このイベントは「音を鳴らさずにいられなかったロックバンドたちの派手すぎる生存確認」というコンセプトのもと、ユニゾンと親交の深い
開演前にはこの日のMC兼DJを務めた落合健太郎(FM802「ROCK KIDS 802」)の選曲により、ユニゾンのさまざまな楽曲が流れる。チャット欄には各曲について思い思いに語り合うファンのコメントがあふれた。
落合のオープニングトークに続き、トップバッターを務めたのは東京スカパラダイスオーケストラ。1曲目にはユニゾンのトリビュートアルバム「Thank you, ROCK BANDS! ~UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Album~」でも演奏した「桜のあと(all quartets lead to the?)」を軽やかに奏でる。谷中敦(B.Sax)は「大好きなUNISON SQUARE GARDENのイベントに呼んでもらって本当にうれしいです!」と笑顔を見せた。茂木欣一(Dr)は親交の深いユニゾンの鈴木貴雄(Dr)とのLINEでのやり取りを明かして「貴雄と、視聴している皆さんにこの曲を捧げます」と語り、自身がボーカルを務める「銀河と迷路」を披露。沖祐市(Key)のエモーショナルなピアノが印象的な「水琴窟-SUIKINKUTSU-」に続いてはユニゾンの斎藤宏介(Vo, G)がステージに登場し、斎藤がゲストボーカルを務めたシングル曲「白と黒のモントゥーノ feat.斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)」をパフォーマンス。ラストは「DOWN BEAT STOMP」を華やかにプレイした。
次に登場したフレデリックはオープニングナンバー「オドループ」をはじめとした、ダンサブルな楽曲が中心のセットリストを用意。三原健司(Vo, G)は「30分1本勝負、よろしくお願いします!」と挨拶をしたあと、ハンドマイクで「シンセンス」を歌唱。カメラに向かって身振り手振りを交えて熱唱して視聴者を楽しませた。艶のあるサウンドと軽やかなビートが印象的な「真っ赤なCAR」、新曲「Wake Me Up」の演奏を経て、健司は「フレデリック、遊びきったので帰宅しまーす!」と宣言。チャット欄には「帰らないでー!」という言葉が並ぶも、バンドは踊るようなベースラインの「KITAKU BEATS」を披露して颯爽とステージをあとにした。
「fun time RADIO」最初のトークパートでは落合による進行のもと、ユニゾンの3人が賑やかにトークを展開。7組のゲストバンドとの関係性を明かしたりエピソードを披露したりと、今回の生配信ライブがより楽しめるような話題に花を咲かせた。最後に3人はFM802「ROCK KIDS 802」の番組内で事前に募集したメッセージやファンから寄せられた悩み相談に真剣に回答して、次のライブアクトへつなげた。
続くパスピエのライブは「つくり囃子」のトリッキーなサウンドで幕開け。ステージをゆらゆらと漂いつつ幻想的なボーカルを響かせる大胡田なつき(Vo)の姿を、さまざまな角度のカメラが捉えた。8月にリリースした最新デジタルシングル「SYNTHESIZE」を披露すると、大胡田は会場を見渡しつつ「今日のこの楽しさを画面の向こうの皆さんにも伝えられるように」と笑顔で話した。「トーキョーシティ・アンダーグラウンド」の軽やかなビート、「まだら」の不穏な空気を届けたあとはユニゾンのトリビュートアルバムから「場違いハミングバード」をパフォーマンス。最後は「トキノワ」で壮大なアンサンブルを展開した。
ユニゾンと長い付き合いであるBIGMAMAのライブは、人気曲「荒狂曲"シンセカイ"」でスタート。バンドは序盤からアグレッシブなパフォーマンスを見せつけたあと、メジャーデビュー曲「Strawberry Feels」、新曲「The Naked King」など、新旧の楽曲をプレイした。ハイライトとなったのはユニゾンの楽曲「ライドオンタイム」のカバー。バイオリンの音色が加わり華やかにアレンジされたメロディが画面越しに届けられた。最後にバンドは、金井政人(Vo, G)による「画面の前の特別なあなたに。特別なスリーピースバンドに」という前置きから、"あなたにとってスペシャルな存在でありたい"という思いが込められている楽曲「SPECIALS」を丁寧に奏でた。
