欅坂46が昨日10月12日、本日13日の2日間にわたって無観客ワンマンライブ「欅坂46 THE LAST LIVE」を開催し、本日2日目のステージをもって欅坂46としての活動に終止符を打った。
2015年8月21日に結成され、2016年4月に1stシングル「サイレントマジョリティー」で鮮烈なデビューを果たした欅坂46。彼女たちは本日のライブで約5年におよんだ欅坂46としての活動を終え、
待機画面から会場の東京・国立代々木競技場第一体育館へと画面が切り替わると、ステージを遠くに見据える門が映し出された。いくつものスポットライトがステージへと誘うようにまっすぐ連なり、欅坂46のメンバーは門をくぐってゆっくりステージへと向かう。「ラストー! ブチ上がれー!!」という小林由依のシャウトから、1曲目に披露されたのは「危なっかしい計画」。「サイレントマジョリティー」で始まった前日のシリアスな幕開けから一転、笑顔満面のオープニングとなった。そしてキャプテン菅井友香の「ラストライブ2日目、まだまだ楽しみましょう!」という呼びかけから、2曲目の「手を繋いで帰ろうか」へ。曲中、菅井と副キャプテンの守屋茜がステージを飛び出すと、観客のいないフロアにはテーブルやバス停、ベンチなど街並みのオブジェが置かれており、菅井と守屋はフロアを移動しながら楽曲のストーリーを演じる。広い空間を駆け回ったり、ミニカートに乗って移動したりと、無観客の会場を有効に使った演出で視聴者を楽しませた。
場面が暗転すると、小池美波が1人ステージに立ち、背後には小池の5年間を追ったドキュメンタリー映像が流れる。この演出は前日に続いてのもので、1期生メンバーを1人ずつフィーチャーした映像が公演中随所に盛り込まれた。小池がステージを降りて移動すると、そこには「二人セゾン」の陣形で構えるメンバーが。フロアを広く使ったダンスフォーメーションが披露された「二人セゾン」では、平手友梨奈からセンターを引き継いだ小池が力強いソロダンスで物語の主人公を見事に演じた。続く「太陽は見上げる人を選ばない」では新2期生も合流。頭上のミラーボールが激しい光を放つ中、メンバーが歌い踊るフロアにはプロジェクションマッピングによる映像が映し出された。原田葵のドキュメンタリー映像では、初々しく話す15歳の原田と、ステージに立つ20歳の原田の凛とした表情が重なる。1人立つ原田の後ろに小池と森田ひかるが現れ、ほかのメンバーも合流したところで「制服と太陽」へ。守屋がセンターを務める「世界には愛しかない」では青空の映像をバックにさわやかなパフォーマンスが繰り広げられた。
尾関梨香のドキュメンタリー映像に続けて披露されたのは、尾関、小池、齋藤冬優花、松平璃子、山崎天の5人によるユニット曲「コンセントレーション」。さらに菅井、守屋、渡邉理佐、田村保乃、松田里奈による「Deadline」と、10月7日発売のベストアルバム「永遠より長い一瞬 ~あの頃、確かに存在した私たち~」に収められた新曲が並ぶ。その後、2期生加入時の映像が流れると、田村、松田、松平、森田、山崎、井上梨名、関有美子、武元唯衣、藤吉夏鈴の2期生9人はフロアの真ん中で手をつないで円になり、1期生の待つステージへと移動。ステージ前に設置された噴水が豪快な水しぶきを上げる中、同じくベストアルバムに収録されている新曲「10月のプールに飛び込んだ」を披露した。場内が暗転するとムードは一変、重いビートに乗せてフロア上に浮かぶ円形のライトが激しい光を放ち、ベストアルバム収録の新曲「砂塵」へ。欅坂46は砂塵を思わせるスモークの中で激しいダンスを踊った。
カラフルにライティングされた噴水がワルツに乗せて華やかに噴き上がるステージ演出を挟み、ライブは後半戦へ。カメラが噴水の向こうに立つメンバーを捉え、枯れ葉を吹き飛ばす小林のアップから「風に吹かれても」へとつながる。この曲ではセンターに立つ小林がフライングを披露して視聴者を驚かせた。続く「アンビバレント」では床一面のプロジェクションマッピングと激しいレーザービームがアリーナを非現実な空間へと塗り替える。そしてオープニングに登場した門が再び開くと、怪しい雰囲気を漂わせた多数のダンサーが登場。そこに白いロングスリーブTシャツ姿のメンバーが現れ、一斉にジャケットを羽織ると、横並びに立つダンサーと対峙。胸ぐらをつかむ激しい争いから「ガラスを割れ!」へと展開し、フロアのあちこちで火柱が上がる中、ダンサーとの派手なバトルを繰り広げた。激しい爆発音と共に場内は暗転し、副キャプテン守屋のドキュメンタリー映像に続いて披露されたのは、新曲「誰がその鐘を鳴らすのか?」。噴水をバックに髪を振り乱し歌う情熱的なパフォーマンスで、欅坂46のグループとしての個性を強く印象付けた。
