7月に同じ会場で行われた「PRIZMAX Live Level 8 ~CIRCUS~」に続く公演として実施されたこの日の公演。7人の新体制の初ワンマンだった「Level 8」からの進化を見せるべく、メンバーは前公演とクロスオーバーするようなシーンや新たな一面を見せるシーンを盛り込んだライブを提示した。またこの日のライブは、年内でグループを離れて芸能界を引退するパフォーマー・福本有希にとってのラストライブ。会場には大勢のホリック(PRIZMAXファンの呼称)が集まり、愛されキャラの最年長・福本王子との最後の“デート”の時間を過ごした。
オープニングムービーののち、ステージの中央には森崎ウィンが1人で姿を見せる。彼が高らかに歌いだしたのは、「PRIZMAX Live Level 8 ~CIRCUS~」でも幕開けを飾った「Light The Night」。ウィンの歌声に導かれるようにメンバーが1人ずつ登場する演出も、蛍光イエローとブラックのツートンの衣装も「Level 8」と同様だが、ステージ上の7人は息の合ったダンスと力のみなぎるボーカルで5カ月前からの進化をホリックに力強く提示してみせる。続く「DADADADADADA」では、冒頭からフルスロットルのパフォーマンスを見せるメンバーにオーディエンスも呼応。ウィンがメンバーに高く担ぎ上げられると観客も熱狂の声を上げながらペンライトを持つ手を高く掲げた。
3曲を終えての自己紹介では、有希が「俺のかわいいかわいい豊洲PITのハニーたち! 今日何しに来たんだっけ?」と呼びかける。強烈な王子様キャラでホリックをリードする有希の挨拶では恒例の問いかけに、ホリックは大きな声で「デート!」と反応。これに有希は「ラブラブでいこうぜ!」と楽しそうな笑顔を浮かべ、ウィンも「ハニーたちー!」と便乗していた。7人がカジュアルな衣装に着替えて届けられた「カフェオレ」では、女性ダンサーを交え、カフェを舞台とした恋人たちのワンシーンを描き出すストーリー性のあるパフォーマンスが繰り広げられた。ケビンはキーボード演奏、森英寿はマジックとそれぞれの特技を盛り込んだ演出もホリックの目を楽しませたが、ラストにはマジックで出現させたバラを清水大樹に取られ、女性へのアピールタイムを失ってしまった英寿が肩を落とすというオチも。
また、この日のライブではメンバー個々やユニットでのパフォーマンスタイムも随所に設けられた。有希は女性ダンサーとの情熱的なペアダンスを踊り、シャツのボタンを1つずつ外していく仕草でホリックの悲鳴を誘う。ケビン、英寿、小川史記がさわやかに「Baby Be Mine」を歌ったのち、ウィンは1人ギターの弾き語りで「抱きしめて行く」を披露。ステージ上に浮かぶ月の下、思いを込めた歌声を聴衆にじっくりと聴かせていた。
ウィンのアカペラが豊かに響いたミドルバラード「Yours」で再びシーンは変わり、ボルドーのジャケットスタイルでドレスアップした7人は感情を乗せたダンスを優しくオーディエンスへと届ける。「Sweet Goodbye」ではPRIZMAXの歌声を担うウィン、ケビン、英寿のボーカルワークが冴え渡り、3人は息の合った掛け合いで聴衆を圧倒してみせた。そして、ここでホリックを驚かせたのは7人がSUPER★DRAGON「Don't Let Me Down」をカバーした場面。ジャズアレンジで原曲よりもラグジュアリーなムードが増したサウンドに乗せ、メンバーは2本のスタンドマイクに顔を寄せ合いながら楽しげに歌声を響かせる。そして「BAD LOVE」で艶っぽい空気感はぐっと深まり、アンティーク調のベッドが置かれたステージ上で女性ダンサーとの濃密な絡みを見せながら曲を歌い踊るメンバーは、ホリックの悲鳴のような歓声をその身に集めていた。
「Gradually~Someday」のダンストラックで有希、大樹、翼、史記の4人はパワフルなソロを披露。有希が見せたアクロバティックな回転技にはひと際大きな歓声が上がり、会場の熱狂は加速していく。4人のパフォーマンスに続いてオーディエンスを熱くさせたのは英寿。ロックアレンジされた「I believe」を熱く歌い上げた彼の声に呼応するように、ホリックも力強く拳を上げた。そして、7人が客席のあちこちを動き回って会場中を盛り上げた「my girl」で場内の一体感はより大きなものに。メンバーの顔には自然と晴れやかな笑顔が浮かび、彼らはお互いの顔を見合いながら楽しそうに体を弾ませていた。