2回目のトークコーナーは前半パートにスカパラから茂木、フレデリックから三原康司(B)、ユニゾンから鈴木が、後半パートにパスピエから成田ハネダ(Key)、BIGMAMAから柿沼広也(G)、ユニゾンから斎藤が登場し、互いのステージなどについてのトークなどを展開。鈴木がスカパラとフレデリックに「生きてその場でライブをやってくれている喜びがすごい」と感謝を述べると、茂木はライブ中に向かいのステージにいたフレデリックが「踊りながら観てくれていた」と喜ぶ。三原康司も「あの演奏を聴いてたら踊るしかないですよ」と笑顔を見せた。後半では斎藤の「めちゃくちゃよかった!」というライブの感想に、成田は「このあとは超楽しめるから!」と出番を終えてホッとした表情を浮かべる。一方、柿沼はトリビュートアルバムの楽曲「MR.アンディ」ではなく「ライドオンタイム」を演奏した理由を「ユニゾンのみんなにツッコまれたいというだけ(笑)」と明かしていた。
ひときわ激しいライブパフォーマンスと巧みな演奏技術で視聴者を圧倒していたのは9mm Parabellum Bullet。3曲目にセレクトされた「Vampiregirl」は9mmのトリビュートアルバム「CHAOSMOLOGY」にユニゾンによるカバーバージョンが収録されている曲で、菅原はそのカバーバージョンに合わせて「アタマからっぽにしなくちゃ」と歌詞を歌い替えてチャット欄を沸かせた。MCでは菅原がユニゾンについて「アイデアを本当にたくさん持っていて、それを実現するために決して手を緩めないバンドだと思います」と称賛。そしてバンドは新曲「白夜の日々」からラストナンバー「Punishment」まで一気に畳みかけ、約30分のステージを駆け抜けた。
a flood of circleは「おはようございます!」という佐々木亮介(Vo, G)の挨拶から「美しい悪夢」を色気たっぷりに聴かせる。「Dancing Zombiez」で強力なビートを響かせたあとは、10月21日リリースのニューアルバム「2020」からアグレッシブな「Beast Mode」、アオキテツ(G)の高速カッティングが冴える「ヴァイタル・サインズ」を披露し、オーディエンスを沸かせた。哀切なメロディが印象的な「ミッドナイト・クローラー」に続き、佐々木が「サンキュー、ユニゾン!」と叫んだあとはトリビュートアルバムでも演奏した「フルカラープログラム」をパフォーマンス。最後は「俺たちとユニゾンと、あんたたちの明日に捧げます」という佐々木の言葉のあと「シーガル」で締めくくられた。
3回目のトークパートには9mmから菅原、ユニゾンから田淵、a flood of circleから佐々木が参加。菅原と佐々木がライブの感想を語り、このあとにパフォーマンスが控えている田淵は「ど緊張してます」と心境を吐露した。またこのトークパートまでに行われたライブの感想を問われた田淵は「バンドって生きてるじゃん。やったぜ!」と今回の生配信ライブのコンセプトになぞらえてゲストバンドの“生存確認”ができたことを喜んだ。
3人による和やかなトークのあと、THE BACK HORNの1曲目「心臓が止まるまでは」のシリアスなサウンドで空気は一転した。松田晋二(Dr)は今回のイベントから「音楽の火を絶やさない」というユニゾンの3人の思いを感じたと話す。山田将司(Vo, G)は「俺らはこうやって先にライブハウスで演奏してますけど、いずれ一緒に楽しめることを願っています」と視聴者に語りかけ「瑠璃色のキャンバス」を熱唱。その後は「ハナレバナレ」のスリリングなサウンドを届け、「コバルトブルー」をアグレッシブにプレイ。最後の「刃」では山田がステージを捉えるあらゆるカメラに鋭い視線を飛ばし、視聴者に臨場感をもたらした。
トリを飾るユニゾンのライブ直前、最後のトークパートを繰り広げたのは落合とBIGMAMAの金井、そしてTHE BACK HORNの菅波栄純(G)。菅波はユニゾンやBIGMAMA、9mmがデビューした当時を「先輩の気持ちとしては『やめてくれよ』と思いました(笑)。そのときに聴きたいロックバンドの音の正解を出していた」と振り返る。金井は「今はどうしても元々のファンにしか曲を届けるチャンスがないので、今日みたいな日を作ってくれることがどれだけ有意義なことか」と、今回の出演に感謝を明かした。
