オープニングDJの
真っ赤なライトがステージを照らす中、中納が妖艶な歌声を聞かせた「Neon Sign Stomp」、ビッグバンドジャズ風の洒脱な「Crazy Fruits」に続けて、「PARANOIA」「カサヴェテス」といったライブ定番曲が届けられるとフロアの空気が一気に熱を帯びていく。ホーン隊がステージ袖にはけるとバンドネオンの物悲しい調べに乗せて中納が「下弦の月」を情感たっぷりに歌い上げる。ここで森がアコースティックギターに持ち替え、バンドは伝説のフォーク歌手ウディ・ガスリーの娘であるノラ・ガスリーが唯一残したシングルより「Home Before Dark」をプレイ。この上なくマニアックな選曲で観客を唸らせた。なお中納が歌う日本語詞は彼女自らが手がけたものだという。
「かつて..。」「L'amant」の演奏が終わると中納が一旦ステージから退場。森曰く「恒例の趣味のコーナー」がスタートする。バンドはスカ調にアレンジしたカントリースタンダード「Ghost Riders In The Sky」、Tommy McCook & The Supersonicsによるロックステディ「Sweet Lorna」をカバー。The Special AKA「Alcohol」の演奏中には衣装を着替えた中納が合流し、気怠い雰囲気のサウンドに乗せてアンニュイな歌声を聞かせる。続く「a love song」では一転、穏やかな裏打ちのサウンドと中納のスウィートな歌声が相まって場内に温かなムードが広がっていった。
「色彩のブルース」でライブは佳境に突入。「昨日の夢……」と中納がアカペラで歌い始めると張り詰めたムードが場内を支配する。中納はそのままアカペラでの歌唱を続け、サビ部分に差しかかると口元からマイクを遠ざけ生声を会場に響かせる。そして彼女の歌声が途切れようとした刹那、ドラムのフィルインで演奏がスタートすると、固唾をのんでステージを見守っていた観客から割れんばかりの大きな拍手と喝采が寄せられた。
「Nervous Breakdown」では清水が鳴らすベースの上で各演奏者が不協和音を奏で、そこに中納がスキャットを重ねてカオティックな雰囲気を生み出した。続けてバンドは「黒アリのマーチングバンド」「くちばしにチェリー」といったキラーチューンを連発。狂騒的かつスリリングな演奏と中納の鬼気迫るようなパフォーマンスでフロアは爆発的な盛り上がりに。ステージ前に押し寄せた汗まみれの観客たちが中納に手を伸ばすと、彼女はうれしそうな表情を浮かべてハイタッチを繰り返す。場内の興奮が冷めやらぬ中、EGOは最後に「雨のdubism」を届けてステージをあとにした。
アンコールの拍手に導かれて中納、森、清水、トウヤマ、山口の5人がステージに登場する。アンコール1曲目は「GI GO LO」。森がエレキギター、清水がウッドベース、トウヤマがバンドネオンを演奏し、バルコニーの階段に腰かけた山口が踏むタップのリズムが哀愁漂う楽曲の世界観を見事に演出する。ホーン隊が合流するとバンドは晴れやかな雰囲気の「A Little Dance SKA」を演奏。場内に雪が降る中、最後はダメ押しとばかりに「GO ACTION」で再びフロアを盛り上げてライブの幕を下ろした。
EGO-WRAPPIN'「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」2019年12月23日 東京キネマ倶楽部 セットリスト
01. Livin' in the Sunlight
02. CAPTURE
03. Neon Sign Stomp
04. Crazy Fruits
05. PARANOIA
06. カサヴェテス
07. 下弦の月
08. Home Before Dark
09. かつて..。
10. L'amant
11. Ghost Riders In The Sky
12. Sweet Lorna
13. Alcohol
14. a love song
15. 色彩のブルース
16. Nervous Breakdown
17. 黒アリのマーチングバンド
18. くちばしにチェリー
19. 雨のdubism
<アンコール>
20. GI GO LO
21. A Little Dance SKA
22. GO ACTION
リンク
歌謡ロックbot @kayourock
EGO-WRAPPIN'、絶妙な選曲と演出で魅せた19回目の「Midnight Dejavu」 #EGO_WRAPPIN https://t.co/uDPV246ydX