サバプロが新木場コーストで“リベンジ”完遂「I believe in music！」

Survive Said The Prophetが昨日10月27日に東京・新木場STUDIO COASTで、東名阪ツアー「Inside Your Head Tour -this might be the last-」の最終公演を行った。

「Inside Your Head Tour -this might be the last-」は、2月から5月にかけて開催予定だった全国ツアー「Inside Your Head Tour」の一部公演が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったことを受けて実施が決まった“リベンジツアー“。最終公演の模様はStreaming+で生配信され、さらに「Inside Your Head Tour」を開催予定だった一部会場でパブリックビューイングとして中継された。バンドは1月にリリースした最新アルバム「Inside Your Head」の楽曲を中心にセットリストを構成し、熱量の高いパフォーマンスで目の前の観客も配信の視聴者も魅了した。

開演時刻を迎え、ステージに現れたのは「Inside Your Head Tour」で着用していたものと同じ、真っ白な衣装をまとったYosh（Vo）。彼はSE代わりに「Inside」を伸びやかに歌いあげ、“リベンジ”への気概を示した。ほどなくしてYoshと同じ真っ白な衣装を着たIvan（G）、Tatsuya（G）、Yudai（B, Scream）、Show（Dr）が登場。定位置に付いた5人は「Inside Your Head」収録曲の中でもバンドアンサンブルが印象的な「Your Head」を奏でた。アルバム制作過程の終盤に完成し、作品全体の雰囲気に大きな影響をおよぼしたこの2曲をオープニングに据えて、序盤からニューアルバムの世界観を打ち出した。

ライブの際に、それぞれの楽曲イメージに沿った環境音や効果音を演奏直前に流すことの多いSurvive Said The Prophet。彼らは車の排気音をきっかけに、Honda「シャトル」のテレビCMソングとしておなじみの人気曲「Right and Left」を披露した。Ivanがイントロのアルペジオをつま弾き始めると、観客は待ちわびていたかのようにクラップ。バンドはR&Bテイストのこの曲を軽やかに演奏して、多彩な音楽性を見せつけた。その後真っ赤な照明やサイレンの音などの不穏な演出を経て、5人は「Mukanjyo」を演奏。YudaiのヒリヒリとしたシャウトとYoshの気迫に満ちた歌声が重なり、場内にはエモーショナルなムードが漂った。

「Heroine」ではYoshに代わってステージ中央の台に乗ったTatsuyaがYudaiの膝に足を乗せながらギターをかき鳴らすというパフォーマンスを披露。さらにYudaiはフロアに向かってピックを投げて、観客を喜ばせた。MCではYoshがコロナ禍中に悩んでいたことを吐露。「僕の口からこの言葉が出るの初めてじゃないんですけどね、『あきらめるか』って言ったこともあった。けどライブに来てくれる、ライブを観てくれる人たちと今日を共有したい。生きるって楽しいって思いたい。だから音楽をもうちょっと信じてやってもいいですか！」という言葉に続けて彼が「 I believe in music！I believe in people！ I believe in Survive Said The Prophet！」と叫ぶと、5人はスケール感のある「S P I N E」を披露して観客を熱狂させた。

ライブ終盤には「Inside Your Head」に収録されているリアレンジバージョンの「red」が届けられた。曲名に沿った真っ赤な照明の下、メンバーは重厚な音色を紡いで場内にシリアスなムードを醸し出した。続く花火の音を導入にした「When I」では観客によるクラップ音がフロアに響きわたり、場内に一体感が生まれた。ここでコオロギの鳴き声が聞こえてきて、場内は夜の野外のような静謐な雰囲気に。Yoshは「まだ形はわからないけど俺らの武道館公演を作ろうと思います。みんなと一生のハピネスを一緒につかめたら」と今後の展望を語って、バンドは「3 A.M.」を穏やかに演奏した。

アンコールは新木場STUDIO COASTに来場した観客にのみ届けられた。サバプロは最後に明快なサウンドの「s t i l l b e l i e v e」、ハードコア調の「T R A N S l a t e d」というテイストの異なる2曲を披露してこのツアーの幕を下ろした。