東京女子流これまでの10年に思い馳せ、新曲「薔薇の緊縛」で見せた大人の姿

東京女子流が2月1、2日に東京・マイナビBLITZ赤坂でワンマンライブ「GIGS at AKASAKA～TOKYO GIRLS' BAND STYLE～」を開催した。この記事では2日公演の模様をレポートする。

オープニングではノスタルジックな雰囲気を持つ“1980年代アイドル風アイドル”というコンセプトのもと、昨年秋よりソロ活動を行っている新井ひとみが1人で登場。大きなリボンと紫のレトロな衣装に身を包んだ新井は昨年11月にリリースしたソロシングル第1弾で、1983年発表の太田貴子「デリケートに好きして」のカバーをチャーミングに歌唱した。さらにうしろゆびさされ組「渚の『・・・・・』」を歌い、「みんなの心におじゃま虫～」とお決まりの挨拶を決めた新井は中森明菜「少女A」をカバー。西村奈央（Key）、ひぐちけい（G）、伊藤千明（B）、MIZUKI（Dr / 真空ホロウ、FINAL FIELD）といった東京女子流のバックバンドを従え、クールで力強いステージを展開した。

新井のオープニングアクトにより会場の温度が高まる中、東京女子流はデビュー曲「キラリ☆ 」のコスチュームを彷彿とさせる、山邊未夢デザインによる白と黒の新衣装でステージへ。バンドの演奏に合わせて「Lolita☆Strawberry in summer」でセクシーなダンスを見せたのち、ジャズやロカビリーのテイストを取り入れた「孤独の果て～月が泣いている～」、腕を突き上げる振りが印象的な応援ソング「Rock you!」を連続でパフォーマンスする。MCでそれぞれ自己紹介した4人は、続けてEDMナンバー「Ever After」「water lily～睡蓮～」を初めてバンドセットで披露したほか、「Liar」「鼓動の秘密」といったライブの人気曲を畳みかけて場内の熱気を上昇させた。

アコースティックのコーナーではリーダー庄司芽生が今年1月1日にグループが結成10周年を迎えたことに触れ、「ここに来るまでに、大切な女の子が1人いました。その子の思いを乗せて1曲届けたいと思います」と言葉を紡ぐ。東京女子流は2010年に5人組グループとしてデビューしたが、2015年に小西彩乃が腰痛の悪化のため活動を休止し、その年の12月に卒業したことにより現在の編成になった。庄司の言葉を合図に、4人は小西の活動休止期間中に発表した現体制初アルバム「REFLECTION」の収録曲「White Snow」「純白の約束」を歌唱。場内をセンチメンタルなムードで満たし、アスタライト（東京女子流ファンの呼称）と共に結成からの10年の日々を噛み締めた。

その後「Regret.」「雨と雫」といったアッパーな楽曲で会場の空気が一変すると、ライブは後半ブロックへ突入。「Unlimited addiction」「加速度」「ヒマワリと星屑」を立て続けにパフォーマンスしたメンバーは笑顔で観客を煽り、明るい曲調の「大切な言葉」「光るよ」でさらにアスタライトを盛り上げる。そしてファンクチューン「Attack Hyper Beat Pop」でテンション高くタオルを振り回した彼女たちは、最後に「YOU & I FOREVER（Original Mix）」を歌ってステージをあとにした。

アンコールで再びステージに登場した4人は、5月5日にリリースする結成10周年記念シングル収録の新曲「薔薇の緊縛」を披露。庄司が初めて振り付けを手がけ、大人の東京女子流を表現したダンスでアスタライトを魅了する。庄司は「1人で考えてるときは『これ大丈夫かな？ ちゃんと形になるのかな？』と心配だったんですけど、振り落としをやってみたら『やっぱりメンバーってすごいな』と感じました。自分が思っていたより、自信を持って皆さんに届けられるものになったんじゃないかなと思います」と心境を報告した。またライブハウスとしての営業を終了することが決定しているマイナビBLITZ赤坂での思い出を語り合ったあとには、9月に同会場で再び東京女子流のライブが行われることが発表され、客席が大いに沸き立つ。ラストナンバーとしてデビュー曲「キラリ☆」 を届けたあと、庄司は「10年前は何もわからず、ゼロからスタートした私たちですが、こうやってみんなと10周年を迎えられて、走り続けることができて本当にうれしいです！」「みんなを引っ張っていけるようにまだまだがんばっていきたいと思いますので、これからも付いて来てください！」と挨拶。最後は結成10周年を祝し、アスタライトから4人に花束が贈られた。