メンバーの歌声にホリックも大きな声を合わせた「Just Revolution」が届けられると、ステージ上のビジョンには「Level 8」のライブ映像やバックステージを記録したダイジェストが映し出された。「五感から第六感へ」という「Level 9」のライブテーマがホリックに提示されたのち、7人が披露したのは最新シングル「愛をクダサイ / Beginning」の表題曲「愛をクダサイ」。感情を揺さぶるボーカル3人の豊かな歌声に乗せ、ダンサーメンバーも切なげな表情を浮かべながら繊細なダンスで楽曲の世界観を提示する。心に訴えかけるパフォーマンスをクライマックスに届けた彼らは、最後にもう1つのタイトルトラック「Beginning」をドロップする。「愛をクダサイ」と同様に「心臓」をテーマに据えた楽曲ながら、メンバーは鋭い視線と激しい群舞で「愛をクダサイ」との鮮やかなコントラストを描き出し、オーディエンスを圧倒したままでライブ本編を終えた。
ホリックの熱烈なアンコールに応えてステージに戻った7人は、温かなラブソング「HUG & KISS」でライブを再開させた。曲を終えると、リーダーの大樹は「今日でうちの王子が卒業です!」と、有希に言葉を求める。どこか気恥ずかしそうに挨拶に立った有希は「ハニーたち、楽しかったですか? 幸せですか?」と呼びかけた。そして「15年間芸能界やってきて、2013年に5人のPrizmaXがスタートして今は7人。ウィン、大樹、翼、森、史記、ケビン。そしてスタッフ、何よりもハニーたちと出会えたことが幸せです。芸能界は辞めるけどハニーたちのダーリンは辞めないので、夢の中に出たらイチャイチャしてくれますか? 泣くのは今日だけでいいですか?」と、最後まで王子様キャラを貫く言葉でホリックに別れの言葉を送った。
7人がこのあとに披露したのは、ケビンが作曲、有希が作詞を担当したという「絆」というナンバー。舞台上の階段のあちこちに立つメンバーは、それぞれの思いを表情ににじませる。「出会ってくれて本当にありがとう」と歌ったウィンは涙でその先が歌えなくなり、彼の様子を背中で察した有希も、笑顔の瞳に涙を溜めながら前を向いていた。曲終わりに7人が手をつなぐと、ウィンは大樹と手をつないだままで涙を拭う。そして有希のもとへ集まった7人は、固く抱き合いながら別れの涙を分かち合っていた。
「いける? いける!」とお互いを鼓舞し、PRIZMAXは「Three Things」で7人体制最後のライブを終えた。曲終わり、ウィンは「有希お疲れ!」と思い切り叫んで盟友を送り出す。ホリックの温かい拍手と「有希!」という歓声に包まれる中でライブは終幕。6人のメンバーが退場し、1人残った舞台上で有希は「好き!」と最後に叫び、ステージをあとにした。
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PRIZMAX「PRIZMAX Live Level 9 ~CIRCUS WINTER EDITION~」2019年12月29日 チームスマイル・豊洲PIT セットリスト
01. Light The Night
02. DADADADADADA
03. Are you ready?
04. DANCE(INTL VERSION)
05. カフェオレ
06. Angel
07. 福本有希ソロコーナー
08. Baby Be Mine
09. 抱きしめて行く
10. I hate you
11. Yours
12. Sweet Goodbye
13. Truth
14. Don't Let Me Down
15. WHO
16. BAD LOVE
17. 島田翼ソロコーナー
18. I want your love
19. GO!
20. Never
21. Gradually~Someday
22. 森英寿ソロコーナー / I believe
23. my girl
24. Ready
25. Just Revolution
26. 愛をクダサイ
27. Mysterious Eyes
28. Beginning
<アンコール>
29. HUG & KISS
30. 絆
31. Three Things
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PRIZMAX、7人の進化示した豊洲で有希と涙の別れ「泣くのは今日だけでいいですか?」 https://t.co/QtXgKQoGEv