「時空の旅へ -Around The World-」というメッセージが画面に映し出されたのち、スタートしたこの日のライブ。オープニングVTRの中で実った白いリンゴが木から落ちると、その白いリンゴはM!LKの5人がスタンバイするスタジオへと転がっていった。5人が1曲目に披露したのは清涼感に満ちたサマーチューンの「かすかに、君だった。」。歌い出しを担う山中柔太朗を筆頭にメンバーはさわやかながら切ない曲の世界観を声色や表情で表現し、静かに燃えるようなパフォーマンスで視聴者を一気に“時空の旅”へと引き込んだ。
リーダーの吉田仁人が伸びやかな歌声を響かせた2曲目の「Gotta Get Up」を終えると、曽野舜太は「皆さん、夏が始まりましたー!」とみ!るきーず(M!LKファンの呼称)に向けて思い切り叫んだ。「夏味ランデブー」でパフォーマンスエリアを飛び出した5人はうちわや虫取り網を手にスタジオ内を行進。間奏では仁人がスイカ割りにも挑戦し、メンバーのガイドで見事にスイカを叩き割ってみせた。スタジオをぐるりと一周した5人がステージに飛び乗ると、続く「完全S.S.D!」へ。M!LKの夏の定番曲を連投して視聴者を楽しませる5人のテンションは高く、仁人のソロダンスパートでは残る4人がみ!るきーずに代わってコールを飛ばしてパフォーマンスを大いに盛り上げた。
自己紹介を兼ねた最初のMCでは、仁人が「前回の配信ライブが好評だったみたいで、ありがたいことに今回が第2弾。今日は夏っぽい雰囲気のM!LKや、今まで見せたことのないM!LKを見せていきたいと思います!」と5人を代表してコメントした。塩崎太智が「次の旅に行きましょう!」と言うと、シンボリックな白いリンゴが登場するVTRと共にライブは次のシーンへと切り替わり、5人は詰襟の軍服、制帽に和柄の羽織を重ねた出で立ちでステージに再登場した。
和傘を手に凛と佇み、ビジュアルでも“タイムスリップ”を表現した5人は、和風のアレンジが施された「パッパラ・シュビドゥ・ヴァァァァァァァ」を歌い踊った。ステージ後方の特大LEDビジョンには彼らの歌に合わせて雅なグラフィックが映し出され、和の世界観を際立たせる。5人が羽織りと帽子を脱ぎ去ると「Amore ~僕は君に愛を叫ぶ~」へ。ジャパネスクな映像は闘牛場の映像へと切り替わり、メンバーはマタドールのように優雅なステップを踏む。この楽曲でリードボーカル的な立場を担う柔太朗はカメラに迫りながら甘いセリフを口にして、不敵な笑みでみ!るきーずにアピールした。そして最新アルバムに収録されているバラードナンバー「君がくれた宝物ならココにある」はストリングスの生演奏と共に届けられ、横1列に並んだメンバーはそれまでのフィジカルなパフォーマンスから一転、思いのすべてを歌声に込める渾身のユニゾンを披露した。大サビでは佐野勇斗、仁人、舜太が声を重ね、彼らの作り出すエモーショナルなムードを一層広げるように、LEDビジョンには打ち上げ花火の映像が映し出された。
何もない空間に横たわる舜太と柔太朗が赤く色付いたリンゴをかじるというコンセプチュアルな映像と共に、5人の“旅”は再び違う場面へ。真っ白なシャツに赤い紐を巻きつけた衣装に着替えた5人は、ここでオリエンタルなダンスナンバー「MAGIC CARPET」をドロップした。5人が立つステージの床面LEDに揺らめく絨毯が現れると、そのステージは彼らを乗せて上昇。“魔法の絨毯”に乗ったM!LKは鋭い視線をカメラに投げながら情熱的なダンスを踊り、高揚感をぐんぐんと高めてゆく。続く「May」では5人が手にした赤いリボンを絡ませ合い、力強い歌声を響かせながら次々と美しいポーズを形成。これまでに見せたことのない新たな表現で印象的なシーンを作り上げていた。
勇斗が「テレビの前で気を抜いてたら怒りますよ!」とみ!るきーずを熱く煽り、動物の鳴き声を真似た咆哮で5人がワイルドな一面を見せた「ジャングリズム」が届けられるとライブも終盤。本編ラストの「Around The World」では、リモートでつながったたくさんのみ!るきーずの姿がLEDビジョンに映し出された。み!るきーずに見守られながら、円形のフォーメーションで笑顔を交わした5人。柔太朗が「すごく“長い旅”でしたが、楽しかったです」と口にすると、舜太は「どんな難題に直面しても負けずに進んでいきましょう!」と続き、太智は「みんな楽しかった?」、勇斗は「また皆さんに会えるのを楽しみにしてるからね!」、仁人は「この5人でライブができること、そして皆さんがいること、本当に感謝してます!」とそれぞれに呼びかけた。
5人が「み!るきーずのみんな、ありがとう!」と声をそろえて手を振ったところでライブは締めくくられたが、Twitterに寄せられたたくさんの「もう1杯!」コメントを受けてライブはアンコールへ。太智の「さっそく初披露しちゃいまーす!」という声で始まったのは配信リリースされたばかりの新曲「SDR」だった。「SDR」は太智と舜太がメインボーカルを担うロックナンバーで、歌詞には「その(曽野)まま大地(太智)を進め」と2人の名前が組み込まれる遊び心も。勇斗、柔太朗、仁人が何度も拳を掲げてパフォーマンスを盛り上げる中、スタンドマイクを握った太智と舜太はシャウトやラップバトルも披露する活躍ぶりでみ!るきーずに大きなインパクトを与えた。
「SDR」に続き、5人は一心不乱にヘッドバンギングを繰り返す32秒のトラック「HEADBANG!」を初披露した。この日最後のMCでは、9月30日にM!LKの4thアルバム「HOME MADE CHU!?」がリリースとなることも発表され、仁人は「アルバムの発売も決まりまして。これからも楽しいM!LKでやっていきたいなと思います」とみ!るきーずに伝えた。ラストナンバーの「My Treasure」では、舜太が「早く会いたいよー!」とカメラの向こう側へ向けて絶叫。曲を終え、勇斗も「あなたが笑顔で応援してくれている姿を想像して、僕らも楽しく踊ることができました。でもやっぱり生で会いたいね!」と思いを語り、彼の言葉にメンバーも笑顔でうなずいていた。
M!LK「M!LK ONLINE CHU!? SUMMER -Around The World-」2020年8月2日 セットリスト
01. かすかに、君だった。
02. Gotta Get Up
03. 夏味ランデブー
04. 完全S.S.D!
05. パッパラ・シュビドゥ・ヴァァァァァァァ
06. Amore ~僕は君に愛を叫ぶ~
07. 君がくれた宝物ならココにある
08. MAGIC CARPET
09. May
10. ジャングリズム
11. Around The World
<アンコール>
12. SDR
13. HEADBANG!
14. My Treasure
※塩崎太智の崎はたつさきが正式表記。
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真夏のM!LKは配信ライブで“時空の旅”へ「でもやっぱり生で会いたいね!」 https://t.co/DgnSQMcURy