KANA-BOON、無観客配信ライブで全国に届けた素直な思い「俺たちのライブを取り戻そう」

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昨日7月26日、KANA-BOONが東京・EX THEATER ROPPONGIで生配信ライブ「KANA-BOONの “プレ” BEST LIVE」を開催した。

「KANA-BOONの  “プレ”  BEST LIVE」の様子。(撮影:ハタサトシ)

「KANA-BOONの “プレ” BEST LIVE」の様子。(撮影:ハタサトシ)

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ベストアルバム「KANA-BOON THE BEST」発売記念ツアーが新型コロナウイルスの感染拡大により2回も延期となったことを受けて開催された今回の配信ライブ。当初は会場収容定員数の50%以内の座席数での観客を動員して行われる予定だったが、直前に東京都より発表された外出自粛の呼びかけを受け、急遽無観客で開催された。

開演前には谷口鮪(Vo, G)、古賀隼斗(G)、小泉貴裕(Dr)によるライブグッズ企画会議のVTRが流れ、ファンを楽しませた。さらに開演5分前から会場でスタンバイするメンバーの様子が生中継され、ステージ袖で“エア円陣”を組む3人とサポートメンバーの遠藤昌巳(B)の姿が映ると、チャット欄には期待の声があふれた。

谷口鮪(Vo, G)(撮影:ハタサトシ)

谷口鮪(Vo, G)(撮影:ハタサトシ)[拡大]

「『KANA-BOONの “プレ” BEST LIVE』始めます!」という谷口の言葉に続いて最初に演奏されたのは、ベストアルバムでも1曲目を飾る「ないものねだり」。谷口は「今日は数年ぶりの原曲サイズでいきますよ!」と、コール&レスポンスなしのストレートなプレイを展開した。古賀が奏でる美しいギターイントロが印象的な「さくらのうた」を朗々と響かせたあと、谷口はこの日のライブについて「我々はステージでなくても、演奏することが何より大好きなんやと気付いたので。原点に立ち返りつつ、誰もお客さんのいなかった三国ヶ丘FUZZを思い出したりしつつ(笑)最後まで楽しんでいきたい」と、意気込みを熱く語った。

古賀隼斗(G)(撮影:ハタサトシ)

古賀隼斗(G)(撮影:ハタサトシ)[拡大]

「盛者必衰の理、お断り」をタイトに聴かせると、その後は「1.2. step to you」「ウォーリーヒーロー」と「KANA-BOON THE BEST」の収録曲を最初から連続5曲で披露するセットリストに、チャット欄は大いに沸き返った。さらに小泉のドラムイントロから「結晶星」が始まり、涼やかなサウンドと谷口が歌う叙情的な歌詞でライブの流れを変えた。続くMCでは静まり返ったフロアに散らばるスタッフを見渡した谷口が「演奏が終わったら拍手してもらうとか、決めておけばよかった(笑)」と愚痴り、古賀が「拍手のSEとか用意しておけばよかった」と同意する一幕も。その後自粛期間中の過ごし方を尋ねられた小泉は料理に熱中していたことを明かして谷口から「何になろうとしてるの?(笑)」とツッコまれ、古賀は谷口、小泉、遠藤とコール&レスポンス合戦を繰り広げるなど、自由奔放なひとときが展開された。

そんなMCに続き、「フルドライブ」のタイトなビートで会場の空気が再び変化する。「涙」をエモーショナルに奏でたあと、谷口は全国のファンに「距離は遠いですけど、ちょっとでもつながれれば」とハンドクラップを呼びかけてから「なんでもねだり」を笑顔を交えて歌い上げた。メンバーたちによる1つ前のMCの散らかり具合を「ここに観に来てくれる人たちがおったらなんとかなったかもしれんな(笑)。普段どれだけみんなに助けられてるか」と振り返った谷口は、「みんなが、あなたがいないとこれだけポッカリ胸に穴が空いてしまう。この今の感情は忘れずにいようと思います」と語り、その気持ちを表現するように「シルエット」を熱唱した。

小泉貴裕(Dr)(撮影:ハタサトシ)

小泉貴裕(Dr)(撮影:ハタサトシ)[拡大]

「彷徨う日々とファンファーレ」そして「まっさら」が力強く演奏されたあと、谷口はバンドを代表し、今回のライブを有観客で行おうとした狙いを「みんなで対策して、感染者が出ないライブを作りたかったんです。今はライブハウスがピンチな状況に陥っているので、ちょっとでも早く事態を好転させたかった。でもタイミング的にこういう形になってしまい、それは残念です」と話した。そして「ライブハウスは俺たちにとっては大切な場所、勇気や愛をもらえる場所だと思うからなくしちゃいけないと思います。来月からいろんなライブがありますが、そこに行くと決めた皆さんは対策を徹底して、ライブを作る一員という自覚を持って。俺たちのライブを取り戻しましょう」と、ファンに語りかけた。

4人は本編最後の曲として「スターマーカー」を華々しく披露。すると谷口は有観客開催だった場合にアンコールとして1曲用意していたと語り「ライブでやったことがない曲なんですけど……暗い闇から抜け出す春が奪われてしまったので、心の中では春を待っている状態、俺たちにとっての冬がちゃんと明けたらいいなという曲です」と、ラストナンバー「春を待って」を紹介した。4人は息の合った演奏で、それぞれの思いを全国に届けた。

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「KANA-BOONの “プレ” BEST LIVE」2020年7月26日 セットリスト

01. ないものねだり
02. さくらのうた
03. 盛者必衰の理、お断り
04. 1.2. step to you
05. ウォーリーヒーロー
06. 結晶星
07. フルドライブ
08. ディストラクションビートミュージック
09. 涙
10. なんでもねだり
11. シルエット
12. バトンロード
13. 彷徨う日々とファンファーレ
14. まっさら
15. スターマーカー
16. 春を待って

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