらせていただきます。最後まで一緒にできなかったのは悲しいけど、MIRIの分まで自分たちが歌うので安心してください」と告げると、観客はエールの気持ちを込めるように拍手を送った。「4人で歌う気持ちで歌います」という言葉に続けて披露されたのは、「Don't fear a new day」。彼女たちは晴れやかな表情を浮かべながら、「明日を恐れない」というテーマのこの曲をじっくり噛み締めるように歌い上げる。そしてラストとなる「There is surely tomorrow」を、彼女たちは最後まで目一杯の熱量でこぶしを振り回しながら歌唱し、3人でできる最大限のパフォーマンスで観客を魅了する。最後に「ありがとうございました」と声を合わせ、会場を包み込んだ熱気をそのままに我儘ラキアはステージを後にした。

なお現在MIRIの肩関節は回復しており、今後は治療と再発防止のためのリハビリが行われる。