昨年11月発売のアルバム「AINOU」で一躍脚光を浴び、快進撃を続けている中村。今年は東京・LIQUIDROOM、東京・草月ホール、大阪・BIGCATでワンマンライブを開催したほか、野外音楽フェス「FUJI ROCK FESTIVAL '19」にも出演し、大きな話題を集めた。史上最大規模となる今回のワンマンライブもチケットはすぐにソールドアウトとなり、新木場STUDIO COASTのフロアは隅から隅まで人でいっぱいに。自由奔放なライブで観客を驚かせ続けてきた中村は、ここでいったいどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。
そんなファンの期待であふれる会場に、中村はバンドメンバーの荒木正比呂(Key)、深谷雄一(Dr)、MASAHIRO KITAGAWA(Cho, Sampler)、西田修大(G)と共に静かに登場。会場にピアノの音を響かせると、その思いをアドリブで歌に変えていく。彼女はじっと耳を傾ける観客に対して、自分を見つけてくれたあなたたちのおかげで私の景色が変わったのだと力強く歌い、「一緒に楽しみましょう! 中村佳穂です!」と高らかに名乗りを上げた。
拍手と歓声が会場を包む中、中村がグルーヴィにシンセベースを演奏するとバンドも加わり「GUM」がスタート。メンバーそれぞれが勢いあふれるプレイを繰り広げ、会場を盛り上げていく。「アイアム主人公」では中村がバンドを自由自在に操ってスリリングなライブを展開。この曲は中村が指定する回数だけバンドがキメを連発するパフォーマンスが恒例となっているが、今回は正確に72回のキメをそろえて観客を沸かせた。その後、中村はアドリブをふんだんに交えながら「Fool For 日記」「SHE'S GONE」「get back」といったライブ定番曲を次々に披露。卓越した技術で生み出される深みのあるサウンドに観客を没入させていった。
「You may they」で深谷が激しいドラムプレイを披露したあと、中村はステージの中央に移動すると太鼓の演奏に挑戦。「鍵盤も打楽器だと思ってるから太鼓もきっと大丈夫!」と叫び、バチが折れそうな勢いで太鼓をリズミカルに打ちまくる。そこへスペシャルゲストの石若駿がドラムセットと共に台車に乗って現れると「LINDY」に突入し、中村、深谷、石若の3人がそれぞれ打楽器を打ち鳴らすエネルギッシュなアレンジで観客を圧倒した。大きな拍手が巻き起こる中、中村は2016年にリリースした1stアルバム「リピー塔がたつ」の収録曲「どこまで」を石若とのデュオセッションで披露。さらに石若にピアノの演奏を委ねると、石若率いるプロジェクト・Answer to Rememberの1stアルバムから中村佳穂BANDが参加した「LIFE FOR KISS」を届けた。
石若の退場後、中村はライブの前日にできたばかりだという新曲を歌おうとするが、歌詞を記した携帯電話が見つからない。結局歌詞を見ずにパフォーマンスすることになったものの、中村はダンサブルな新曲をチャーミングな振り付けと共にしっかりと歌い上げ、音源化されていない新曲をもう1曲披露。続けてアルバム「AINOU」のリード曲「きっとね!」を軽快に演奏してステージをあとにした。鳴り止まない拍手に応じてアンコールがスタートすると、中村は12月8日に誕生日を迎えたKITAGAWAをサプライズで祝福し、バースデーケーキをプレゼント。ハッピーなムードがあふれる中、最後に披露された「そのいのち」ではミラーボールが会場全体に星空のような景色を広げ、ドラマチックなエンディングを作り上げた。
中村佳穂「うたのげんざいち 2019」2019年12月10日 新木場STUDIO COAST セットリスト
01. アドリブ
02. GUM
03. 新曲
04. アイアム主人公
05. Fool For 日記
06. SHE’S GONE
07. get back
08. q
09. シャロン
10. You may they
11. LINDY(
12. どこまで(中村佳穂×石若駿)
13. LIFE FOR KISS feat. 中村佳穂Band(中村佳穂BAND+石若駿)
14. 新曲
15. 新曲
16. きっとね!
<アンコール>
17. そのいのち
ホリゴメ姐 @57727uchi
【ライブレポート】中村佳穂が満員の新木場COASTで太鼓乱打、石若駿と壮絶セッション(写真12枚) https://t.co/oZeFkIDEi3