EGO-WRAPPIN'、絶妙な選曲と演出で魅せた19回目の「Midnight Dejavu」

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EGO-WRAPPIN'が主催する年末恒例のライブシリーズ「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」が12月20、21、23日に東京・東京キネマ倶楽部にて、28、29日に大阪・ユニバースにて行われた。19回目を迎えた今年も多くの観客が会場に足を運び、ノスタルジックな雰囲気の中行われるパフォーマンスと本公演ならではの絶妙かつマニアックな選曲を存分に楽しんだ。この記事では23日に行われた東京公演の模様をレポートする。

「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」の様子。(撮影:仁礼博)

「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」の様子。(撮影:仁礼博)

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「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」の様子。(撮影:仁礼博)

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「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」の様子。(撮影:仁礼博)

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オープニングDJのCampanellaがフロアを温めたのち、ステージ左横のバルコニーに森雅樹(G)とサポートメンバーの山口とも(Dr)、清水恒輔(B)、トウヤマタケオ(Piano, Key)、icchie(Tp, Flugelhorn)、武嶋聡(T.Sax, S.Sax, Flute, Clarinet)、後関好宏(A.Sax, B.Sax)、滝本尚史(Tb)がそれぞれ楽器を手にして現れる。すると場内にはビング・クロスビーやタイニー・ティムの歌唱で知られるジャズスタンダード「Livin' in the Sunlight」が鳴り響き、バルコニー後方の黒い幕の隙間から3匹のパペットが顔を覗かせ、楽曲に合わせてパクパクと口を動かす。SEが鳴り止むとメンバーがマーチングバンドスタイルで「Livin' in the Sunlight」の演奏をスタート。陽気で賑やかなサウンドに祝祭ムードが高まる。楽曲が中盤に差しかかると、バンジョーを弾く森の先導でメンバーは演奏を続けながら、ゆっくりと階段を降りてステージに向かう。メンバーが持ち場に着くと、今度はパペットを手にした中納良恵(Vo)と2人の黒子がバルコニーに登場。中納は軽やかな足取りでステージ中央に歩を進めると「エブリバディ、よーござんすか!?」と力強く観客に呼びかけ、「EGO-WRAPPIN'、ショータイム!」という彼女のシャウトをきっかけに、この日のライブは「CAPTURE」でドラマチックに幕を開けた。

中納良恵(Vo)(撮影:仁礼博)

中納良恵(Vo)(撮影:仁礼博)[拡大]

真っ赤なライトがステージを照らす中、中納が妖艶な歌声を聞かせた「Neon Sign Stomp」、ビッグバンドジャズ風の洒脱な「Crazy Fruits」に続けて、「PARANOIA」「カサヴェテス」といったライブ定番曲が届けられるとフロアの空気が一気に熱を帯びていく。ホーン隊がステージ袖にはけるとバンドネオンの物悲しい調べに乗せて中納が「下弦の月」を情感たっぷりに歌い上げる。ここで森がアコースティックギターに持ち替え、バンドは伝説のフォーク歌手ウディ・ガスリーの娘であるノラ・ガスリーが唯一残したシングルより「Home Before Dark」をプレイ。この上なくマニアックな選曲で観客を唸らせた。なお中納が歌う日本語詞は彼女自らが手がけたものだという。

森雅樹(G)(撮影:仁礼博)

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「かつて..。」「L'amant」の演奏が終わると中納が一旦ステージから退場。森曰く「恒例の趣味のコーナー」がスタートする。バンドはスカ調にアレンジしたカントリースタンダード「Ghost Riders In The Sky」、Tommy McCook & The Supersonicsによるロックステディ「Sweet Lorna」をカバー。The Special AKA「Alcohol」の演奏中には衣装を着替えた中納が合流し、気怠い雰囲気のサウンドに乗せてアンニュイな歌声を聞かせる。続く「a love song」では一転、穏やかな裏打ちのサウンドと中納のスウィートな歌声が相まって場内に温かなムードが広がっていった。

中納良恵(Vo)(撮影:仁礼博)

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「色彩のブルース」でライブは佳境に突入。「昨日の夢……」と中納がアカペラで歌い始めると張り詰めたムードが場内を支配する。中納はそのままアカペラでの歌唱を続け、サビ部分に差しかかると口元からマイクを遠ざけ生声を会場に響かせる。そして彼女の歌声が途切れようとした刹那、ドラムのフィルインで演奏がスタートすると、固唾をのんでステージを見守っていた観客から割れんばかりの大きな拍手と喝采が寄せられた。

「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」の様子。(撮影:仁礼博)

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「Nervous Breakdown」では清水が鳴らすベースの上で各演奏者が不協和音を奏で、そこに中納がスキャットを重ねてカオティックな雰囲気を生み出した。続けてバンドは「黒アリのマーチングバンド」「くちばしにチェリー」といったキラーチューンを連発。狂騒的かつスリリングな演奏と中納の鬼気迫るようなパフォーマンスでフロアは爆発的な盛り上がりに。ステージ前に押し寄せた汗まみれの観客たちが中納に手を伸ばすと、彼女はうれしそうな表情を浮かべてハイタッチを繰り返す。場内の興奮が冷めやらぬ中、EGOは最後に「雨のdubism」を届けてステージをあとにした。

「EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」の様子。(撮影:仁礼博)

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アンコールの拍手に導かれて中納、森、清水、トウヤマ、山口の5人がステージに登場する。アンコール1曲目は「GI GO LO」。森がエレキギター、清水がウッドベース、トウヤマがバンドネオンを演奏し、バルコニーの階段に腰かけた山口が踏むタップのリズムが哀愁漂う楽曲の世界観を見事に演出する。ホーン隊が合流するとバンドは晴れやかな雰囲気の「A Little Dance SKA」を演奏。場内に雪が降る中、最後はダメ押しとばかりに「GO ACTION」で再びフロアを盛り上げてライブの幕を下ろした。

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EGO-WRAPPIN'EGO-WRAPPIN' live Midnight Dejavu」2019年12月23日 東京キネマ倶楽部 セットリスト

01. Livin' in the Sunlight
02. CAPTURE
03. Neon Sign Stomp
04. Crazy Fruits
05. PARANOIA
06. カサヴェテス
07. 下弦の月
08. Home Before Dark
09. かつて..。
10. L'amant
11. Ghost Riders In The Sky
12. Sweet Lorna
13. Alcohol
14. a love song
15. 色彩のブルース
16. Nervous Breakdown
17. 黒アリのマーチングバンド
18. くちばしにチェリー
19. 雨のdubism
<アンコール>
20. GI GO LO
21. A Little Dance SKA
22. GO ACTION

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