超特急、5人で伝えた6人の集大成「Toooooo8」の思いが浮き彫りにした“相思相愛”

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超特急が本日2月23日に東京・Zepp Tokyoでファンクラブツアー「BULLET TRAIN FUN CLUB TOUR 2020『Toooooo 8』」の最終公演を開催した。

超特急(撮影:米山三郎)

超特急(撮影:米山三郎)

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1月25日の宮城・SENDAI GIGS公演を皮切りに全国6会場で10公演を行い、約2万人の8号車(超特急ファンの呼称)を動員した今回のツアーは、グループにとって過去最大規模のファンクラブツアー。そして、2月20日に休養中だった6号車・ユースケが2月末をもって脱退することを発表した超特急にとって、この日のツアーファイナルは“6人体制ラスト”のライブとなった。

カイ(撮影:米山三郎)

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6人のライブシーンのハイライトをまとめたオープニングVTRがovertureに乗せて映し出されると、電車のドアを模した5つの扉が一斉に開いて5つのシルエットが浮かび上がる。胸ポケットにメンバーカラーの花を挿したジャケットスタイルのカイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシの5人は扉の向こうから8号車の前へ歩み出て、「Fashion」でムーディにライブをスタートさせた。

交錯するスポットライトに照らされながら舞台上を舞い、曲終わりで膝から崩れ落ちた5人。「Booster」の力強いイントロを合図に一斉に立ち上がると、今度はパワフルなラップのリレーとキレ味鋭いダンスパフォーマンスで会場の熱を一気に引き上げた。ユーキの「ツアーファイナル、楽しんでいこうぜ!」という声と共に届けられた3曲目の「Kiss Me Baby」では、5人の気迫に負けじと8号車が大きなコールで6人の名前を呼ぶ。ユーキとユースケがペアで踊る2番のシーン、ユーキはスポットライトの“右半分”に照らされながら見せ場のダンスをシャープに踊りきり、ボーカルのタカシが不意に放った荒々しいシャウトにはこのステージに懸ける並々ならぬ気迫がこもっていた。

リョウガ(撮影:米山三郎)

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「SAY NO」を終えMCタイムに入ると、リーダー・リョウガから真っ先にユースケの脱退を受けてのメンバーの思いが8号車へと伝えられた。リョウガは「このたびは8号車の皆様を驚かせてしまったこととつらい思いをさせてしまったこと、申し訳ない思いでいっぱいです。本日のライブが6人と8号車での最後のライブとなります」とファンに語りかけ、「メンバーとしてはユースケを笑顔で見送ってあげたい。ご乗車してくださった皆様にもその願いを叶えてほしいと思っています」と伝える。こののちの自己紹介では5人と8号車がひとつになってユースケの口上を叫んだが、ここでライブカメラに映し出されたのは、5本のスティックパンを抱えたユースケの「超特熊」(ぬいぐるみ)。スタッフからこの超特熊を受け取った5人はユースケの好物であるプレーン味のスティックパンを黙々と口に運び、この光景にリョウガは「……なんでライブ中にパン食べてんの?」と首をかしげていた。

また、今回のツアーで演出を含むライブ制作全般を手がけたユーキは「今日持てる力をすべて出しきって、明日につなげたいなっていう気持ちでいっぱい」とライブに懸ける思いを明かした。ツアータイトルには「8号車へ愛をいっぱい届けたい」というメンバーの思いが込められているというが、ユーキは「東京公演の前にユースケの発表があって、1日目、2日目とやっていくうち、『僕たちからみんなに』と言いつつ8号車からたくさんの力を僕たちもいただいてしまって」と恥ずかしそうに笑いながら伝える。そして「時には8号車のみんなの力を頼りにしつつもそれに甘えず、もっとみんなを驚かせたり楽しませたり笑顔になってもらえるライブを作っていきたいと思います!」と素直な思いを吐露した。

タクヤ(撮影:米山三郎)

