布袋、RADも登場!「EMI ROCKS」豪華競演に2万人興奮
2010年11月10日 20:54
2 音楽ナタリー編集部
11月6日、埼玉・さいたまスーパーアリーナにてEMI Music Japanの設立50周年イベント「EMI ROCKS」が開催。事前発表されていた12組のほか、シークレットゲスト2組も加えた計14組が登場し、1日限りの競演を繰り広げた。
イベントは全アクトをオーディエンスが楽しめるように、1ステージ制で進行。ステージの両脇には巨大スクリーンが設置され、アリーナ席はオールスタンディング形式、会場内にフードコートが用意されるなど、フェスさながらの空間が作られた。
EMI Music Japan設立50周年記念オーディション「REVOLUTION ROCK」で選ばれた股下89が、オープニングアクトとして会場入りをするオーディエンスを出迎える形でイベントはスタート。開演時間になった瞬間、THE BEATLESの「Helter Skelter」とともにスクリーンに「EMI ROCKS」のラインナップが次々と映し出され、バラエティに富んだ出演者たちにオーディエンスは歓声を上げた。
期待と興奮が会場を渦巻く中、トップバッターを務めたのは出演者の中でも最若手の清竜人。山本タカシ(G)、Tokie(B)、ASA-CHANG(Dr)というおなじみのバンドメンバーを従え、芯ある歌声で「ぼくらはつながってるんだな」「ジョン・L・フライの嘘」を軽やかに歌い上げ観客のハートを掴む。最後に「痛いよ」を弾き語りで披露すると、「EMI Music Japanありがとうございました!」と感謝を告げ小走りでステージを去った。
続いて赤く染められたステージに、MASS OF THE FERMENTING DREGSが登場。宮本菜津子(Vo,B)の「せーのっ!!」の掛け声とともに爆音で「ゼロコンマ、色とりどりの世界」を鳴らし、会場の度肝を抜いた。耳をつんざくような轟音と宮本の透明感のあるハイトーンボイスが絡み合った「かくいうもの」「ひきずるビート」の後は、スリリングなインストナンバー「ベアーズ」へ。ステージ上の3人はエネルギーをぶつけ合うようなパフォーマンスを繰り広げ、その存在感をオーディエンスに刻みつけた。
Base Ball Bearはバンドの最新モードを見せるように、序盤は涼しげなポップナンバー「Transfer Girl」、刺激的なディスコチューン「十字架YOU and I」、トリッキーなアンサンブルが光る「kimino-me」を続けてプレイ。MCで小出祐介(Vo,G)はEMIとの馴れ初めを語り、「とても恵まれた環境で仕事させてもらってます。これからもよろしくお願いします」とコメント。その思いを表現するように、4人は「GIRL FRIEND」を丁寧に奏でた。
EMI Music Japanの“新人”雅-MIYAVI-は、普段のライブと同様にBOBO(54-71)と2人きりでステージに登場。他のアーティストとは異なるカラーの彼に最初は戸惑い気味だった観客だが、目の前で繰り広げられる超絶プレイにあっという間に釘付けに。BOBOとの一心同体さながらのセッションも絶好調で、「WHAT'S MY NAME?」「SURVIVE」と攻撃的なナンバーで会場を彩る。「FUTURISTIC LOVE」ではロングヘアーを振り乱し舞っていたかと思えば、突如スタンディングエリアに乱入。オーディエンスとハイタッチを交わしながら通路を練り歩き、強烈なインパクトを残した。
ロックカラーに染まった会場に新鮮な風を吹き込んだのは、HIFANAとFire Ball with Home Grown。HIFANAはアートワークやアニメーションとリアルタイムのプレイを融合させた映像をスクリーンで同期させながら、ギミックに富んだパフォーマンスを展開。途中で鎮座DOPENESSをゲストに招き入れ「出勤 / WAKE UP」も生披露し、会場を魅了した。一方Fire Ballは、「Zero」「Dreamer」などオーディエンスの心を鼓舞する熱いレゲエチューンを投下。さらに桂三枝のモノマネを交えたコール&レスポンスを繰り広げたり、タオル回しをあおったりとFire Ball流のパフォーマンスを見せつけた。
イベントが折り返し地点に入ったところで、スクリーンで新プロジェクト「寺子屋」の概要が発表。このプロジェクトはEMIのレコーディングスタジオ「studio TERRA」が、6月末に営業を終了したことを惜しんで立ち上げられたもの。ACIDMAN、the telephones、西川進、フジファブリック、ホリエアツシ(ストレイテナー)、RADWIMPS、吉井和哉が「寺子屋」名義でオリジナル楽曲「EMI」(えみ)を制作したことがアナウンスされると、オーディエンスは驚きと歓喜の声を上げた。なおこの曲は、11月10日より配信がスタートするのでチェックをお忘れなく。