オーガナイザーのユニゾンは「Invisible Sensation」でライブを始め、大サビでは斎藤が今回のライブのテーマを叫ぶように「生きてほしい!」と声を上げる。さらにインディーズ時代の楽曲「カラクリカルカレ」が演奏されると、チャット欄には予想外の選曲に驚きの声が並ぶ。その後は9月30日リリースのニューアルバム「Patrick Vegee」から、先日ミュージックビデオが公開されて話題を呼んでいた「世界はファンシー」を披露。ユニゾンならではの演奏力と遊び心が共存する楽曲でファンを大いに喜ばせた。「kid,I like quartet」では田淵がステージを飛び出し、フロアの階段を昇るひと幕も。最後は「シュガーソングとビターステップ」に乗せてラジオ番組さながらに落合が軽快なエンディングトークを届け、5時間にわたるイベントを締めくくった。
7月から9月まで3カ月連続の生配信ライブを終えたユニゾンは、10月から12月まで全26公演の全国ツアー「UNISON SQUARE GARDEN LIVE TOUR『USG 2020”LIVE(on the)SEAT”』」を行う。チケット詳細はオフィシャルサイトで確認を。なお本日9月22日(火)21:00から放送の「ROCK KIDS 802」では、ライブ終了直後のユニゾンの3人へのインタビューがオンエアされる。
関連する特集・インタビュー
「UNISON SQUARE GARDEN presents『fun time HOLIDAY ONLINE』」2020年9月19日 新木場STUDIO COAST セットリスト
東京スカパラダイスオーケストラ
- 桜のあと(all quartets lead to the?)
- 5 days of TEQUILA
- Paradise Has No Border
- 銀河と迷路
- 水琴窟-SUIKINKUTSU-
- 白と黒のモントゥーノ feat. 斎藤宏介(
UNISON SQUARE GARDEN) - DOWN BEAT STOMP
フレデリック
- オドループ
- シンセンス
- 逃避行
- 真っ赤なCAR
- Wake Me Up
- KITAKU BEATS
パスピエ
- つくり囃子
- SYNTHESIZE
- トーキョーシティ・アンダーグラウンド
- まだら
- 場違いハミングバード
- トキノワ
BIGMAMA
- 荒狂曲“シンセカイ”
- Strawberry Feels
- セントライト
- ライドオンタイム
- The Naked King
- CRYSTAL CLEAR
- SPECIALS
9mm Parabellum Bullet
- ロング・グッドバイ
- 名もなきヒーロー
- Vampiregirl
- 白夜の日々
- 新しい光
- Talking Machine
- Punishment
a flood of circle
- 美しい悪夢
- Dancing Zombiez
- Beast Mode
- ヴァイタル・サインズ
- ミッドナイト・クローラー
- フルカラープログラム
- シーガル
THE BACK HORN
- 心臓が止まるまでは
- 罠
- 瑠璃色のキャンバス
- ハナレバナレ
- コバルトブルー
- 刃
UNISON SQUARE GARDEN
- Invisible Sensation
- さよならサマータイムマシン
- Phantom Joke
- カラクリカルカレ
- 世界はファンシー
- kid,I like quartet
- シュガーソングとビターステップ
FM802「ROCK KIDS 802」
2020年9月22日(火)21:00~23:48
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TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA🎺 @tokyoskaj
【ライブレポート】ユニゾン主催ライブでスカパラ、BIGMAMA、9mm、バクホンら豪華ゲスト7組が“生存確認”(写真15枚) https://t.co/pSiOfeYgfN