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タカシの「超特急愛してるか? 俺らも愛してるぞ!」というラブコールでライブを再開させた5人がここで届けたのは、ユースケのセンター曲でもある「No. 1」。いつもは8号車が推しメンの名前を思い思いに叫ぶサビのコールもこの日は自然と「ユースケNo. 1!」という声一色になり、場内に大きく熱い一体感を生み出していた。続く「Pretty Girl」では、“付き合って2日目の記念日”にユーキを温泉に誘うタクヤ、「なんで振り向いてくれへんの!?」とそのタクヤに求愛するタカシ、カイに「温泉で(カイの弱点である)鎖骨まで洗ってやる!」と詰め寄るリョウガと、ポップなラブソングに乗せて5人の関係性を恋愛模様風に描き出すメンバーの演技に笑い声や歓声が上がる。中でも大サビを歌いながら濃厚な絡みを見せたタクヤとユーキの姿には、一層大きな悲鳴が集まっていた。

思わせぶりにジャケットを脱ぎ捨てた5人が椅子を使った艶めかしいダンスで色香を放つ「Body Rock」、パワフルなダンスビートに乗ってそれぞれの激情をあらわにする「We Can Do It!」と、中盤には超特急の楽曲の中でも一際セクシャルな2曲が連投され、メンバーはぐっと大人びた表情で8号車を翻弄。「We Can Do It!」の後半パートには男女のダンサー4人とダンサーメンバーによるダンスパートも設けられ、男性ダンサー2人とぶつかり合うように躍動するユーキや女性ダンサーとのペアダンスを見せるリョウガの姿を、8号車は息を呑むように見つめていた。

超特急(撮影:米山三郎)

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リョウガとタカシ。(撮影:米山三郎)

リョウガとタカシ。(撮影:米山三郎)[拡大]

バックダンサーを交えたダンスリレーという新たな表現をユーキ演出で見せたメンバーがこののちに用意したのは、超特急の楽曲をメドレーでつないで物語を描き出すダンスストーリー。リョウガを主人公に据えたこの物語では、「Rush Hour」の満員電車でヒロインに出会った彼がタカシ演じる彼女に思いを伝えるべく奔走する姿が、このツアーのために新たに付け直した振りとマイムを交えたコミカルな動きによって表現された。リョウガの恋の結末を彩ったのは、今冬に発表された新曲の「サヨナラは雪のあとで」。1980年代のポップスを意識して作られたこの曲でタカシは朗々としたボーカルを響かせ、ダンサーの4人は動きの1つひとつに切なさをにじませるようなソロダンスで楽曲の世界観を雄弁に伝えていた。

超特急(撮影:米山三郎)

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ダンスストーリーを終えた5人が一旦ステージから姿を消すと、ビジョンには超特急のこれまでの歩みを振り返るような映像が映し出された。結成当初、新大久保でストリートライブをしていたダンサーの姿やバックステージでふざけあう6人の笑顔に8号車が熱い眼差しを注ぐとライブもクライマックスへ。タクヤがプロデュースしたブロックチェックの衣装に着替えた5人は、別れゆく愛しい人への思いを歌う「refrain」、離れた場所にいても共鳴し合う心を歌う「Synchronism」にそれぞれの思いを乗せる。「Synchronism」はユースケのポジションを空けたままのフォーメーションで披露され、この曲でユースケとペアを組むタクヤは右手で「6」のマークを作って優しい笑みを浮かべた。

ユーキ(撮影:米山三郎)

ユーキ(撮影:米山三郎)[拡大]

このあとにユーキが8号車に伝えたのは、今回のツアー演出に自身が込めた思い。「超特急らしくしたいなと思ったから、セットを電車モチーフにしてもらったり。僕が演出をやるからには、超特急らしくないといけないなと思っていて……ああ、なんで泣くんだろ!」と流れる涙を何度もこらえながら、彼は「どうしても自分の中でプライドがあって、その軸はブレたくないし。ユースケが休養している中でのツアーだったから、メンバー愛や絆を感じてほしい、知ってもらいたいから昔の映像や写真をメンバーからもらったり。新しい見せ方にも挑戦したかったし、これまで培ってきたものを僕なりに発揮させていただきました。言葉で伝えるのはヘタだけど、ライブを観て感じるものが伝わっていればいいなと思います」と熱い思いを吐露した。そんなユーキの煽りから「Drawイッパツ!」がスタートすると、8号車はユーキ考案のコールを息ぴったりに叫んで5人のパフォーマンスを盛り上げる。本編のラストを飾ったのはユースケセンターのライブ定番曲「Burn!」。カイの「悔いのないように声出してください!」という言葉に応じた8号車は大サビでこの日一番の大合唱を響かせ、あふれ出す思いを歌声に乗せて飛ばしていた。

