でんぱ組.inc、バンドメンバーと作り上げた世界で一番熱い夏祭り

でんぱ組.incが7月30日に配信ライブ「THE FAMILY TOUR 2020 ONLINE ～夏祭り編!!～」を開催した。

「THE FAMILY TOUR 2020 ONLINE」は新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となった全国ツアー「THE FAMILY TOUR 2020」の配信版。第2弾となる今回は、板垣祐介（G）、山田裕之（B）、松原“マツキチ”寛（Dr）、村山☆潤（Key）からなるバックバンド・でんでんバンドを携えてライブが行われた。

開演時刻を迎えると、オープニングを飾るmeme tokyo.より韓国在住のメンバー・SOLIのコメントが届けられる。映像がスタジオに移り変わると、meme tokyo.のMEW、ASUKA、RITO、 KOROMOが登場。色とりどりの照明と共に7月29日発売の新曲「モラトリアムアクアリウム」でライブの口火を切る。RITOの「精一杯盛り上げていけるように頑張りますので、皆さんもたくさん一緒に盛り上がっていきましょう」という言葉に続けて、「スーサイド ボーダレス」を初披露。激しいダンスとともに力強い歌声を響かせた。

再び待機画面に戻り、10分ほど経過してオープニング映像がスタート。夜空に打ち上がる花火の映像がフェードアウトすると、画面にはスタジオでスタンバイする古川未鈴、相沢梨紗、成瀬瑛美、藤咲彩音、鹿目凛、根本凪の姿が現れる。そして生バンドの音が鳴り響き、「プレシャスサマー！」で“夏祭り”が開幕。1曲目から無観客ライブとは思えない熱気を画面越しに届ける。画面の4隅にはワイプが用意されており、そこにはバンドメンバーの演奏風景が映し出される。その後、彼女たちは「でんぱれーどJAPAN」「NEO JAPONISM」を立て続けに披露。メンバーはカメラに向けて手を振ったり、指ハートを作ったりするなど、思い思いのパフォーマンスを視聴者に届けた。

MCでは相沢が「今年は夏フェスに出ることが叶わなかったから、どうしても夏フェスみたいなことしたかったんだよね」と今回のライブを開催した背景を語り、成瀬も「せっかくの夏だもんさ！ バチンとなんかやらんと！」と応える。自己紹介のコーナーでは前回の配信ライブに引き続き、観客のレスポンス部分を自分たちで声色を変えカバーした。

ライブ中盤の「おやすみポラリスさよならパラレルワールド」「星降る引きこもりの夜」では、でんぱ組.incとバンドメンバーの映像が目まぐるしくスイッチングされたり、歌詞に合わせて星型のワイプが画面上を漂ったりするなど、遊び心満載の演出が行われる。続いて6人は最新アルバムから、夏祭りにぴったりの祝祭的なナンバー「いのちのよろこび」を披露。現場の晴れやかな空気が画面越しにも伝わってくるような、朗らかなパフォーマンスを繰り広げた。

その後のMCでは藤咲がSNS用のハッシュタグ「#でんぱ夏祭り」がTwitterでトレンド入りしたことを報告。また鹿目の「明後日でもう8月ですよ。私たちが8月の頭になるんだ！という気持ちで……」という発言に、ほかのメンバーが「頭になる……？」「August Head？」と戸惑いを見せる場面も。古川は「誰かわかる人コメント書いてもらっていいですか？」とTwitterに助けを求めた。

ライブも終盤に差しかかると、6人はでんぱ組.inc史上もっともテンポが速いという「破！to the Future」から「Future Diver」を連投し、未来をテーマにした2曲を畳みかける。続く「ORANGE RIUM」ではサイリウムを持ったたくさんのファンの姿が画面いっぱいに映し出され、それまでの空気から一転感動的なムードに。曲終わりには、相沢が「ここに映ってない人もこんな感じでお家で盛り上がってるんだと思ったら、たくさんの人のことを思い出して泣けちゃった」と涙ながらに語った。本編ラストの「おつかれサマー！」に突入すると、彼女たちはタオルを振り回し、夏フェスさながらの熱いパフォーマンスを見せ、舞台を去った。

チャットやSNSで寄せられたアンコールに応え、でんぱ組は甚平姿で再び舞台に登場。「ユメ射す明日へ」をしっとりと歌い上げる。その後、彼女たちは「THE FAMILY TOUR 2020 ONLINE」の最終公演の開催発表を挟み、「アイノカタチ」を披露。最終曲として「愛が地球救うんさ！だってでんぱ組.incはファミリーでしょ」がタイトルコールされると、曲が始まると思いきや、メンバーによるハッピーバースデーの歌と共にケーキが登場し、相沢の誕生日が祝われる。相沢は「油断してた」とこの日2回目の涙を見せた。6人は和やかな空気から仕切り直し、「愛が地球救うんさ！だってでんぱ組.incはファミリーでしょ」を熱演。最後まで視聴者にエネルギッシュなダンスと歌唱を届け、ライブは終了した。エンドロールとしてリハーサルの様子が流れると、最後には「Special Thanks いつも応援してくれるファンのみんな」の文字が映し出され、ファンへの感謝と共に“夏祭り”は幕を閉じた。

なおZAIKOでは8月10日までこのライブのアーカイブ映像を視聴することができる。チケットは8月8日まで購入可能。