この公演は、スカートが今年で自主レーベル・カチュカサウンズ時代から数えてCDデビュー10周年を迎えたことを記念して開催されたもの。当初は4月11日開催の予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により公演の延期がアナウンスされていた。収容人数の調整など感染症対策を講じたうえで昼夜2部制となった振替公演では、夜公演のみライブ配信を実施。会場に集まった観客だけでなく、全国のファンがスカートのデビュー10周年を祝った。
この日のオープニングを飾ったのは臼山田洋オーケストラによるDJプレイ。彼は約1時間の持ち時間でリラックスしたムードを演出し、会場に集まった観客を出迎えた。臼山田洋オーケストラが夏木マリ「ローマを見てから、死ね」を流し終えると同時に、澤部渡(Vo, G)が1人でステージに登場。澤部はギターを手に取ると、約10年前の2010年12月発表の1stアルバム「エス・オー・エス」のオープニングナンバー「ハル」の弾き語りからライブをスタートさせた。その後は佐久間裕太(Dr)、佐藤優介(Key /
ライブ中盤のMCでは、澤部が12月にニューアルバム「アナザー・ストーリー」をリリースすることを発表。「我々今年でデビュー10周年なんですけど、自主レーベルから出した4枚のアルバムは全部自分で資金を出して作った作品なんです。それぞれにそのときにしかできない、例えば勢い重視の録音だとか、はたまた勢い重視の録音だとか、またあるときは勢い重視の録音っていうのを繰り返していまして。素晴らしい録音環境がそろった今、改めて昔の曲を演奏したらどうなるのか?みたいなことに興味があってアルバムを作っております。発売日は12月16日。これはなぜかというと最初のアルバム『エス・オー・エス』が出たのが2010年12月15日で、10周年でちょうど具合がいいやということでこの日になりました」と述べると、会場は温かい拍手に包まれた。澤部は「昔の曲をやらせてください」と話して、活動初期の楽曲「魔女」でライブを再開。口笛を交えつつ、伸びやかな歌声をファンに届けた。スカートはライブ終盤に、サッポロビール「第96回箱根駅伝用オリジナルCM」の年始特別バージョンのCMソングとして書き下ろした「駆ける」やダンサブルな「回想」、そして本公演のタイトル曲「月光密造の夜」を演奏し、ステージをあとにした。
アンコールを受けて再び登場したスカートは、カクバリズムのオンラインショップ限定で販売中のマンガ家・西村ツチカのイラストを使用したTシャツとどんぶりを紹介。澤部が2017年のポニーキャニオン所属を振り返り「メジャーデビューすると資本が付くじゃないですか。そうすると手形押し会とかもできるし、グッズはメジャー関係ないけど、どんぶりも作れるんだっていう。昔からの夢だったんです(笑)」と冗談交じりに話すと、佐久間が「10周年を機に夢を1個叶えたな。メジャー行ってどんぶり作りたいっていう夢を。これからもどんどん夢を叶えていこう」と返して会場の笑いを誘った。アンコールでは4月に公演が行われていれば本編ラストに演奏予定だったという「遠い春」と、ニューアルバム「アナザー・ストーリー」には収録されない初期曲「ポップソング」の2曲を届けた。それでもダブルアンコールを求める拍手はやまず、スカートはみたびステージへ。最後は「(ダブルアンコールは)やらないつもりでした(笑)。この曲で最後になります。またいつかライブハウスでもホールでもインターネット上でも、“会う”という表現が合っているかはわからないですけど、皆さんの前にお目にかかれればと思っております」と話したのち、「返信」をパフォーマンスしてこの日の公演の幕を降した。
なお配信チケットは9月20日21:00までチケットぴあで販売されており、購入者は同日23:59までアーカイブを視聴できる。
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スカート10周年記念公演 “真説・月光密造の夜”(※夜公演)2020年9月4日 日本橋三井ホール セットリスト
01. ハル
02. ゴウスツ
03. 静かな夜がいい
04. 視界良好
05. トワイライト
06. 君がいるなら
07. ストーリーテラーになりたい
08. 月の器
09. 魔女
10. ずっとつづく
11. ラジオのように
12. CALL
13. ストーリー
14. 駆ける
15. 回想
16. 月光密造の夜
<アンコール>
17. 遠い春
18. ポップソング
<ダブルアンコール>
19. 返信
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【ライブレポート】スカート、全国に珠玉のポップソング届けたデビュー10周年公演「真説・月光密造の夜」(写真6枚) https://t.co/kJzrmlqDhX
この日のオープニングを飾ったのは臼山田洋オーケストラによるDJプレイ。