三月のパンタシアは2018年8月よりボーカルのみあが書き下ろす小説、さまざまなクリエイター陣が手がける楽曲、イラストレーターのダイスケリチャードによるイラストを連動させた企画「ガールズブルー」を展開中。9月には小説をもとに生まれたさまざまな楽曲が詰まった最新アルバム「ブルーポップは鳴りやまない」をリリースした。オンラインライブはリリックビデオをつないだアニメーションを経て、このアルバムのリード曲「サマーグラビティ」でスタート。みあはバンドメンバーが奏でる疾走感のあるサウンドに乗せて、ポップ性を重視したアルバムを象徴するようなこの曲をさわやかに歌い上げた。みあは「今夜だけの、秘密の夜を過ごしましょう」と特別な一夜の始まりを告げると、小説「8時33分、夏がまた輝く」の主題歌「いつか天使になって あるいは青い鳥になって アダムとイブになって ありえないなら」へとつなげる。曲中には映像に重なるように天使の羽が舞ったり、歌詞が表示されたりと、オンラインライブならではの演出が盛り込まれた。さらに続いたのは、「8時33分、夏がまた輝く」のもう1つの主題歌「恋はキライだ」。視聴者の熱い視線を画面越しに浴びながら、みあはノスタルジックなメロディに乗せて、切ない夏の終わりの恋を歌い上げた。
ステージ上で飛び跳ねながら「パステルレイン」を軽快に歌い、みあは一度ステージをあとにする。その間も続くバンドメンバーのテクニカルな演奏に視聴者が夢中になっていると、画面の映像が突然幻想的なライトが広がるプールサイドへと切り替わった。美しい光景の中、みあは儚げなウイスパーボイスが印象的な「ミッドナイトブルー」で浮遊感のある世界観を紡いでいく。「群青世界」ではプールサイドで歌う彼女の姿をカメラがさまざまな角度から捉え、臨場感をあふれる映像が映し出された。ステージだけではなく会場の外も使用したオンラインライブならではのアイデアに、チャット欄は大盛り上がり。再びステージに戻ったみあは鮮やかなサウンドが広がる「逆さまのLady」を晴れやかに歌い上げた。
ここでみあが「コメントが見られるということで、ちょっと見てみます」とタブレットを手に。チャット欄を流れるコメントの速さに驚きつつも、「衣装かわいい」「演出に感動です」といった視聴者の楽しげなコメントに「この調子でみんなで遊びましょうね」と声を弾ませた。その後、みあは温かな愛情に満ちた「たべてあげる」をたおやかに歌唱。レーザーライトに彩られながら「透明色」、そして実写の街並みをバックに「煙」とギターロックチューンを続けて披露した。ジャジーなナンバー「不揃いな脈拍」では、みあが闇に電球の明かりのみが浮かぶ客席のソファーエリアに移動。ソファーやスタンドマイクを使用しながら、報われない恋をつややかに歌い上げた。そのままみあがソファーエリアでゆっくりと歌い始めたのはバラード曲「青い雨は降りやまない」。最新アルバムにはさまざまなジャンルの楽曲がそろっているが、異なる世界観を見事に歌で表現するみあに、チャット欄は驚きや感激のコメントでにぎわった。
ステージに戻ったみあが「ここまで今夜だけの私とあなたの物語を紡いできましたが、いかがですか?」と問いかけると、チャット欄には「最高!」という文字が次々と流れていく。そして「もっと汗を流してもらいますが、いいですか?」という言葉の通り、みあとバンドメンバーは勢いをつけてラストスパートを駆け抜けていくように代表曲の1つ「青春なんていらないわ」をパフォーマンスした。卒業を控えた少女たちの姿を描いた「醒めないで、青春」では画面上を桜の花びらが鮮やかに舞う。春の世界観が深まっていく中、さらに彼女たちは「三月がずっと続けばいい」を続け、季節にちなんだ楽曲が多い三月のパンタシアならではのセットリストで視聴者を喜ばせた。
ライブ終盤、みあは「今年は新型コロナウイルスの影響で、世界中に予想だにしなかった事態が起きて。もともと明日の行方なんて何もわからないような世の中ではあったと思うんですけど、さらに未来が暗闇に覆われてしまったというか……」と今年の状況に言及する。そして「不安に思ったり、孤独を感じたり、寂しいなと思ったり、そういうことをそれぞれが抱えながら生きていく毎日の中で、じゃあ今三月のパンタシアとして何を伝えたいのか、何を届けたいのかと改めて向き合ったときに、1人ひとりがそれぞれ抱えているブルーな気分に寄り添えるようなものが作りたいなと思って、アルバム『ブルーポップは鳴りやまない』を制作しました。その音楽たちを今日こういった形で特別な距離感の中で届けられたことを本当にうれしく思います」と喜びを語った。「この夜の輝きで私たちはちゃんとつながれているから大丈夫です。大丈夫。私がちゃんと守るので」と頼もしい言葉を視聴者にかけ、みあが歌い始めたのはリスナーへの思いを自らの言葉で紡ぎ上げた「ランデヴー」。ファンとの物語が詰まったこの曲でチャット欄に“シンガロング”を巻き起こし、画面越しでも確かにオーディエンスと心を1つにして初のオンラインライブを締めくくった。
関連する特集・インタビュー
三月のパンタシア「三月のパンタシア LIVE 2020『ブルーポップは鳴りやまない』」2020年10月23日 セットリスト
01. サマーグラビティ
02. いつか天使になって あるいは青い鳥になって アダムとイブになって ありえないなら
03. 恋はキライだ
04. パステルレイン
05. ミッドナイトブルー
06. 群青世界
07. 逆さまのLady
08. たべてあげる
09. 透明色
10. 煙
11. 不揃いな脈拍
12. 青い雨は降りやまない
13. 青春なんていらないわ
14. 醒めないで、青春
15. 三月がずっと続けばいい
16. ランデヴー
リンク
すばじょ~ぐぅ~。咲いてから 散りきる時まで 桜かな。 @udonmarunomi
@3_phantasia お疲れさまでした!
昨夜のライブの記事がありました。
https://t.co/X8e5vH2BIb