ライブ開始時刻になると配信画面にはイメージ映像と共に、モデルの高瀬真奈によるindigo la Endの歌詞を散りばめたポエトリーリーディングが放映された。その後、真っ暗な森の中で光るステージを空撮したドローンの映像に切り替わり、1曲目「夜汽車は走る」がスタート。ステージは木々に囲まれた屋外の円形劇場の中心に設置されており、床にラグマットが敷かれていたり、スタンドランプが置かれたりと、まるで洋館のような雰囲気に彩られていた。メンバーはそこで円陣を組んで互いに向き合いながら、霧のようなスモークがかかった幻想的な雰囲気の中で演奏を展開。ステージの周囲には大きな透明の幕が垂らされ、風になびいていた。
その後も彼らは「想いきり」や「瞳に映らない」などを休みなく次々に披露。曲間にMCを入れない代わりのように時折、歌詞を散りばめたポエトリーリーディングがイメージ映像と共に上映された。「鐘泣く命」では周囲で揺れる幕に映像が投影され、会場はますます不思議な雰囲気に。バンドが静かに「抱きしめて」を奏でると、川谷絵音(Vo, G)の切ない歌声が夜の闇に溶け込んでいく。さらに、川谷がハンドマイクでラップする「ラッパーの涙」で映像にエフェクトをかけたり、「心の実」でメンバーの姿に残像を残したり、「悲しくなる前に」で画面をモノクロにしたりと、配信ライブならではの映像演出が繰り広げられた。
ステージを照らす照明はカメラを通して宝石のように輝き、メンバーはその光をまといながら美しい音色を奏でていく。6月に配信リリースされた「夜漁り」が始まると、まるでリアルタイムでリリックビデオを作るかのように、歌に合わせて画面上に歌詞が登場。さらに、周囲に垂らされた幕にMVが投影される中で披露された「チューリップ」など、生放送とは思えないほどに作り込まれた演出は続く。
イベントタイトルにもなっている「夏夜のマジック」が始まると、川谷は階段状になった誰もいない客席に上って、ステージを見下ろすようにして熱唱。その間、ステージ周りの幕には打ち上げ花火の映像が映し出された。そして間奏に入った瞬間、川谷の頭上に本物の花火が次々と打ち上げられ、遠くから聞こえる花火の破裂音と共に、バンドの演奏が夜空に響き渡った。
この日はここまでMCは一切なかったが、イメージ映像が明けると川谷が「新曲やります」とひと言。翌9日に配信リリースされた、昭和のシティポップを思わせるメロウな新曲「夜風とハヤブサ」を初披露した。そして最後に川谷が、結成10周年記念公演を初の配信ライブという形で行ったことを「すごく緊張した」と振り返りつつ、「僕らは相変わらず自分たちのペースでやっていこうと思いますので、これからもよろしくお願いします」と挨拶。そのまま川谷はステージの外に歩き出て、何本ものトーチの炎に囲まれながら、電飾されたマイクスタンドを前にラストナンバー「結び様」を感情を込めて歌い上げた。
なお現在、YouTubeではこのライブの全曲ダイジェスト映像を公開中。配信プラットフォーム・Thumvaでは8月17日18:00までアーカイブ映像が配信されており、視聴チケットは8月16日まで販売されている。
indigo la End 10th Anniversary Visionary Open-air Live「ナツヨノマジック」2020年8月8日 山梨県 河口湖ステラシアター セットリスト
- 夜汽車は走る
- 想いきり
- はにかんでしまった夏
- 瞳に映らない
- 見せかけのラブソング
- 鐘泣く命
- 雫に恋して
- 煙恋
- 抱きしめて
- 通り恋
- ラッパーの涙
- 心の実
- 悲しくなる前に
- 夜漁り
- チューリップ
- 夏夜のマジック
- 夜風とハヤブサ
- 結び様
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