9月にバンド初のセルフカバーアルバム「Dress up」を発表したTHE PINBALLS。レコ発はアコースティックを基調としたカバーアルバムのコンセプトに合わせ、兵庫・クラブ月世界と神奈川・MOTION BLUE YOKOHAMAというという趣のある2会場で行われた。この記事では神奈川公演の第1部の模様をレポートする。
今回の公演ではPINSの4人に加え、アルバムと同じくサポートメンバーを迎えてパフォーマンスが繰り広げられた。まずは森秀輝(Per)とfurani(Key)の2人がステージに登場するとセッションがスタート。そこからPINSのメンバーが1人ずつ加わっていき、全員がそろうと、そのままシームレスに「欠ける月ワンダーランド」の演奏へと突入した。原曲の力強さも感じられる「劇場支配人のテーマ」披露後、古川貴之(Vo, G)は「すごくきれいな会場で、バンドを組みたくてしょうがなかったときのことを思い出して。こんな夢のような空間でライブができてうれしいです」とMOTION BLUE YOKOHAMAの雰囲気を満喫している様子だった。
中盤に入ると、PINSはさらにゲストを加えてパフォーマンスを展開。「悪魔は隣のテーブルに」「299792458」では薗田佳輝(Sax)が参加し、伸びやかなサックスの音色で楽曲をムーディに彩った。古川が長年リスペクトを寄せるバンド・Oasis「Wonderwall」のカバーからは、薗田と入れ替わる形でemyu:(Violin)が登場。「毒蛇のロックンロール」では彼女と中屋智裕(G)が熱い掛け合いを繰り広げ、フロアのテンションを一気に高めていった。そんな中「アダムの肋骨」からは石原天(Dr)が演奏楽器をカホンに変更し、パーカッシブなサウンドでバンドをリード。さらに森下拓貴(B)はこの曲の途中で弦を切ってしまうほど、力強いビートを刻んで見せた。
そして本編最後のナンバー「ワンダーソング」ではPINSの4人のみがステージに残り、柔らかなアコースティックギターの音色を前面に押し出したアコースティックスタイルで演奏。アンコールでは古川1人による「片目のウィリー」の弾き語り、サポートメンバー全員を迎えての「あなたが眠る惑星」とこの日ならではの編成で演奏を届け、「Dress up」の魅力あふれるライブをにぎやかに締めくくった。
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THE PINBALLS「Acoustic session Live "Dress up 2 You"」2020年10月3日 MOTION BLUE YOKOHAMA セットリスト
01. 欠ける月ワンダーランド
02. 劇場支配人のテーマ
03. 沈んだ塔
04. DUSK
05. 悪魔は隣のテーブルに
06. 299792458
07. Wonderwall(オリジナル:Oasis)
08. way of 春風
09. 毒蛇のロックンロール
10. アダムの肋骨
11. ワンダーソング
<アンコール>
12. 片目のウィリー
13. あなたが眠る惑星
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THE PINBALLS、“夢のような空間”MOTION BLUEで「Dress up」サウンドを再現 https://t.co/UX2IgY36hd