サプライズ発表の後は「Special Secret Guest」の出番に。期待と緊張が入り交じった場内に現れたのは、白いスーツで決めた布袋寅泰。意外なゲストに会場は歓声で包まれ、スタンディングエリアの観客たちはこぞって前方へ移動する。1曲目の「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」でオーディエンスを熱狂させた布袋は笑顔で「EMIが50歳の誕生日ということで駆けつけました。BOφWY時代から25年の付き合いです。今日はいろんなアーティストと同じステージに立ててうれしいです」と喜びを表現。そこから続いたのは、「BAD FEELING」「バンビーナ」「POISON」「C'MON EVERYBODY」と世代を超えて愛される名曲たち。希代のギターヒーローの華麗なパフォーマンスに惜しみない拍手が贈られた。
スペシャルゲストの登場で熱気が高まった会場を、さらに加熱させたのは9mm Parabellum Bullet。「Discommunication」から始まった彼らのステージは、いつもより荒々しい演奏でさいたまスーパーアリーナをライブハウス化させる。その後も「Supernova」「Vampiregirl」とライブの定番が次々と披露され、時間が経つごとに狂乱が加速。息もつかせない怒涛のパフォーマンスで満員の観客を圧倒した。
タイムテーブル上では9mmの後はストレイテナーの出番だったが、転換中にステージの映像が映し出される。誰もが何事かとスクリーンに視線を向ける中、現れたのはRADWIMPSの野田洋次郎(Vo,G)と桑原彰(G)。アコースティックバージョンで「有心論」を披露した。オーディエンスは飛び入りのビッグゲストに驚きながらも、2人が紡ぐあたたかなサウンドスケープに耳を傾けた。
後半戦に突入したイベントを盛り上げたのは、ストレイテナーとACIDMANというロックバンド2組。ストレイテナーは新曲「VANISH」を含む、新旧の楽曲を織りまぜたバランスの良いセットリストを用意。終盤では新たなアレンジを施した「SIX DAY WONDER」で観客を惹きつけた後に、「Melodic Storm」でスタンディングエリアを揺らし、最後は「僕らがEMIに入った頃にやってた曲を」という紹介で「ROCKSTEADY」を高らかに鳴らした。またACIDMANは、バンドの持つ静と動の魅力を存分に伝えるパフォーマンスを展開。「CARVE WITH THE SENSE」「波、白く」という攻撃的な楽曲の後に、「赤橙」「ALMA」といった荘厳な雰囲気のナンバーを持ってくるなどコントラストを効かせる。オオキノブオ(Vo,G)はデビュー以来の付き合いとなるEMIに感謝を述べ、「ロックの力を信じて、みんなを信じていけば世界はもっと美しくなると思います」と力強く語った。
悲鳴のような歓声に迎えられたのは東京事変。ライブ初披露となる「天国へようこそ」で観客の心を鷲掴みにすると、間髪入れずに2曲目「OSCA」を演奏。この曲では、椎名林檎(Vo)の妖艶な声がスピーカーから響いただけで狂騒に拍車がかかり、拡声器を手にした林檎が「ようこそいらっしゃいました。東京事変です」と挨拶をすると黄色い悲鳴がこだました。ステージ上のメンバーたちはスリリングなアンサンブルを聴かせる「FOUL」を演奏したかと思えば、「ドーパミント!」「キラーチューン」とコケティッシュな魅力を全開にした楽曲をプレイ。振り幅の広さを見せつけるパフォーマンスに、観客は魅了され続けた。
イベントのトリを務めたのは吉井和哉。サングラスをかけ、首にEMIの文字を刻んだ彼は、レーベルの大先輩ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」を色っぽく歌いながら登場。予想外の1曲目は観客に大受けだった。2曲目ではいきなり新曲が披露され、艶美な雰囲気でオーディエンスを掌握していく。トリプルギターの妙が光った「ヘヴンリー」の後は「お客さんが残っていて良かったです(笑)」と自虐的に言いつつ、「こんなすごいバンドが集う、誇り高きロックレーベルEMIのイベントの最後にやらせてもらってうれしいです」と喜びを表した。
さらにEMIからリリースされたソロデビュー曲「TALI」の熱唱中には「EMI最高!」と叫び、所属レーベルへの思いを吐露した。そして「PHOENIX」を経て、ラストナンバーを飾ったのは「ビルマニア」。全身全霊で歌う吉井に、笑顔を浮かべるオーディエンスたち。その光景は約8時間におよんだイベントの成功を物語っていた。さらに終演後のスクリーンには「See You Next Year」の予告文字が。次回はどんな内容になるのか、期待を抱かせる形で第1回目の「EMI ROCKS」はフィナーレを迎えた。
松葉杖のような存在 (まつばくん!) @matsubakun2209
ちなみに僕はBOØWYも布袋さんソロも通ってないのですが、この日に完全にシークレットで突然目の前でライブをやってくれた布袋寅泰の凄さに衝撃受けすぎて、布袋寅泰はいいぞ&POISONはいいぞおじさんとなりました
https://t.co/ZkIjtR7GSr