タカシ(撮影:米山三郎)

タカシ(撮影:米山三郎)[拡大]

そしてアンコールのラスト、6人体制最後の曲として披露されたのは、ユースケが大好きな超特急への思いを歌にしてたくさんの人に伝えるべく作詞作曲した「超特急です!!!!!!!!」だった。黄色の照明に照らされる5人は持ちうる限りの力を放出するような大暴れでこの曲を叫び、ステージの上を駆け回る。ユースケがこの曲に込めた“超特急愛”を体現し、6人の超特急としてのラストライブを完全燃焼で終えた5人と8号車。最後にリョウガは「6人最後のライブ、最高のライブになりました! 改めてありがとうございました!」と8号車に感謝を伝え、5人は何度もフロアへ手を振りながら舞台袖へ。最後に1人残ったタカシは「っしゃあ! 俺らがんばっていくで!」と思いを叫んだ。

超特急 コメント

カイ

僕たち含め8号車さん含め、今日の日を乗り越えた僕たちは誰よりも強くて優しくて、愛にあふれた人になれると思っているので……これから先も、手を取り合って進んでいけたらと思います。今はいろんな感情があって当然だけど、このライブを楽しもうと思ってくれているのはみんな同じ。この先どうなるかはわからないですけど、僕らと8号車がいれば怖いものはないですし、メンバーも言っているように奇跡は起こると思います。僕は超特急の先頭車両なんで、みんなを引っ張って。8号車も9号車(スタッフ)も、全員を……リーダーのリョウガとは別のところで、超特急という列車をドームの先の未来まで引っ張っていける先頭車両でいたいなと思いますので、この先も楽しい人生を一緒に歩んでいきましょう。

タクヤ

今回のファンクラブツアー、特に東京での3日間は1日1日が濃かったです。皆様にすごく支えられたライブだったなと思っています。自分がライブをしていて一番楽しいと思える瞬間は、1人ひとりの笑顔を見れたときです。これから先、何があるかわからないですけど……皆さんとよりたくさんの笑顔を共有して、日々を過ごせることを楽しみに。これからもがんばっていきたいと思います。

ユーキ

この先超特急、何が起こるかわからないですけど、自分の中では「これだ」っていう超特急の姿が見えています。これからみんなといっぱい話し合って、この先の超特急の姿……僕なりの夢が見えているので、そこに誰一人置いていかずに連れていけたらと思います。皆の気持ちはすごく届いているし、俺たち自身も考えながらこの先進んでいって。これから先には、悲しいことがないような。明るい未来を作っていけたらなと思います。

タカシ

今回の出来事は、人によって時間のかかることだと思います。でも俺たちは絶対に誰一人置いていかないので。これからも一緒に僕らと笑っていきたいと思ってくれたらうれしいです。それと、1つ言いたいのは、皆さん本当に大丈夫です。超特急とユースケは、僕が絶対守りますから。それだけは本当に信じてください。まだまだあきらめられないこと、たくさんあるんです。自分は末っ子担当やし、ボーカル1人でやってるけど、もっと胸張って、これからいろんなところに出て行こうと思ってるから! ただそれだけです。これからも超特急、前に向かって進んで行きます。よろしくお願いします!

リョウガ

僕たちは、8号車の幸せを一番に思っています。皆さんが幸せだと思う道に僕たちと歩む未来があるのなら、どこまでも一緒に歩む……歩むというより、走っていけたらなと思っています。今は何が起こるかわからない未来が広がっているけど、1人ひとりの強い思いがあれば、どんな道も走っていけると思っているので。こんな超特急ですが、同じメンバーとして、これからも僕らをよろしくお願いします。

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超特急「BULLET TRAIN FUN CLUB TOUR 2020『Toooooo 8』」2020年2月23日 Zepp Tokyo セットリスト

01. Fashion
02. Booster
03. Kiss Me Baby
04. SAY NO
05. No. 1
06. Pretty Girl
07. Body Rock
08. We Can Do It!
09. Rush Hour~Jesus~EBiDAY EBiNAI~サヨナラは雪のあとで
10. refrain
11. Synchronism
12. Drawイッパツ!
13. Don't Stop 恋
14. Burn!
<アンコール>
15. Love again
16. 超特急です!!!!!!!!

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HMV三宮オーパ @HMV_Sannomiya

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