最後にキャプテン菅井のドキュメンタリー映像が流れ、画面にはスポットライトを浴びて1人立つ菅井の表情が映し出される。続いてメンバー1人ひとりが菅井の肩を叩きながら登場し、横1列に並んだところで、菅井はグループを代表して画面の向こうのファンに挨拶。「今、改めて欅坂46でよかったなと思っています。この5年間でいつの間にか当たり前の存在になって、人生の一部になった欅坂46と本当についにお別れすることになるんだなと思っています。永遠ってないのかなと改めて思って……だからこそ、欅坂46がいかにかけがえのない存在だったのか、このチームの皆さん、応援して下さる皆さん、そしてメンバーのみんながどれだけ大切だったのかなと感じています」と、まもなく終わってしまう欅坂46としての5年間を噛みしめながら、菅井は「何より欅坂46の素敵な楽曲や歌詞にいろんなことを教えてもらったなと思っています。私たちだからこそできる世界があるのかなって、だんだんとそんな欅坂46のことを誇りに思うようになって、どんなに醜くても苦しくても自分たちらしくいていいんだって教えてくれたのは欅坂46でした。皆さんとの思い出を決して忘れません。欅坂46がなくなっても、皆さんの心の中で欅坂46の楽曲や私たちがたくさん作ってきた作品が生き続けてくれたらうれしいです。どんなときもキラッキラの緑のペンライトで道を作ってくださりありがとうございました。そして欅坂に出会ってくださって応援してくださって本当にありがとうございました」と、欅坂46というグループへの愛情、そしてファンへのメッセージを伝えた。
「次の曲で本当にラストの曲になります。5年間支えてくださった皆様応援してくださったすべての皆様に感謝の気持ちを込めて精一杯届けたいと思います。私たち欅坂46はこの曲で幕を閉じます」と挨拶を締めくくった菅井は、「2016年4月6日この曲で坂を登り始めました。聴いてください」と、最後に歌う曲のタイトルを告げる。欅坂46の出発点にして、グループを象徴する楽曲となった「サイレントマジョリティー」だ。デビュー時の衣装を着てステージに立った欅坂46は、渾身のパフォーマンスでその歴史に幕を下ろした。息の荒い呼吸が生々しく響く中、無言でゆっくり、まっすぐ縦1列に並んでステージを去るメンバー。「欅坂46が大好きです。皆さんとのこの5年間はずっとずっと宝物です。本当にありがとうございました。以上、欅坂46でした!」と最後の挨拶が終わると、荘厳なオーケストラアレンジの「サイレントマジョリティー」に乗せて、床一面のプロジェクションマッピングでエンドロールが流れた。ときおり聞こえるメンバーのすすり泣く声には、欅坂46の歴史が終わるさびしさと、5年間を駆け抜けた達成感が感じられた。
エンドロールの余韻も束の間、怪しく鳴り響く鼓動の音に続いて、欅坂46が櫻坂46へと生まれ変わったことを知らせる映像が流れたかと思うと、今度は聴き慣れない楽曲のイントロが流れ出す。するとステージの奥から白い衣装を着た櫻坂46のメンバーが現れ、1stシングルになるという初のオリジナル楽曲「Nobody's fault」が唐突に披露された。作詞に秋元康、作曲にデレク・ターナー、編曲に野中“まさ“雄一という布陣で制作されたこの楽曲では、森田がセンターに立ち、生まれ変わったグループの新たな姿を表現した。初のパフォーマンスを終えた櫻坂46がステージを降り、このライブにたびたび登場した門へと向かうと、そこには白い花びらを満開に咲かせた桜の木がそびえ立っていた。
櫻坂46の1stシングル「Nobody's fault」は12月9日にリリースされる。
欅坂46 THE LAST LIVE セットリスト
2020年10月12日
SE:OVERTURE
01. サイレントマジョリティー
02. 大人は信じてくれない
03. エキセントリック
04. 語るなら未来を…
05. 月曜日の朝、スカートを切られた
06. Student Dance
07. カレイドスコープ
08. 渋谷川
09. I'm out
10. Nobody
11. 東京タワーはどこから見える?
12. 避雷針
13. 不協和音
14. キミガイナイ
15. 君をもう探さない
16. もう森へ帰ろうか?
17. 黒い羊
2020年10月13日
SE:OVERTURE
01. 危なっかしい計画
02. 手を繋いで帰ろうか
03. 二人セゾン
04. 太陽は見上げる人を選ばない
05. 制服と太陽
06. 世界には愛しかない
07. コンセントレーション
08. Deadline
09. 10月のプールに飛び込んだ
10. 砂塵
11. 風に吹かれても
12. アンビバレント
13. ガラスを割れ!
14. 誰がその鐘を鳴らすのか?
15. サイレントマジョリティー
櫻坂46
01. Nobody's fault
※山崎天の「崎」はたつさきが正式表記。
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